2023年11月1日、楽天グループが「SPUの特典内容変更について」という内容を発表しました。楽天プレミアムカードの特典が廃止になるなど、変更内容のインパクトは大きく、SNSでは終日トレンドを賑わす事態に発展。既存ユーザーからは「改悪だ」「ほかの経済圏に移るかも……」などの声が多く聞かれました。
厳しい意見が多い一方、楽天モバイルユーザーにとっては、改悪とは言い切れない変更となっています。
本記事では、楽天の新しいSPUについて、格安SIMやスマホのお得な情報、最新ニュースを発信するメディア・モバワン編集部が解説します。
大半のサービスで獲得上限ポイントが低下。本気のポイ活ユーザーには痛手
SPU(スーパーポイントアッププログラム)は、楽天グループのサービスを使えば使うほど、楽天市場で買い物をした際に付与されるポイントの倍率がアップするプログラムです。楽天グループが発表した「SPUの特典内容変更について」という内容は、12月1日午前0時から適用されます。
変更は多岐にわたりますが、ここでは楽天トラベルと楽天ブックスを例に、変更前後を比較してみます。
変更前 | 変更後 | |
楽天トラベル | 【ポイント倍率】 +1倍 【獲得上限ポイント】 ・ダイヤモンド会員:1万5000ポイント ・プラチナ会員:1万2000ポイント ・ゴールド会員:9000ポイント ・シルバー会員:7000ポイント ・その他会員:5000ポイント 【SPUが適用される金額】 1回5000円以上の予約&翌々月までの利用 | 【ポイント倍率】 +1倍 【獲得上限ポイント】 一律1000ポイント 【SPUが適用される金額】 1回5000円以上の予約&翌々月までの利用 |
楽天ブックス | 【ポイント倍率】 +0.5倍 【獲得上限ポイント】 1000ポイント 【SPUが適用される金額】 1000円以上購入 | 【ポイント倍率】 +0.5倍 【獲得上限ポイント】 500ポイント 【SPUが適用される金額】 3000円以上購入 |
※価格は税込み表示です。
まず、楽天トラベルのSPUは従来、楽天の会員ランクによって獲得上限ポイントが異なる仕組みとなっており、ダイヤモンド会員なら月1万5000ポイントまで受け取ることができました。しかし、今回の変更でランクによる優遇が終了。会員ランクに関わらず、一律1000ポイントが上限となってしまいました。
また、楽天ブックスのように、SPUが適用される金額が、1000円以上の購入金額から3000円以上になるなど、適用までのハードルが上がる変更もあります。
こうした変更は、ほぼすべてのSPUを対象としているため、SPUを活用して楽天市場で大きな買い物をするヘビーユーザーや、本気のポイ活ユーザーにとっては、大きな痛手となる変更と言えます。
楽天モバイルのSPUはポイント倍率上昇&獲得上限が低下
一方、楽天モバイルユーザーの場合、決して改悪とは言い切れない変更になっています。下表は、楽天モバイルに関連するSPUを変更前後で比較したものです。
変更前 | 変更後 | |
Rakuten最強プランを契約 (ダイヤモンド会員) | 【ポイント倍率】 +3倍 【獲得上限ポイント】 7000ポイント | 【ポイント倍率】 +4倍 【獲得上限ポイント】 2000ポイント |
Rakuten最強プランを契約 (ダイヤモンド会員以外) | 【ポイント倍率】 +2倍 【獲得上限ポイント】 6000ポイント | |
下記いずれかの旧プランを契約 ・スーパーホーダイ ・組み合わせプラン ・コミコミプラン | 【ポイント倍率】 +1倍 【獲得上限ポイント】 5000ポイント | 対象外 |
楽天モバイルキャリア決済を利用 | 【ポイント倍率】 +0.5倍 【獲得上限ポイント】 5000ポイント 【SPUが適用される金額】 2000円以上利用 | 【ポイント倍率】 +2倍 【獲得上限ポイント】 1000ポイント 【SPUが適用される金額】 2000円以上利用 |
※価格は税込み表示です。
まず、現行プランである「Rakuten最強プラン」を契約中の場合、これまではダイヤモンド会員とそれ以外の会員で、ポイント倍率と獲得上限ポイントに差がありました。
しかし、今回の変更で、会員ランクに関係なく一律+4倍・上限2000ポイントに変更となりました。
そして、楽天モバイルの旧プラン(スーパーホーダイ、組み合わせプラン、コミコミプラン)を契約している人は、SPU対象外に変更になっています。
次に、Google Playストアなどで購入したアプリやゲームを楽天モバイル経由で支払う「楽天モバイルキャリア決済」でも大きな変更があり、ポイント倍率が+0.5倍から+2倍に増加する一方で、獲得上限ポイントは5000ポイントから1000ポイントに減少しています。
このように、楽天モバイルに関しては、「ポイント倍率が上昇し、獲得上限ポイントが下がる」という変更になっていることがわかります。
楽天モバイルユーザー&楽天市場ライトユーザーを優遇
それでは実際に、今回の変更前後で楽天モバイルユーザーにどのような影響があるのかを試算してみましょう。
変更前 ・ダイヤモンド会員がRakuten最強プランを契約:+3倍 | 変更前 ・ダイヤモンド会員がRakuten最強プランを契約:+4倍 | |
楽天市場1万円利用 | 300ポイント | 400ポイント |
楽天市場5万円利用 | 1500ポイント | 2000ポイント(上限2000ポイント) |
楽天市場7万円利用 | 2100ポイント | 2000ポイント |
楽天市場10万円利用 | 3000ポイント | 2000ポイント |
楽天市場20万円利用 | 6000ポイント | 2000ポイント |
楽天市場23万3000円利用 | 6990ポイント(上限7000ポイント) | 2000ポイント |
ここでは、ダイヤモンド会員の人が、Rakuten最強プランに加入した場合のSPU付与ポイントを比較していきます。
上の表のとおり、変更前は上限が7000ポイントだったので、楽天市場で約23万3000円購入するまでポイントが加算されていました。
一方で変更後は、楽天市場で5万円を利用すると獲得上限の2000ポイントに達してしまうため、それ以降のポイント獲得はできません。ただし倍率が+4倍にアップしているため、場合によっては同じ金額でも変更前より多くのポイントが付与されることがわかります。
ほかのSPUの獲得上限が低下しているため、トータルのお得さは慎重に判断する必要がありますが、少なくとも「楽天モバイルユーザーかつ、楽天市場での月間購入金額が多くない人」にとっては、今回の変更は改善と言える内容です。
楽天モバイルは、いわゆる「プラチナバンド」の獲得も決まり、今後はよりつながりやすくなることが期待されている通信キャリアです。これからも楽天経済圏をお得に使いたい人であれば、加入を検討してみるのも良いでしょう。
モバワンでは、楽天モバイルに関するさまざまな解説記事を多数アップしているので、ぜひアクセスしてみてください。