発売当時に不人気だったモデルが、後に希少性の高さからレア化してブレイクスルー! 1990年代のG-SHOCKブームを象徴する「ジェイソン」は、ルックスも人気の高まり方も特異な存在でした。
人気はイエロー→ブルー→ライトグレーへ目まぐるしく推移
初代G-SHOCKから続く“マッスルタフ”に対して、ケースを裏ブタまで樹脂素材で包み込む“カプセルタフ”によって、耐衝撃性をクリアしようとしたのが、「ネグザクス」とネーミングされたDW-001とDW-002です。1994年11月に同時デビューを果たしたとき、温度センサーを搭載したDW-001はどちらかというと、ELバックライトを搭載したDW-002の陰に隠れる存在で、売れ行きもパッとしませんでした。
しかし、温度センサーの収納部でもある文字盤下部の穴あきデザインが、映画『13日の金曜日』の主人公であるジェイソンに似ていると評判を呼び、特にイエローのカラーリングが希少性の高さから人気を集めると、ブルーやグレーのカラーバリエーションを含めて注目度がアップ。一躍プレミアムG-SHOCKのメインストリームに飛び出したのです。
一方で、ネグザクスのオフィシャル名は定着せず、生産終了後に“ジェイソン”の名が広まるという、カシオとしては予想外の展開となりました。人気がピークだった1990年代はイエロージェイソンの高騰が目立ちましたが、すぐにブルージェイソンが追走。その後、限定モデルだったライトグレー仕様が高値を呼ぶなど、カラーリングによる相場の移り変わりや、突飛な人気の高まり方など、通常の腕時計の枠からハミ出した特異な存在だったといえるでしょう。
愛嬌のあるフェイスを眺めていると、何だかそれもジェイソンらしいと、妙に納得してしまう不思議な魅力を備えています。
オレンジ、グレー、イエローの組み合わせが絶妙な、通称「イエロージェイソン」。1994年の発売当初は不人気でしたが、G-SHOCK体のイエロー人気につられて、ジェイソンの中で最初にブレイクしました。
イエロージェイソンに続き、希少性の高さに注目が集まった限定色ブルーのジェイソン。温度センサー搭載部のマスクがダークグレーで、丸いグラフィックはイエロー。愛嬌のあるデザインは共通です。
ライトグレーのボディにダークグレーのマスクを被った限定カラー。オレンジの配色はイエロージェイソンと同じですが、雰囲気はずいぶんとシックになりました。