同期で大の仲良しというパンサー・向井 慧さん、チョコレートプラネット・長田庄平さんがかっこいいクルマを駆って、ゲストともにドライブや温泉、趣味のギャンブルやレジャーをゆるりと楽しむ番組『向井長田のくるま温泉ちゃんねる』。YouTubeから始まり、BSよしもと版もスタートする人気ぶり。その秘訣はなにか伺ってみたい。
【向井慧さん&長田庄平さん撮り下ろし写真】
プライベートならではの“自由”が詰まった番組
──『向井長田のくるま温泉ちゃんねる』は、オフタイムのような雰囲気が、まるでお二人と一緒に遊んでいるかのような気分にさせてくれます。
長田 はい、そんな感じです。プライベートエンターテインメントと提唱させていただいていて、基本的に仕事じゃないっていうスタンスでやってます。僕ら同期でもともと仲が良いんですよ。お互い仕事がちょっと忙しくなってきて、プライベートで遊ぶ時間がなくなってきたよなということで、「じゃあ、仕事でスケジュールを取れば、それって合法的に遊べるんじゃないか?」というっていうコンセプトでYouTubeの『くるま温泉ちゃんねる』を始めました。
向井『くるま温泉ちゃんねる』のいいところはプライベートと同じで自由になんでもできるところ。それこそ温泉だけじゃなくて、競輪に行ったり、ボートレースに行ったりとかもしますし。
長田 意外とね、そういうギャンブル系が好きなのも共通点です。
──そういった企画はどうやって立てられるんですか?
長田 それも、「パチンコ行ってねえな」みたい感じで、一緒にパチンコ打てたら楽しいかなと思ってやってみたら結構再生回数が良かったんです。じゃあ、好きなんで「ボートレース行こうか」とか、俺は向井とは逆にあまり競輪を知らないんで「競輪行ってみようか」とか、そんな感じですね。
──そこも自由なんですね。2022年の開設以来、フォロワーもだんだん増えていき、2023年5月からはBSよしもとでも番組がスタートしました。そういう盛り上がりは想定してましたか?
長田 いや、想定外でしたね。チャンネルの伸びに関しては、最初は想定外に……伸びてなかったので(笑)、フォロワーを増やすのにちょっと苦しんだところがあるんですけど、蓋を開けてみればここまで育ったっていうのは本当にうれしいです。
向井 業界にも結構ファンがいてくれるので、ゲストで来てくれた野呂佳代さんとか、笠松 将さんとかもそうですけど、ありがたいですね。
憧れたクルマは「松本さんのカマロ」
──フォロワーの皆さんはクルマ好きっていう流れで見に来られるんですかね
長田 クルマを探していて、YouTubeでクルマの動画を見ていたら、『くるま温泉ちゃんねる』が引っかかった、みたいな人とかもいます。クルマ好きな人とリンクしてますね。ただ、中身はもう本当にスカスカで(笑)。僕は好きなんで頑張ってクルマを紹介してるんですけど。
──長田さんは大のクルマ好きで知られていますが、向井さんってご興味的にどうなんですか、クルマは。
向井 興味はもちろんあるんですけど、ちょっとまだ自分のクルマは買わないですね。もうここまで買わないで引っ張って来ると、僕自身もいつ買うんだと楽しみです。でも、もう近いと思います。
長田 坂上 忍さんの家買う企画じゃないんだから(笑)。かなりいろんなディーラーやショップに行ってクルマを見てますから情報はいっぱい持っていて有利なんですよ。普通に買う時でもこんなに見比べることってないですから。
向井 だから本当にジャガーが大きな転換点でした。ジャガーを買うって決めてたんですけど、サイズ的に今住んでるマンションの駐車場に入らないっていうことがわかって、近所に駐車場も見つからなくて、それでだいぶ購入の熱が冷めてきたっていうのがありますね。
