かつて、MEN’S CLUB編集長を務めた名物編集者・戸賀敬城。現在は、「ナノ・ユニバース メンズ・ディレクター」「ヒルトン・アンバサダー」など、名だたるブランドをコーディネートする役割を務めながら、多岐に渡ってファッションアイテムの価値を啓蒙しています。また、そんな毎日をつづったブログ「トガブロ。」が、アパレル業界内外を問わず大きな反響を呼んでいます。
そんな戸賀さんのラグジュアリーな価値観を、一冊にまとめたムック本が先日発売されました。
トガ本。The Bag
多くのファッションメディアを牽引してきた戸賀敬城がプロデュースする、ラグジュアリーブランド読本。本作がテーマとするアイテムは、「バッグ」。定番品から新作まで、大人の男を格上げするバッグを独自の目線で紹介しています。また私物コレクションも披露した、豪華な仕上がり。
本記事では特別に、誌面で紹介している企画をチラ見せしたいと思います。
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戸賀さんが特に思い入れを持っている「エルメス」のストーリーを、ぜひご覧ください!
「変わりゆくこと」を教えてくれた自分に似合う色と形のボリード。
「同じモデルをいくつも買ってしまうのもエルメスの魅力」と、しみじみ語る。
「2個めから色も革も違うものを選ぶのですが、1個めじゃわからなかったことが、2個めでわかることがあるんです。それは使い勝手の良さだったり、逆に使いにくいと思うところもあったりします。この色は自分に合うけど、この色は合わないというのも確実にわかるようになりますね。このボリードは、くったり革の『リラックス』だけど、自分に合う色ということで選んだモデルです」
30代で買ったボリードはブルージーンという定番色だった。あるとき持ってみたら、あまり似合ってないような気がしたという。
「以来、ブルージーンは小物に限るようにしています。でもボリードは使い勝手も良いので、どうしても欲しくなり、4年ほど前に再購入。フォーヴという明るいブラウンを選びました」
大人になると似合う色が変わってくると学んだのだという。仕事柄、カジュアルな服装も多いだけに黒は逆に持ちにくいとも。
「ブルージーンは、若いころの自分には合っていたのかも。バッグも、服と同じように似合うものが変わっていくんです」
「トガ本。 The Bag」では、これらのようなエルメスに対する人並み外れた戸賀さんの思いをはじめ、さまざまな高級バッグへの思想が読み取れます。興味を持って頂いた方はぜひ読んでみてはいかがでしょうか?
トガ本。The Bag
文/ゼロヨンラボ 撮影/鈴木泰之(Studio Log)