ソニー・ミュージックダイレクトから、松田聖子の7インチシングルレコードのA/B面を完全収録した3枚組CD「Seiko Matsuda sweet days」が1月31日に発売されました。完全生産限定で、価格は5000円(税別)。
3枚のCDには、1980年のデビューシングル「裸足の季節/RAINBOW~六月生まれ」から1988年の「旅立ちはフリージア/Angel Tears」まで、アナログEP盤で発売されたAB面50曲を収録。さらに、1983年に発売されたベストアルバム「Seiko・plaza」封入のEP盤に収録されていた「WITH YOU」と「小さなラブソング」もボーナストラックとして収録されています。音源はすべてデジタル・リマスタリングが施され、CDは高品質「Blu-spec CD2」を採用。
パッケージは80年代のキュートな聖子の写真が目を引くEPサイズの特製キラキラ紙ジャケット仕様で、封入の豪華ブックレットには今回初めて全EP盤ジャケットを両面復刻。さらに、シングル「ピンクのモーツアルト」に封入されていたピンナップポスターも復刻掲載された完全生産限定盤となります。
【収録曲】
Disc1
01.裸足の季節
02.RAINBOW~六月生まれ
03.青い珊瑚礁
04.TRUE LOVE~そっとくちづけて
05.風は秋色
06.Eighteen
07.チェリーブラッサム
08.少しずつ春
09.夏の扉
10.頬に潮風
11.白いパラソル
12.花一色~野菊のささやき~
13.風立ちぬ
14.Romance
15.赤いスイートピー
16.制服
17.渚のバルコニー
18.レモネードの夏
Disc2
01.小麦色のマーメイド
02.マドラス・チェックの恋人
03.野ばらのエチュード
04.愛されたいの
05.秘密の花園
06.レンガの小径
07.天国のキッス
08.わがままな片想い
09.ガラスの林檎
10.SWEET MEMORIES
11.瞳はダイアモンド
12.蒼いフォトグラフ
13.Rock’n Rouge
14.ボン・ボヤージュ
15.時間の国のアリス
16.夏服のイヴ
17.ピンクのモーツァルト
18.硝子のプリズム
Disc3
01.ハートのイアリング
02.スピード・ボート
03.天使のウィンク
04.七色のパドル
05.ボーイの季節
06.Caribbean Wind
07.Strawberry Time
08.ベルベット・フラワー
09.Pearl-White Eve
10.凍った息
11.Marrakech~マラケッシュ~
12.No.1
13.旅立ちはフリージア
14.Angel Tears
-BONUS TRACKS-
15.WITH YOU
16.小さなラブソング
「Seiko Matsuda sweet days」スペシャルサイト
http://www.110107.com/seiko_sweetdays
イメチェンした聖子ちゃんに戸惑った84年の冬
80年代を代表するトップアイドルとして、男性ファンのみならず多くの女性ファンも魅了してきた松田聖子ですが、今回は“聖子ちゃんファン”を公言するテレビ業界ジャーナリストの長谷川朋子さんによるコラムをお届けします。長谷川さんは、今回の「Seiko Matsuda sweet days」収録曲のなかから、お気に入りの曲としてロックシンガー・佐野元春が提供した84年11月リリースのシングル「ハートのイアリング」をセレクト。当時、マニッシュなスーツにネクタイを締めた衣装が話題となりました。
「私と松田聖子」 テレビ業界ジャーナリスト・長谷川朋子
聖子ちゃんの数ある楽曲のなかから好きな曲を選べと言われれば、迷いなく「ハートのイアリング」を選びます。冬の鬱蒼とした気分の時は無理してアガる曲よりも、ほどよく突き落とされる失恋ストーリーをシティポップなメロディで心地よく聞きたい。それにハマるという理由がまずひとつ。マイベストウィンターソングです。そして、聖子ちゃん楽曲の真骨頂である松本 隆先生の作詞に加えて、佐野元春さんが初めて聖子ちゃんに曲を提供したという、絶頂期の贅沢すぎるマッチングがふたつ目の理由。
最後の三つ目は少々大袈裟に聞こえるかもしれません。リリースされた84年の当時、「聖子ちゃんを好きなのか、好きじゃないのか」と、私のなかで勝手ながらはじめて対峙した楽曲だったからです。
それは小学校3年生の冬でした。オリコン連続1位を記録しノリに乗っていた聖子ちゃんが、それまでと趣向の違うパンツスーツ姿でテレビの画面から登場したんです。覚えていらっしゃる方は共感してくれるかもしれません。その変わりように正直、どう受け止めていいのか、まずは戸惑いました。
それでも、お友達のきょうこちゃん(仮名)と毎日のように夢中になって遊んでいた「アイドルなりきりごっこ」の聖子ちゃん担当としての責任感もありました。シングル盤のジャケットで着用していた恰好を少しでも寄せていこうと、真似たつもりでネクタイ柄付きのトレーナーを親にねだり、好きでもないチェック柄のパンツを履いたんです。「明菜ちゃん担当のきょうこちゃん(仮名)と一緒にフリルのスカートを私も履きたいんだけど」と思いながら……。
そのうち、「聖子ちゃん好きイコールぶりっ子」というレッテルにも不満を感じ始め、いっそのことほかのアイドルに鞍替えするタイミングなのかと自分を追い詰めたこともありましたが、聖子ちゃんほどの歌声を持つアイドルの代わりはいない。聴きたい、歌いたい曲をあれだけラインナップする歌手はほかにいないと、とりあえず聖子ちゃんを信じてついて行こうと決意しました。「ハートのイアリング」が、まさかの葛藤で気づかされた聖子ちゃんの良さを改めて認識した楽曲になったわけです。30年以上経ったいまでもその気持ちは変わらないので、間違ってなかったと確信していますが、大袈裟だったらすみません。優しく叱ってください。