腕時計の購入から活用法、手入れ、保管まで、中〜上級者だけが知っている裏技テクやノウハウを6回に分けてご紹介していきます。覚えておくと購入から日常ケア、収納・保管まで悩む心配はありません。第3回は、腕時計を長く使うための正しい取り扱い方です。
時計を腕に着けたままでのリューズ操作はNG!
時計に慣れてくるとリューズをぞんざいに扱いがちですが、これは時計にとって危険なので要注意。
リューズというのは直径1㎜ほどの繊細な軸部品で構成されているので、ソフトで正しい操作を行なうのが重要となります。特に、腕に着けたまま操作を行なうと斜め方向から無理な力が加わり、軸部品の曲がりや緩みなどトラブルの原因となるので気を付けましょう。
↑リューズの軸部品は、時計内部の歯車と複雑に噛み合いゼンマイを巻き上げる構造に。軸部品や歯車は繊細なので、操作は慎重に。
理想的な操作法を4ステップでご紹介するので、参考にしてください。また、汗などで指が濡れていると、内部に湿気や水気が浸入しやすいので操作前には必ず確認を。
クオーツ時計も週1回を目安にリューズを使う
時刻調整やゼンマイの巻き上げなど、日々頻繁にリューズを操作する機械式時計に比べ、クオーツモデルの場合はリューズに触れる機会が少ないものです。でも、リューズ周りは意外に皮脂やホコリなどの汚れが溜まりやすく、長く放置したままだと凝固して腐食やサビの原因ともなるのでご用心。
トラブルを防ぐには、週1回程度、リューズを数回、空回しして汚れなどを弾き飛ばしてしまうのが効果的です。ネジ山や根元部分などに落ち切れない汚れが残っている場合には、ブラシや爪楊枝などを用いて丁寧に拭っておきましょう。
指1本入る程度がブレス類の長さの目安
ブレス類は、「きつめ」に着けると、風通しが悪くなり汗などが蒸発しにくくなることもあるので、装着時には注意が必要です。
ピタッと腕に密着しているより、腕の動きに合わせて少し動く程度の方が通気性が向上し、革素材やバネ素材(メタルブレスのコマ間を繋ぐバネ)を傷めず、寿命も長持ちするので、「やや緩め」に装着できるようにしましょう。
目安としては、指1本分のスペースを空けるのが、最も機能的で、見た目にも美しいとされています。
磁気の影響を避けるために機器から5cmは離す
金属部品で構成される時計は、磁気を帯びると+と-が引き合ったり反発し合ったりして、精度誤差や作動不良を起こすもの。そう考えて「携帯機器やPCなどは恐る恐る使っている」方も多いかもしれませんが、AV機器類の発する磁気というのは5㎝離れれば気にならないほど微弱になります。5㎝というのは成人男性の親指程度の長さ。通常の使用方法では、それほど近づくことは少なく、あまり神経質になる必要はないのでご安心ください。
ただ「鞄の中にスマホと一緒に時計を収納する」「PCの上に時計を置く」などの行動は、磁気と密着しやすいので気を付けましょう。
第4回は、腕時計の保管方法についてご紹介します。
取材・撮影協力/共栄産業
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