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2019/8/8 21:00

バイオレットライトてなんだ!? ブルーライトとは違い、「浴びる」ことが大事なライト

ジンズホールディングスは、近視進行の抑制に効果があると考えられている光「バイオレットライト」について、慶應義塾大学の坪田一男教授が代表を務める慶應義塾大学医学部発ベンチャー坪田ラボと共同プロジェクトの開始を発表しました。

↑ジンズホールディングス代表取締役 CEO 田中仁さん(写真左)、慶応義塾大学教授 兼 坪田ラボ代表取締役社長坪田一男さん(写真右)

 

本プロジェクトは、2020年以降に治験を実施した後、世界初となるバイオレットライトを使った“近視進行抑制メガネ型医療機器”の製造販売承認取得を目指し、管理医療機器事業に本格参入します。本機器の開発は、メガネが持つ「視力補正」という根本的な役割を「近視の進行そのものを抑制するソリューション」へと拡大させる新たな挑戦といいます。

発表会開始から驚きの数字が! 2050年に全世界の人口のうち49.8%(47億5800万人)が近視に、9.8%(9億3800万人)が失明リスクのある強度近視という病気になる調査報告があるそうです。「これまでは加齢に応じて、近視の進行は止まるものだと考えられていました。しかし、小学生から中学生にかけて一定以上近視が進行した症例は、その後年齢が上がっても進行が止まらず、強度近視になってしまうリスクが高いことが発表されています」と、坪田教授。近視が進行して強度近視になると、約3人に1人が失明を含めた視覚障害を発症するという疫学調査もあります。現代社会において、近視は失明につながる恐れのある見逃せない病気なんです。

↑47.6億人もの人間が近視になるとは末恐ろしい

 

↑弱度近親→中度近視→強度近視と、加齢とともに近視は進行していきます

 

では、バイオレットライトって何だ?と思った人も多いはず。バイオレットライトは、太陽光に含まれる、ブルーライトよりさらに短い波長360~400nm(ナノメートル)の領域の紫色の光のこと。それが、近視の進行を抑える可能性があるのです。屋内環境においては、窓など一般的に普及しているUVカット機能付きのガラスはバイオレットライトが透過しないものがほとんどです。屋内活動が中心になりつつある現代社会の子どもたちは、バイオレットライトを浴びる時間が減り、近視進行の危険性が増していることになります。

↑シンガポールとシドニーに住んでいる子どもで調べると、屋外で長い時間遊んでいるシドニーの子どもの方が近視が少ないという結果

 

↑バイオレットライト計測器で、屋内と屋外の光を計測。左のグラフが屋外、右のグラフが屋内。グラフを見ると、屋内にはバイオレットライトがまったくないという結果でした

 

先ほども述べたように、バイオレットライトは近視の抑制と関係性があると考えられ、坪田ラボとJINSは、バイオレットライトに関する共同プロジェクトを立ち上げたのです。2020年以降に治験を開始し、製造販売承認を取得を目指すと言います。

↑慶応義塾大学によるヒヨコを用いた基礎研究。バイオレットライトは近視の原因である眼軸長の延伸を抑える遺伝子「EGR1(イージーアールワン)」に働きかけるという研究成果が報告されています

 

↑2023年を目処に、製造販売承認を目指します

 

このメガネは、近視が進行しやすい6歳~12歳の小学生を対象に開発予定。屋外環境におけるバイオレットライトの放射照度の範囲をもとに、自然な太陽光の照度を忠実に再現し、フレーム内側に搭載される照射ライトから、小学生が屋外環境に3時間滞在するのと同等量の照度のバイオレットライトを放射。ライトは直接視界に入らず、外側からも見えない構造設計となるほか、自然な見た目で普通のメガネと変わらないデザインを目指します。ちなみに価格は未定です。

↑バイオレットライト照射機能搭載(自動電源 off機能付き)、ライトが目に入らない構造設計。軽量性・弾力性のある素材を使用し、子どもでもかけやすいデザイン設計になる予定です

 

↑フレームから照射し、380nm付近のバイオレットライトを再現

 

ブルーライトという言葉が一般化して、余分なライトをカットするほうが良いと思っていましたが、メガネ自らがライトを出すというのは新しい考え方。デバイスや技術が悩み事を解決してしてくれるのはうれしいと同時に、もっと外で遊ぶようにするなど、自分たちの生活自体を見直す良い機会かもしれません。

 

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