アップルの電気自動車開発プロジェクト「Apple Car」で、「M2 Ultra」チップを4個合体させたモンスター級のチップの搭載が計画されていたと米大手メディアのブルームバーグが報じています。
M2 Ultraは「M2」シリーズの最上位に位置づけられるチップで、2つの「M2 Max」チップを統合させることで2倍のパフォーマンスを実現。さらに、192GBという超大容量メモリを搭載し、メモリの帯域幅もM2 Maxの2倍となっています。現在は、「Mac Pro」や「Mac Studio」といったワークステーションに搭載されているチップです。
1個のM2 Ultraは24コアのCPU、最大76コアのGPU、32コアのNeural Engine(ニューラル・エンジン)を搭載しています。今回の報道が正しければ、Apple Carのチップには理論的に96コアのCPU、最大304コアのGPU、128コアのNeural Engineが搭載されていた可能性があります。
ただし残念なことに、このM2 Ultraを4個合体させたチップの開発は、Apple Carのプロジェクトが打ち切られる前にほぼ終了していたとのこと。電気自動車の開発に関わっていたエンジニアの一部は、Appleの他のチームに配置転換されたため、チップを開発していたエンジニアは違うプロジェクトへ異動したそうです。
紆余曲折の末に、世に出ることはなかったApple Carのプロジェクト。そこに存在していたであろうM2 Ultraを4個合体させたチップの技術は、今後の「M3」チップの上位モデルや「M4」に活用されてほしいですね。