まもなく次期「iPhone 15」シリーズの大量生産が始まる見通しですが、組立工場が十分な数の従業員を確保するため、1か月の間にボーナスを3回もアップさせたと報じられています。
台湾Foxconnが中国・鄭州市(別名iPhone City)で運営する工場は、世界最大のiPhone組立施設であり、全iPhone供給量のうち80%を組み立てていると推定されています。この夏の間、十分な労働力を確保して生産の目詰まりを避けることが、十分な台数のiPhone 15を供給するためのカギとなるわけです。
2022年末には工場内で新型コロナが感染拡大したため、従業員が集団隔離された上に、食糧や物資の支給も十分ではなく、約束された特別ボーナスも支払われず。その不満が爆発して、従業員らが抗議活動を起こしたり、逃げ出す騒動が起こったほどです。
その後、Foxconnはボーナス支払いに関して誤りを認め、辞職に同意した人々に退職金を支払ったところ、2万人以上が離職していました。今年は、それを繰り返したくないようです。
香港メディアSouth China Morning Postによると、Foxconnは先週末、新入社員は工場で90日以上働くと最大3,000元(約6万円)のボーナスを受け取る権利があり、最大21元(約415円)の時給を受けられると通知したとのこと。また、いま勤務している従業員は500元の紹介ボーナスを得られるそうです。もっとも、すでにFoxconnは5月だけで2回も手当を引き上げていると伝えられています。
日本の感覚からすると少額にも思えますが、これは基本給の約1か月分です。つまり3か月働くと、4か月分の給料が支給されることになります。また紹介ボーナスは、1週間分の給与に相当しています。
1か月で3回もボーナスが上がるとは大盤振る舞いのようですが、裏返せば2回アップさせても効果が薄かったということでしょう。ともあれ従業員の待遇を改善しつつ、十分な台数のiPhone 15シリーズを生産できるよう期待したいところです。
Source:South China Morning Post
via:9to5Mac