「ゆるキャン△」から考える最近の女子高生「おひとりさま」事情

ink_pen 2018/3/16
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「ゆるキャン△」から考える最近の女子高生「おひとりさま」事情
内藤みか
ないとうみか
内藤みか

作家/脚本家/イケメン評論家。『夢をかなえるtwitter』など著書80冊以上。ケータイ小説時代から電子書籍を愛好し、電子での自著も多数。Kindle4台持ち。ラジオドラマ脚本「婚活バスは、ふるさとへ」(YBS)で文化庁芸術祭優秀賞&日本民間放送連盟賞優秀賞。 内藤みかのブログ Twitter : @micanaitoh

おひとりさま海外旅行、おひとりさまビュッフェレストラン……、これは私の娘から聞いた女子高生おひとりさま事情だ。昔は女子高生といえば数人で連れ立って歩き、楽しげな笑い声が聞こえてきたものだけれど、最近は単独行動を取る女の子も増えているようだ。

 

女子高生がソロキャンプ

ゆるキャン△』(あfろ・著/芳文社・刊)というマンガが人気で、アニメも放映されている。そこにはソロキャンプをする女子高生・リンちゃんが出てくる。言葉数が少なく人付き合いが苦手な彼女は、シーズンオフ、秋から冬の寒い時期の空いているキャンプ場が好きで、たったひとりでテントを張り、薪をくべて暖を取る。親目線で言えば「危ないんじゃないの!?」と心配になってしまうけれど、彼女はまったりくつろぎ、冬キャンプを満喫している。

 

女性のソロキャンパーはまだそれほど数は多くはないが、確実に存在はしているらしい。リンちゃんが泊まるのはキャンプ場。料金を取って宿泊者を受け入れ、夜になると敷地には鍵もかかるというところで大抵テントを設営する。そこにはトイレもあれば、薪も売っている。原っぱや路上で無防備に眠るよりは、ずっと安心だ。

 

 

女ひとりの遍路旅

思い起こせば私も女子大生だった頃、女ひとりで四国八十八ヶ所遍路を決行したことがある。大学の卒論のためという大義名分を振りかざしてはいたが、実際のところは失恋をきっかけにして何もかも嫌になり旅に出たのだった。女のひとり遍路は珍しいらしく、行く先々で「水子供養かい」などと話しかけられたりして(違います)、どこに行っても話しかけられた。

 

女がひとりで旅に出るときは、静寂を求めているケースも多いのではないだろうか。景色をじっと眺めるときも、歩いているときも、そして布団の中でも、話す相手が横にいないのだから、ただ、黙っているしかない。私もひとり山寺への道を登りながら、ただただ黙って、あたりの草木がそよぐ音や、遠くで犬が吠える声、それから陽の光が木々の間から差し込む暖かさを感じ、それが何よりの癒しになったのを、よく覚えている。でもそんなおひとりさま状態は、旅のいっときだけのものだったはずだ。

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