『コンフィデンスマンJP』や『リーガルハイ』で知られる古沢良太氏脚本の新作ドラマ『ラムネモンキー』が現在放送中。この作品にトリプル主演の一人として津田健次郎さんが菊原紀介役で出演。カンフー映画やUFOに熱狂していた青春時代と、50代になり「こんなはずじゃなかった」ともう一度輝きを取り戻したいと願う“いま”。2つの世界が交錯する青春回収コメディに挑む思いをうかがった。

【津田健次郎さん撮り下ろし写真】
反町さん、大森さんとは性格がバラバラ。でも、それがいいバランスになっている
――ドラマ『ラムネモンキー』では、反町隆史さん、大森南朋さんとのトリプル主演が話題になっています。この組み合わせを最初に聞いたときはいかがでしたか?
津田 非常に嬉しかったですし、光栄だなと感じました。顔ぶれの豪華さはもちろんですが、33人で主演を務める機会というのはなかなかないことですので、経験という意味でもとても貴重だなと。それに、なんといっても3人とも世代が近いのがいいですよね。実際の現場でも和気あいあいと楽しんでいます(笑)。
――皆さんとは初共演だったのでしょうか?
津田 いえ、反町さんとは以前、別のドラマでご一緒させていただいたことがあります。大森さんは実質はじめての共演となりました。面白いのが、3人とも性格が近いわけでもなく、むしろちょっとバラバラなところがあるんですよ(笑)。でも、それが作品のなかでもいいバランスになっているなと感じています。
――すでに放送された第一話を見ても、普段からの皆さんの仲の良さが伝わってくるようでした。また、番組の公式サイトを拝見すると、津田さんは「すごくワクワクしながら台本を読ませてもらいました」とコメントされていました。今作のどういった点に強く興味を持たれたのでしょう?
津田 現代の物語と中学時代のお話が並行して描かれていくのですが、1988年の描写にすごく懐かしさを感じるんですよね。それに、古沢良太さんが脚本を書かれているということもあり、展開のテンポ感や軽妙な会話劇は脚本を読んでいるだけで楽しかったです。しかも、笑いを含んだ世界観のなかに、我々が演じる現代パートでは3人それぞれが抱えている悩みや不安も描かれていて。ほろ苦いテーマも設けているのですが、重くなりすぎず、きちんとエンターテイメントに仕上げている。あらためて古沢さんの筆力の高さを感じました。

紀介にとってユンやチェンは、いまも昔も憧れなんだと思います
――津田さんが演じるキンポーこと菊原紀介はどのような人物だと捉えていらっしゃいますか?
津田 よく言えば、とっても穏やかな人ですね。ネガティブに言えば、少し気の弱い男性。反対に、反町さん演じる吉井雄太(通称ユン)と大森さん演じる藤巻肇(通称チェン)はキャラも強く、2人はちょっとだけ水と油感があるんです。紀介はその間に立つ潤滑油というか、調整役みたいなところもあって。とにかく“いい奴だな”と感じています(笑)。
――とはいえ、穏やかさだけではなく、芯の強さや行動力もある印象を受けました。
津田 確かに。彼がかつての親友たちに対して37年ぶりに突然連絡を取るところから、この物語は動き始めるわけですしね。
――また、大手商社勤務の雄太や、夢を叶えて映画監督になっている肇と比べ、紀介はいちばん視聴者の目線に近い人物なのかなという感じもします。
津田 そうですね。ただ、2人とも仕事面で抱えている悩みがあり、紀介も紀介で自分の人生にどこか満足していない。三者三様の生き様やストーリーがあり、視聴者にもそれぞれに刺さる部分があるところが、このドラマの魅力の一つだと言えます。
――大人になり、年齢を重ねていくと、“いま”の環境を変えたくて、なんとなく久々に昔の友人たちに会いたくなるという彼らの心境もすごくよく分かります。
津田 本当に。それに、雄太と肇と紀介も、再会した直後こそぎこちない敬語で会話をしてましたけど、そのうち知らない間に昔のようにタメ口に変わっていくんですよね。そういう経験って誰にでもあると思いますし、その空気感を会話で魅せていくのが古沢さんは本当に見事だなと思いました。
――先ほど、「紀介の呼びかけが物語を動かしていった」とお話しされていましたが、紀介にとって雄太や肇はどのような存在だと感じていますか?
津田 憧れですね。2人のことを心の底からかっこいいと思っている。そんな彼らと一緒に生きている喜びのようなものが、中学生の頃から彼の中にはあったのではないかと思います。しかもそれは、37年ぶりに再会し、再び行動をともにするようになっても変わらない感情で。というのも、先ほど雄太や肇も悩みを抱えているとお話ししましたが、人生がうまくいっていない2人の姿を見て、彼らの心を代弁するかのように紀介も悔しがるんです。そうした心情ひとつとっても、本当に紀介は彼らのことが大好きなんだろうなって思いますね。

