14歳で書いた「人生の目標」を達成しないと遺産がもらえない!――「幸福を見つける20のレッスン」

ink_pen 2018/3/29
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14歳で書いた「人生の目標」を達成しないと遺産がもらえない!――「幸福を見つける20のレッスン」
三浦 暁子
みうらあきこ
三浦 暁子

1956年生まれ。大学在学中に結婚、専業主婦を10年ほどした後、突如、文筆活動を開始。現在は神戸市在住。エッセイストとして活動しています。著書には『ボルネオの白きラジャ』(NTT出版)、『梶本隆夫物語』(燃焼社)、共著に『家族はわかり合えないから面白い』(三笠書房)などがあります。

誰もが幸福になりたいと願っているものでしょう。『幸福を見つける20のレッスン』(ローリ・ネルソン=スピールマン・著、高里 ひろ・訳/KADOKAWA・刊)の主人公ブレット・ボーリンジャーも、幸福になりたい、いや、幸福でなければいけないと思っている34才の女性です。

 

 

容姿にも恵まれ、素敵な恋人と一緒に住み、家族とも仲がいいのですから、幸福な暮らしだといえましょう。それだけではありません。化粧品会社の次期経営者となることが決まっているのです。すべての幸福を手にした女性と言っていいかもしれません。

 

 

最愛の母の死

けれども、物語はブレットが悲しみに沈む場面から始まります。最愛の母、エリザベス・ボーリンジャーが、癌のために亡くなったのです。彼女は素晴らしい母親でした。

 

女手ひとつで、化粧品会社ボーリンジャー・コスメを起こし、成長させました。結婚は離婚という不幸な結果に終わりましたが、男の子を2人、娘を1人授かり、慈しみ、育てました。製鋼工の娘として生まれたエリザベスでしたが、自身の才覚と努力によって、伝説の人と言ってもいいくらいの出世を遂げたのです。

 

 

忘れていたライフリスト

母は最愛の娘に今や大会社となったボリンジャー・コスメを譲ると、誰もが思っていました。ブレット自身もその覚悟を持ち、既に会社で重要な地位につき、義理の姉から社長となった暁には何をすべきかトレーニングを受けていました。ところが…。

 

母が娘に遺したもの、それは大きな会社ではなく、黄ばんだ一枚の紙だったのです。書かれていたのは「ライフリスト」。ブレット自身が14才のときに、「わたしの人生の目標」として書き付けたものです。

 

 

私も書いたライフリスト

若い女の子というものは、将来の自分の姿を夢見て秘密のノートを作りそこに人生の目標を書いてみたりするものです。

 

振り返ると、「ギャオ」と叫び出したくなるほど恥ずかしい思い出ですが、私にもそんな時がありました。20才までに叶えたい夢として、実現可能かどうかよく考えもせずに、思うがままにいくつかのことを書いたのです。ノートの表紙に?マークなど描いたような気がします。けれども、結局私は大事なノートを今はもう持っていません。引っ越しの時に捨ててしまったのです。

 

読み返してみるとたまらなく恥ずかしく、迷うことなくゴミ箱に投げ入れました。ブレットも同様で、せっかく書いたライフリストをひきちぎりゴミ箱に捨てました。書いたことさえ憶えていないのです。

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