iPhoneのCPU性能は、Androidスマートフォンよりも常に優位に立ってきました。クアルコムの最新ハイエンドチップSnapdragon 8 Gen 3も、少なくともシングルコア性能ではiPhone 15 Pro搭載のA17 Proにかなりの遅れを取っています。
しかし、2025年の「Snapdragon 8 Gen 4」を搭載したAndroidスマホは、プロセッサーの設計を行うArmの技術進歩により、「iPhone 16 Pro」の性能を上回る可能性が浮上しています。
現状、ハイエンドAndroidスマートフォンのプロセッサーは全て、ArmのCortex CPUコアを使っています。たとえばSnapdragon 8 Gen 3はCortex-X4を搭載する、という具合です。
さて市場調査会社Moor Insights and Strategyの報告書によれば、Armは2025年に「最高のスマートフォンCPUコアを実現するという大胆な計画」を持っているそうです。
コードネーム「Blackhawk」と呼ばれる次期Cortex CPUコアは「過去5年間で最大の前年比性能アップ」をもたらすと期待されるとのこと。つまり、ここ5年間で最も性能の伸びしろが大きいというわけです。
さらに目標とするのは「Arm設計のプロセッサーとArmカスタム実装との性能差をなくす」こと。アップルのA17 Pro等もArm設計を使っていますが、それを実際のプロセッサーに実装するのが非常に巧く、同じくArm設計に基づくAndroid向けチップに差を付けている。そのギャップを解消しよう、というわけです。
このCortex-X5 CPUコアは、ほとんどのGalaxy S25シリーズに搭載されるサムスン独自開発の「Exynos 2500」等に使われる可能性が高いとのこと。毎年のGalaxy Sシリーズには、サムスン独自開発のExynosシリーズと、クアルコム製のSnapdragonシリーズが搭載される傾向がありますが、2025年にはExynos採用モデルの比率が高まる見通しです。
それ以外のGalaxy S25シリーズには、クアルコムの「Snapdragon 8 Gen 4」が採用されると見られています。こちらも自社開発の「Oryon」を採用し、アップル独自開発チップのシングルコア性能を上回る可能性があります。
この予想が正しければ、ついにGalaxy SシリーズなどAndroidスマホが、フラッグシップiPhoneにCPU性能で完勝することになります。もっともアップルも独自の技術革新により、さらなるパワーアップを遂げるかもしれません。
Source:Moor Insights and Strategy
via:Sammobile