ファッション
2016/6/7 16:39

3mm以下の薄さに日本が誇る腕時計製造技術が詰まったシチズン「エコ・ドライブ ワン」

シチズンが世界に先駆けて光発電駆動の腕時計を作ってから、今年で40周年。この記念すべき節目に、バーゼルワールドで「エコ・ドライブ ワン」という衝撃の製品が発表されました。このモデルが日本でも披露されるとのことで、改めて新作の仕上がりを見てきました。

 

世界最薄の光発電ムーブメントは厚さわずか1mm!

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電化製品の小型化、省電力化は日本のものづくりのお家芸。腕時計でも、GPS受信に対応しながら光発電で駆動できるものは、日本製しかありません。昨年は、国産メーカーのセイコー、カシオ、シチズンでかなり開発競争が活発に行われたのですが、今年のバーゼルワールドでは各社が異なる方向性の新作を発表しました。その中でも特に来場者の注目を集めていたのが、シチズンの「エコ・ドライブ ワン」でした。

 

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シチズンが得意とする素材開発と、光発電(シチズンでは「エコ・ドライブ」と呼ぶ)駆動の技術を融合した新作は、ムーブメントの厚さ1mm。ケースを入れても2.98mmという薄さ。光発電の腕時計では世界最薄となります。

 

 

実機を触ってチェック

圧倒的な薄さのため、ムーブメントの修理などを行う際はベゼル側をオープン。裏ブタは接着され、ワンピース構造のようになっているそうです。

 

ちなみに編集部で把握している世界最薄の機械式時計は、ピアジェ「アルティプラノ 900P」。少し変則的ですが、ケースにムーブメントを組み込むことで全体の厚みを3.65mmにまで抑えた手巻き時計です。かっこいいのですが、価格は380万円以上します。

 

堅牢な超硬合金が長年にわたる輝きを約束

話を戻して、「エコ・ドライブ ワン」は85個のパーツが1mmのムーブメントに収まっています。外装を含め、すべてのパーツが繊細。

↑ムーブメントの構成パーツ。手前に並ぶビスは小さすぎてピントが合わず
↑ムーブメントパーツ。中央の金色のものがメインプレート。手前のビスは小さすぎてピントが合わず

 

ここまで薄いと剛性が必要なため、一般的なステンレススチールでは折れ曲がる可能性が無きにしも非ず。シチズンでは、ベゼルに超硬素材を用いて難題をクリアしました。

↑外装パーツ。どれがケース本体かわからないほど、全部薄い
↑外装パーツ。何が何だかわからないうえに、どれがケース本体かわからないほど全部薄い

限定モデルでは、サーメットケースにバインダレス超硬合金ベゼルを、レギュラーモデルではステンレススチールケースにサーメットケースを組み合わせています。

 

サーメットとは、「セラミックス」と「メタル」が合体した造語で、その名の通りセラミックスの持つ優れた耐熱性、耐摩耗性と、金属の特性である靭性を兼ね備えた素材となります。

 

また、限定モデルにのみ使われているバインダレス超硬合金とは、炭化タングステンを主成分とし、結合剤(バインダー)のない硬質相のみで形成された素材。従来の超硬からさらに硬度、耐食性、耐酸化性に優れているそうです。

 

超硬素材の耐摩耗性を金ブラシで検証

これらの素材を使うことで、長年使い続けてもケースの輝きが失われることはありません。定期的な電池交換不要で使えるエコ・ドライブにふさわしい素材ともいえますね。

↑着用するとこんな雰囲気。シャツの袖口を傷める心配はまったくありません
↑着用するとこんな雰囲気。シャツの袖口を傷める心配はまったくありません

 

世界最薄のアナログ式光発電腕時計ですが、フル充電から10か月間も駆動し、日常生活防水も確保。ただ薄くするだけでなく、しっかりと実用性をもたせた時計作りにも、日本のものづくりの良さが表れています。

 

AR5014-04E

エコ・ドライブ ワン 限定モデル

Ref.AR5014-04E

70万円(税抜)

世界限定800本

 

AR5000-50Eのコピー

エコ・ドライブ ワン

ブラック文字盤/Ref.AR5000-50E

シルバー文字盤/Ref.AR5000-68A

チャコールグレー文字盤/Ref.AR5004-59H

各30万円(税抜)

 

【SPEC】

ムーブメント:エコ・ドライブ(Cal.8826)月差±15秒、フル充電時10か月駆動

素材:限定モデル/サーメットケース、バインダレス超硬合金ベゼル&裏ブタ

レギュラー版/デュラテクトα加工ステンレススチールケース、サーメットベゼル&裏ブタ

サイズ(設計値):限定モデル/直径38.25mm、

レギュラー版/39.8mm、厚さ2.98mm

防水性:日常生活防水

 

【URL】

シチズン http://citizen.jp

エコ・ドライブ40周年記念特別サイト http://citizen.jp/event2016/jp.html