──一方で長田さんは、この番組が始まってから4台(JEEP・グランドチェロキーL、シボレー・カマロコンバーチブル、プジョー・408、三菱・デリカD5)もクルマを買ったことが話題になりました。クルマ好きはいつからでしょうか。
長田 クルマは昔から好きですね。小さい頃はおもちゃのミニカーとか集めてましたし。実際にクルマが欲しいと思ったのは、30年前ぐらいですかね、ダウンタウンの松本人志さんが黒のカマロに乗っていて、あれがすっげえかっこええなと思ったことです。人気芸人になるとこんなクルマに乗れるんだって、憧れましたよね。結局、松本さんはそのカマロを番組の企画で視聴者の方にプレゼントするんですよ。それが記憶としてずっと残ってて、それでカマロを買ったっていうのもあります。憧れ続けたクルマでしたから。
本物のクルマでトミカタワーを作りたい
──クルマとしてのかっこよさと同時に、芸人としてのかっこよさを松本さんのカマロに感じたということですね。
長田 芸人でクルマを持つって、なかなか成功してないと無理ないんですよ。一般のサラリーマンの方とかと違って、我々ってそんなに信頼とか保証もないので、ローンも組めないじゃないですか。だから、結構がっつり貯めて現金一括でないと買えなかったりするんです。だからクルマは芸人として成功の証だと思ってます。
──1200万円のグランドチェロキーLを現金一括で購入した回は興奮しました。
長田 あれは本当にチャンネルを伸ばすために、背に腹は変えられないっていうところもあるんですけどね。
──向井さんは隣で長田さんの買いっぷりを見ていてどうお感じですか?
向井 いや、儲かってるんだなと(笑)。仲がいいとはいえ、「ギャラをいくらもらってる」とかそこまで込みいった話はしないんですよ。なんとなくはわかるんですけど、買い物の仕方を見て、やっぱりYouTubeってすごいんだって思いますよ。パンサーはやってないんで。そういうのを感じますね。
長田 向井も同じぐらい儲かってるんですよ(笑)。普通に買えるぐらい。買うか買わないかだけなんです。
──クルマを買う時って、お金もそうですけど、駐車場などの条件や好みの面でもいろいろ悩むものです。即断を逡巡してる向井さん、スピンオフ番組『セカンドガレージ』に出られているシソンヌ・長谷川 忍さんが普通じゃないかなとも思いますが……。
長田 いや、別に衝動買いってわけじゃなくて、俺の中ではずっと考えがあったんですよ。偶然訪れたプジョーのディーラーで新型の408を買ったのも、前から408が出るんだっていうので、デザイン見ながら「これ欲しいな」ってずっと思ってたんです。それで出て、買いに行ったってことです。なので、タイミングがたまたま合ったっていうだけなんですよ。
──ですが、視聴者の立場で言うと、番組中に約2年間で4台も買っているその頻度ですとかも……。
長田 いや、まぁそうなんですけどね。
向井 クルマが好きなんだろうなと、本当に。
長田 本当はもっと台数が欲しいんですよ、駐車場があれば。トミカタワーみたいなの作りたいですもん。
向井 芸人が実車のトミカタワーみたいなの作ったら誰も笑わなくなるから(笑)。
長田 所ジョージさんとかヒロミさんのライフスタイルも憧れてるんで、いろいろマニアックなクルマとかも運転してみたいというか、乗ってみたいっていうのはあります。
次なるクルマは「サーキットも視野に入れて……」
──長田さんは、旧車とかっていうのはお好きなんですか?