80年代のセットを見て、“随分と遠くへ来てしまった”と感慨深くなりました
――脚本を書かれている古沢さんも皆さんと同世代です。やはり共感できる描写やセリフは多いですか?
津田 たくさんありますね。きっと古沢さんの中学時代の思い出や風景がものすごく投影されているんだろうなというのが、脚本の端々から感じられました。それに、僕が演じている紀介は「絵が上手」という設定なんです。そこは古沢さんと共通する部分ですし、もしかすると、当時の古沢さんの想いみたいなものを僕の役が背負っているのかな……なんてことも勝手に感じたりしています(笑)。
――もしそうだとしたら、責任重大ですね(笑)。また、このドラマの大きな軸となっているのが、紀介たちが中学時代に体験した「マチルダ失踪事件」です。
津田 ドラマの第一話で彼らは、中学時代に臨時教師の宮下未散先生(通称マチルダ/木竜麻生)が突然いなくなったことを徐々に思い出していきました。大人になった紀介たちがその謎の解明に挑んでいく様子も今後描かれていくのですが、少しサスペンスタッチになっていて非常に面白いです。しかも、当時14歳だった彼らの中で、「マチルダはUFOに戻っていった」ということになっているんですよね(笑)。そうしたレトロ感も我々の世代にとっては懐かしさがあって非常に楽しいです。
――80年代といえばオカルトブームの全盛期ですもんね。
津田 そうなんです。それに、ドラマの中でも描かれていますが、80年代は香港のカンフー映画をはじめ、いろんな洋画が流行っていて。映画研究部の紀介たちが溜まり場にしていたレンタルビデオ屋のセットを現場で見たときもすごく懐かしかったです。VHSのビデオテープが棚にずらっと並んでいて、「そうそう、こんな感じだったなぁ」って。感覚的には自分のなかでそれほど昔のことという気がしないのですが、“随分と遠くへ来てしまったなぁ”という気持ちになりました(笑)。80年代から90年代にかけては僕も映画に魅了された時期ですので、まるで自分のことのように、このドラマを楽しんでいますね。
※津田さんが80年代の思い出を語るインタビューの続きは「GetNavi4月号」(2月24日発売)本誌にて掲載。ご期待ください!
ドラマ『ラムネモンキー』
毎週水曜 午後10時〜 フジテレビ系にて放送中
公式HP https://www.fujitv.co.jp/ramunemonkey88
(STAFF&CAST)
原作・脚本:古沢良太(『ラムネモンキー1988』/note刊)
出演:反町隆史、大森南朋、津田健次郎、木竜麻生、福本莉子、濱尾ノリタカほか
(STORY)
1988年、同じ中学に通う雄太(ユン)、肇(チェン)、紀介(キンポー)は映画研究部を作り、青春を謳歌していた。やがて月日は流れ、50代になった3人はそれぞれの道を歩みながらも、社会や人生の壁と対峙する日々に疲れ始めていた。そんなある日、雄太と肇のもとに「キンポー」と名乗る人物からDMが届く。やがて37年ぶりに再会した3人は中学時代の思い出を懐かしがるとともに、1988年の暮れに彼らの前から突如姿を消したマチルダこと臨時教師・宮下未散の謎を解明しようと動き出すのだった。
撮影/干川 修 取材・文/倉田モトキ
