最新のiPhone 14 Pro Maxは、いったい製造においくら掛かっているのか? 使用パーツのコストを単純に合計した額では、先代のiPhone 13 Pro Maxよりも少し高くなっていることが明らかとなりました。
香港の調査会社Counterpoint Researchは、アップルがiPhone 14 Pro Maxを作るのにどれだけのコストが掛かるかのレポートを公開しています。その結果によれば、ストレージ128GB版では部品の合計額は約464ドル(約6万1000円)だったとのこと。この額は、iPhone 13 Pro Maxをおよそ3.7%上回っています。
コストが増えた主な理由は、背面メインカメラが48MPに強化(13 Pro Maxは12MP)されたことに加えて、新たな常時表示ディスプレイによるものと分析されています。
その一方で、昨年よりも価格が下がっているパーツも。最も値下がりが目立つのは5G通信関連パーツで、先代モデルと比べて「5Gセルラー技術の普及に伴う部品価格が下がった」ことで、全体に占めるコストは13%にまで低下したそうです。すでに5G元年から数年が経っており、ほとんどのスマホに搭載されたことから、量産効果でコストダウンされたと思われます。
そして心臓部分のA16 Bionicチップは、1年前のA15 Bionicより約11ドルも値上がりしました。このチップを含む「プロセッサー」関連は、部品コスト全体の20%にも上っています。
またアップルの自社設計チップは総コストの22%以上を占めており、iPhone 13 Pro Maxのそれよりも大きくなっています。同社は独自モデムやWi-Fi/Bluetooth統合チップも開発中との噂もあり、今後ますます外部への発注を減らしていくのかもしれません。
これらの数字は材料費のみを対象としており、組み立てやパッケージ、流通などのコストは含まれていません。またアップルは研究開発やマーケティングに莫大な資金を投じていることもあり、原価だけを見て高すぎる、といった議論は意味がないでしょう。
それでも部品コストが年ごとにどう変わり、最終的なiPhoneの価格にどう影響するのかを考察するのは、非常に興味深いことです。
なおCounterpointによると、最もコスト増が激しかったのは、iPhone 11からiPhone 12に移行する時だったそうです。部品コストは26%も増えていますが、これは主に(12シリーズで初採用だった)5Gモデムによるもの。やはり最先端の技術は、お金が掛かりがちのようです。
Source:Counterpoint Research
via:9to5Mac