長田 あんまり興味はなかったんですけど、YouTubeのロケで行って、やっぱりかっこいいなっていうのはありますね。ただ、なかなか手入れとかも大変でしょうし、コストパフォーマンスというか、維持費とかも考えると、なかなか安易には手出せないっていうところあります。
──次に欲しいクルマとか、狙っているクルマがあればぜひ教えてください。
長田 今ちょっとラリーカーが欲しいんです。三菱のランエボ(ランサー・エボリューション)とか、スバルWRXとか。あとはホンダのシビックTYPE Rとか、そのあたりを狙ってます。運転するのも超好きなんですよ。だから、いずれサーキットとか行ってみたいですね。
向井 そっちの欲もあるの?(笑)
長田 俺はそっちの欲もある。やっぱり公道でガンガン走るのは限界があるので。
向井 それこそ近藤真彦さんとか島田紳助さんとか、そっちの方向にどんどん行くんじゃない? 俺の予想はるかに超えてる。
長田 紳助さんが引退されて、「レースをやる芸人」の枠が空いてるんですよ。芸人さんもクルマ好きの方はいっぱいいらっしゃいますけど、そこまで行ってる方っていうのはなかなかいないと思うんです。だから『くるま温泉ちゃんねる』でチームを作って……。
向井 それ完全に紳助さん(笑)。でも、すごく頼もしいっすね。夢あるというか、今はあんまり芸人が「夢がある」みたいなことを言わなくなってきた風潮の中で、これだけ景気よく自分の好きなことにお金を使えているっていうのもいいなと思いますけどね。若手とか、これからお笑いをやりたいと思う人から見ても、「芸人いいじゃん」ってなりますよ。
長田 僕もダウンタウンさんに憧れて芸能界に入ってきて、そのきっかけは、もちろん面白いっていうのもあるんですけど、芸能人らしい派手な生活みたいなことにも憧れていた部分があるんです。今はそういう派手な生活をするイメージって、YouTuberとかの方に行ってるじゃないですか。僕はそれがちょっと悔しくて、やっぱり芸能人はテレビでもこれだけ成功できるんだぞっていうのを見せたいっていうか、希望を与えたいっていうのはあります。
ゆくゆくはファンミーティングイベントもやりたい
──『向井長田のくるま温泉ちゃんねる』がスタートして2年、番組開始当時と比べて変わったってことありましたか?
向井 プライベートエンターテインメントって銘打って始めて、たまにビジネスとの境界線がわかんなくなちゃって、無理やりプライベートをやろうとしてる時があります。またそこも面白さの1つなのかもしれないんですけど、スタッフさんもいらっしゃるし、もちろんゲストの方もいらっしゃるので、プライベートと仕事のはざまでなんか謎に縛られてしまっているっていう(笑)。
──番組が盛り上がって大きくなってくると、そこは難しい部分ですね。
長田 ここ、本当にどうしたらいいか探ってる最中です。だから、スタッフとめちゃめちゃ仲良くなって友達になれば、もう完全にプライベートになるんですよ。どうしたら本当にプライベートエンターテインメントとして遊んでいけるかですね。
──ゲストの方もいらっしゃるから、その辺の関係もあるでしょうね。
長田 そうなんですよね。だから、YouTubeとBSとで分けてるところがあります。BSは結構しっかりとしたゲストの方で、YouTubeの方は友達という感じで差別化してるところはあります。だからライスの関町(知弘)さんとか、しずるのKAƵMAさんとか、別に数字持ってない人でも特に(笑)。
──今後、番組をどんなふうにちょっとしていきたいですか
長田 ゆくゆくは、YouTube、BSと、地上波にもやっぱり1個持って。3つのチャンネルを持ちたいなと。
向井 おー、地上波にも持っちゃう? すごいね(笑)。
長田 あと、ファンミーティングみたいなイベントをやりたいなと思います。一度、ちょっとトークイベントをやらさしてもらいました。100ちょっとぐらいのキャパの箱(劇場)だったんですけど、応募が1000人ぐらい来たんですよ。1000人規模のイベントだったらなんかできんるかなという思いはあります。
──イベントは盛り上がりそうです。一方、今や地上波では、クルマの番組もすっかり少なくなってしまいましたよね。
長田 そうですね。だから逆に、『くるま温泉チャンネル』で盛り上げたいと思います。
向井さんに「運転の楽しさ」を伝授中
──先ほど運転についての話がでましたが、番組内は基本的に長田さんが運転されていますが、向井さんは運転はされるんですか?
向井 あんまりしないですね。番組では何回かしましたけど。
──長田さんは運転がお好きということですから、「長田さんが運転、向井さんは助手席」の構図は崩れないんですか?
