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2018/11/8 18:11

【男の格上げ逸品バッグ】ボッテガ・ヴェネタ「カバ」を5つ購入して見えた、大人が持つカバンの鉄則

かつて、MEN’S CLUB編集長を務めた名物編集者・戸賀敬城。現在は、「ナノ・ユニバース メンズ・ディレクター」「ヒルトン・アンバサダー」など、名だたるブランドをコーディネートする役割を務めながら、多岐に渡ってファッションアイテムの価値を啓蒙しています。また、そんな毎日をつづったブログ「トガブロ。」が、アパレル業界内外を問わず大きな反響を呼んでいます。

 

そんな戸賀さんのラグジュアリーな価値観を、一冊にまとめたムック本が先日発売されました。

 

トガ本。The Bag

 

多くのファッションメディアを牽引してきた戸賀敬城がプロデュースする、ラグジュアリーブランド読本。本作がテーマとするアイテムは、「バッグ」。定番品から新作まで、大人の男を格上げするバッグを独自の目線で紹介しています。また私物コレクションも披露した、豪華な仕上がり。

 

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本記事では特別に、誌面で紹介している企画をチラ見せしています。

 

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ボッテガ・ヴェネタのアイコニックな名品トート、カバ。戸賀さんが、いままでに所有してきたカバの数は5つ。それだけ投資してきたからこその一家言があるのです。

 

今まで気付かなかった定番品選びの難しさ

 

最初に買ったカバは黒だった。サイズはM。無難な色とサイズを選んだのは、カバ初心者としては仕方ない。調子にのって、半年後には同じサイズの茶色も買った。いまとなっては若気の至りとしか言いようがない。

 

カバを2個買って、初めてわかったことがある。それは、ある程度年がいって、色気が出てきた男は、超がつくド定番品を定番色で持ってはいけないということ。なぜなら、半端なくカブるから。どこへいっても、黒のカバや茶色のカバを持った人とすれ違う。星付きのレストラン、ホテルのラウンジ、打ち合わせでも、展示会でも、知らない人だったり、業界人だったり。街で出会うくらいなら、まだいい。すれ違ってしまえば、互いに気まずいのは一瞬で済む。新幹線の隣の座席でカブったときは最悪だ。新大阪でカブったら、品川まで2時間半気まずい。

 

で、黒と茶を手放して、白を買った。これならなかなかカブらない。黒も茶も持っているから2つめ、3つめとして買ったのだろうと、周りが勝手に推測してくれる。むしろ黒のカバを持った人から、羨望の眼差しすら向けられる。実際は手放していて手元にはなかったけれど、〝3つめ〞には間違いないから、ちょっと鼻も高かった。

 

だけど、白はハンパなく汚れる。いまなら「汚れを気にせず白を持つのが大人」と言い切れるが、当時は汚れるのが気になって仕方なかったので、さっさと手放した。

 

 

5つ同じカバンを手にしてわかった大人のカバン選び

そのころ、オレンジのカバをオーダーした。当時のクリエイティブディレクターを取材する機会があり、彼から「好きな色でオーダーしていいよ」とオファーをいただいたので、オレンジ色を希望したら「君はエルメスが好きなんだね」と寂しそうに言われて、ちょっと気まずかったな(笑)。

 

いま持っているのはそのオレンジと、もうひとつは茶色だ。オレンジはLサイズなので、たたんだジャケットがちょっとはみ出る。押し込むとシワになる。茶色のカバはウォモサイズだ。「デカすぎません?」と聞かれるが、このサイズでなければならない理由がちゃんとある。ジャケットがふんわり収まってシワになりにくいのだ。だから出張にも連れて行く。

 

 

カバを5つ買ってわかったこと。それは、大人が定番品を持つなら、定番じゃない色とサイズを選んだほうがいいということだ。投資してきたからこそ、僕は知っている。

 

「トガ本。 The Bag」では、このような、戸賀さんの高級バッグへの思想が読み取れます。興味を持って頂いた方はぜひ読んでみてはいかがでしょうか?

 

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戸賀敬城オフィシャルブログ「トガブロ。」

 

文/ゼロヨンラボ 撮影/鈴木泰之(Studio Log) イラスト/ソリマチアキラ

※写真は「トガブロ。」より