”ギャグマンガの巨匠・赤塚不二夫の代表作で、昭和の名作「おそ松くん」が大人になって帰ってきた!”
2015年10月に始まったテレビアニメ「おそ松さん」。あの伝説の6つ子が大人になったという。なぜ、いま「おそ松」なのか? 内容ってあのままなのだろうか? と、スルーしていたら、あっという間にインターネット上で話題になり、グッズは速攻完売、あまりの勢いに気になってU-NEXTで見てみたらなるほど、こういうことなのかと、納得しました。
キーワードは「ダメ人間」!?
元々「おそ松くん」では、6つ子の区別がつかないことでギャグが成立している部分が大きかったですが、今作はあえてその設定を放棄、以下のようなイメージカラーでそれぞれのキャクターを際立たせていることが大きな違いです。
●長男・おそ松…イメージカラー:赤/パチンコと競馬が生きがい。ダメ長男だが、弟想い
●次男・カラ松…イメージカラー:青/常に自分の世界に浸り、カッコつけているぜ
●三男・チョロ松…イメージカラー:緑/女の子が絡むとおそろしくポンコツ化
●四男・イチ松…イメージカラー:紫/マイペースでぼそぼそと喋るアブナイ奴
●五男・十四松…イメージカラー:黄/異常に明るく、異常にバカ
●六男・トド松…イメージカラー:ピンク/かわいさを利用するあざとい奴
この松野家の6つ子は20代なのに全員ニートで童貞。やたらハイテンションだったりナルシストだったり、性格の差はあるけれど、みんなすがすがしいほど「ダメ人間」です。
それでも6人いると起こってしまうトラブルの数々。ハローワークでナンパしたり、騙されてブラック企業で働かされたり、地下アイドルにうつつを抜かしたり、レンタル彼女に金を絞り取られたりと、今時の社会ネタが満載で、笑った後なぜかどよ〜んとした気分に……。
おなじみのキャラも続々登場!
もちろんイヤミやチビ太などの名脇キャラもちゃんと登場しています。6つ子の憧れのヒロイン・トト子ちゃんはアイドル志望のイマドキ女子で、ダヨーンのおじさんとデカパンさんは哀愁ある中年の演技? を見せてくれます。ハタ坊に至っては”秒速で億を稼ぐ”謎のグローバル企業のSEOに!
まさに、婚姻率も下がり、アベノミクスの効果もないまま停滞期に突入した、いまの日本の空気を描いたアニメなのです(言い過ぎ?)。「”さとり世代”の子どもや部下が、何を考えているのかよくわからない」とお嘆きの中年のみなさまにも、このなかに理解のヒントがある……かもしれません!?
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© 赤塚不二夫/おそ松さん製作委員会
文/上杉久代:イラストレーターなどとして活躍。最近の日本エンタメ界には山城新伍成分が足りないのではないかと危機感を抱いている中年女子。