アップルのワイヤレスイヤホンAirPodsは、まるで自分の周りで楽器が演奏されたり歌手が歌っているような空間オーディオを実現しています。そして新たに、同社がこの機能をさらに強化し、様々な仮想空間を体験できるかもしれない特許を取得しました。
アップルが現地時間4月8日に米国で取得した「仮想リスニング環境の実現」なる特許は、オーディオのパラメータを動的に調整し、簡単にいえばイコライザ(音質を変えられる機能)の進化版です。ソフトウェアとオーディオ信号プロセッサを組み合わせることで、ユーザーの周囲の環境に合わせて様々なリスニング体験を実現するもので「仮想リスニング環境の測定」と説明されています。
これにより野外、コンサートホールやリビングルーム、教室、公共交通機関など、色々な音響パラメータを忠実に再現できるというものです。音圧を調整し、仮想環境での音響をシミュレートし、それらを空間オーディオでの聞こえ方に反映させるわけです。
特許文書によれば、この機能の最終的な目的は、より没入感のあるリスニング体験を実現することにあるようです。つまりオーディオ出力を立体化するとともに、イヤホンから出力されるオーディオの聞こえ方についても忠実度を向上させることを目指している模様です。
アップルのようなハイテク大手は数々の特許を出願および取得しており、そのうち実際に製品化されるものはごく一部に過ぎません。しかし、無印AirPodsからAirPods Proへと進化した方向性には沿っており、いずれ家にいながらコンサートホールでの音響体験を味わえるようになるのかもしれません。