今年の高級時計は、「ネオ・クラシック」な新作ウオッチがこれから数多く店頭に並びます。本稿ではそのなかでも特に注目の、グランドセイコーによる国産最高峰のモデルを紹介。また、今年の高級時計の傾向や2大見本市についてもあわせて解説します。
世界で見せつけた国産最高峰の驚異的な高精度
グランドセイコー
キャリバー9S 20周年記念限定モデル
上(18KYG)/Ref.SBGH266
302万4000円
中(プラチナ)/Ref.SBGH265
594万円
下(SS)/Ref.SBGH267
70万2000円
国産最高峰の機械式ムーブメント誕生20周年を記念して製作された3部作。毎時3万6000振動を誇るCal.9S85の性能を段階的に引き出し、精度別に外装素材を使い分けています。GS規格に則った平均日差-3〜+5秒精度のSSが1500本、特別調整が施された-2〜+4秒精度の18KYGが150本、-1〜+3秒精度で調整されたV.F.A.(=Very Fine Adjusted)仕様のプラチナは20本の数量限定となります。
SPEC●ムーブメント:自動巻き(Cal.9S85)●素材:プラチナケース/18KYGケース+クロコダイルストラップ、SSケース&ブレスレット●サイズ:φ39.5×D13㎜●防水性:10気圧
【CLASSIC POINT】
世界最高峰に至った約10年の奇跡
グランドセイコーは、世界に挑戦する最高級の腕時計として1960年に誕生。徐々に性能を高め、1969年のV.F.A.で日差±2秒を実現しました。
【NEO POINT】
精度を限界まで高めた現代版V.F.A.
グランドセイコーの機械式キャリバー9S系20周年を機に、1969年の伝説を新作で再現しました。日差−1〜+3秒という、驚異的な高精度を記録。
先人たちの知恵の結晶を現代技術でさらなる高みへ
腕時計の二大祭典が終わり、主要な時計ブランドの新作が出揃いました。今年の傾向は、ずばり「ネオ・クラシック」。どこかレトロチックな雰囲気を残しながら、素材や機能は最先端という新作が多いのです。
このトレンドでは、グランドセイコーのような精度を対象にしたものやオメガのダイバー 300Mのリニューアルなど、単なる見た目の復刻版に留まらないという特徴があります。これらは各社の歴史と現代の技術が融合しており、いずれも今年のブランドの代表作といえる出来栄えとなっています。
もしこれらの時計を手にする機会があれば、外装デザインだけでなく、歴史や機構にまで目を向けてみてください。きっとブランドの製品哲学が伝わってくるはずです。
【豆知識】
ジュネーブサロンとバーゼルワールドは世界的な時計の祭典
高級時計界には時計の本場スイスで開かれる2つの見本市があります。ひとつは1月に開催され、約30社が出展するSIHH、通称ジュネーブサロンで、もうひとつが3月に開催され、数百社が出展するバーゼルワールド。ここでの発表作がその後1年の時計店を賑わすのです。