最近、大手IT企業では解雇が日常となりつつありますが、かつて絶好調だったビデオ会議のズーム・ビデオ・コミュニケーションズ(以下「Zoom」)も従業員を約15%一時解雇することを発表しました。
この決定は、Zoom創業者のエリック・ユアンCEOが公式ブログ記事で明らかにしたもの。予測できない経済状況と景気後退の可能性があるためとして、従業員の15%に当たる1300人程度を解雇すると述べています。
Reutersによると、2022年にZoomの利益は38%減少し、売上が6.7%しか増えなかったことを受けて、今回の決定が下されたとのこと。
ユアン氏はZoomの従業員にレイオフを告げるメッセージを送り、「約1300人の勤勉で才能ある同僚に別れを告げるのはつらい」と語っています。
さらに、米国在住でレイオフの対象となる従業員には個別でメールを送ると言い、「このニュースで目覚めた、あるいは勤務時間外にこれを呼んでいる方々には申し訳ありませんが、影響を受ける全ての人にできるだけ早く通知するのが最善だと考えた」とのこと。
解雇される社員には、最大16週間の有給休暇と医療費、年末のボーナス1対1のコーチングやワークショップなど、手厚いサポートが約束されています。
ユアン氏は自らの給料を98%減らし、他の幹部も20%の減給と23年度のボーナスをなしにするとのこと。
Zoomは2020年以降のコロナ禍でビデオ会議のニーズが急増した結果、2年間で3倍の規模に成長したとのこと。とはいえ、ユアン氏は急成長する市場が長期的にどう変化するかを考えず、不況の場合への準備を怠ったとの趣旨を述べて反省しています。
Zoomはこの試練を乗り越えることができるのでしょうか? 同氏は「私たちがチームにもたらした変化を決して無駄にしない」と約束。「私たちは過去から学び、将来の成功に備え、Zoomを明日に進化させるために努力を重ねていきます」と述べています。