長田 別に崩れないですね。でも向井がクルマを買えば崩れるかもしれないです。だから買ってほしいんですけど。
向井 買うのはそうですね、ちょっと近々……。
長田 僕は運転が苦じゃないんで全然いいんですけどね。向井に運転の楽しさを知ってほしいなと思ってずっと布教してるんですけど、なかなか伝わらないです。
──運転から攻めるっていうのもありますね。運転を好きになると車が欲しくなりますし。
向井 でもペーパードライバーなんで、やっぱり怖さが多少あります。この番組で運転して、ちょっと運転の楽しさがわかってきたなって頃に、芸能人がクルマ関係の事故を起こしたりするのを見て「やっぱり怖いな」って思って、また気持ちが戻るみたいなことを何度か繰り返してる感じです。
──確かに運転にはリスクが伴いますから、ぜひ慎重にお願いしたいところです。番組自体は盛り上がっていますし、スピンオフも増えていくかもしれないですよね。もしかしたら、サーキット編とかも。
長田 そうっすね、そういうのももしかしたら。
向井 そのあとクイズ番組やって、おバカタレントで曲を作ったりとか。
長田 なんか作ろうかな。八角形のなんか、オクタゴンみたいな。
──また紳助さんになってます(笑)。
向井 だけど、それくらいなんでも自由できそうなのが『くるま温泉ちゃんねる』のいいところだと思いますね。
──番組ファンとしても、お2人の肩肘張らない自由な雰囲気はずっとそのままでいてほしいです。
長田 はい。そこは変わらず行きたいなと思ってます。
──番組の魅力の1つは、多彩なゲストです。お二人が、今後出てほしい方はいますか?
長田 ファンで言うと僕は、深田恭子さん。フカキョンさんに出てもらえたらうれしいなと思います。女優さんを助手席に乗せる機会なんてないので、その夢を叶えるってなったら、もうこの番組でしかない。女優さんとかアイドルとかとドライブする機会ないですから。これまでに来たゲストでは野呂佳代さんがいるんですけど、ちょっとバラエティー、芸人臭が……(笑)。
向井 僕は、ゆずの2人とドライブしたいっすね。ファンクラブ入ってたんでね、学生時代に。ただ、ゆずさんを乗せて何をしゃべるんだっていうのがありますけど(笑)。でも、そういうチャンスがある番組だなと思います。思いもよらない人と、会えて、がっつりお話できるというのは。
──クルマというのもいいのかもしれないですね。自分たちの空間に招き入れるという趣もあります。
長田 そう。結構密室な感じになるので、話をするのも、フランクに話しやすい感じになります。ゲストの方にもちょっと期待していただければと思います。フカキョンさんもあるかもしれません!
──(笑)。実現したらすごいです。
長田 でも本当に、向こうが「番組を見てます」と言ったらもうこっちのもんですから。
向井 確かに。本当に危険なのは、ちょっとでも「番組見てます」って俺らに言うと、すぐにオファーかけます(笑)。だから、うかつに言わないほうがいいです。笠松さんにしても、「見てます」って言ったらすぐにオファーしました(笑)。
──大物ゲストの登場、番組ファン待望のイベント開催、地上波での展開、もしかしてのレースチーム結成など、今後の展開もいろいろ期待してます。これからも頑張ってください!
向井・長田 ありがとうございます!
<番組情報>
向井長田のくるま温泉ちゃんねる
放送チャンネル:BSよしもと(BS265ch)
放送日時:毎週土曜21:00~21:30
出演者:向井 慧(パンサー)、長田庄平(チョコレートプラネット)
視聴方法:【TV】BS265ch(無料放送)【スマホ・PC】https://video.bsy.co.jp(無料配信)
番組HP:https://bsy.co.jp/programs/by0000018651
【YouTube】https://www.youtube.com/channel/UCmJuf67BYauQMkJL_UH4agw
撮影・構成/丸山剛史 執筆/牛島フミロウ