2022年6月、アップルは後払いシステム「Apple Payで後払い」を発表しました。これは米国のユーザーがApple Payの支払いを利息や手数料なしで、6週間にわたり4回の分割にできるというものです。そして最近、アップルが社内テストを拡大し、直営店の従業員も参加させて、いよいよ一般公開が近づいている兆しが見えたと報じられています。
アップルは支払いに関する新機能を、まず直営店のアップルストアでテストすることがよくあります。例えば、自社のクレジットカード「Apple Card」(日本では未提供)も、2019年にストアの従業員がテストを開始。また、iPhoneがタッチ決済端末になる「Tap to Pay」も本社近くのビジターセンターから試験運用していました。
The Apple Park Visitor Center is one of the only apple retail stores in the US to support contactless pay straight from an iPhone. Awesome to see in person! pic.twitter.com/GiFDiL56OO
— Michael (@NTFTWT) May 15, 2022
Apple Payで後払いは2022年6月の開発者イベント「WWDC 2022」で発表され、本来はiOS 16と同時にリリースされるはずでした。
が、実際には搭載されず、その後に続報もなし。アップルの社内事情に詳しいMark Gurman記者は、当時アップルが「サービスを展開する上でかなり大きな技術的・工学的課題」を抱えており、そのため延期になったと述べていました。
最新の記事でGurman氏は、現在アップルは米金融大手のゴールドマン・サックスと協力して、高額な買い物の支払いを数か月に分割できる代わりに、金利を上乗せするオプションを準備していると報じています。
Apple Payで後払いが発表された当時、アップルは顧客の与信管理(取引先として相応しいかをなどを調査し、確実に貸付金を回収するための業務)を行う完全子会社まで設立していました。アップルは金融業界でも影響力を増していくことになりそうです。