「ダレス・ブリーフ LV Limited」は、ビジネスバッグのオールドスタイルであるダレスバッグに、現代的なアレンジを施し実用性を加味。素材と作りには一切の妥協なく、所有欲を満たす風格も兼ね備えている。後編では、このバッグの魅力をより詳しく紹介したい。(前編はコチラ)
細部に宿る鞄メーカーとしてのプライド
前編で「細部にかけられた技術と手間」がこの製品の魅力と書いたが、使われている金属パーツの質感も見事だ。メインの荷室をまとめるストラップに使われている通称「ドイツホック」や、ストラップの両端に取り付けられたフックなどは、さりげなくもしっかりとした存在感があり、しかも使い勝手がよい。
さらに注目して欲しいのは、特注の金型で成形したというアルミフレームが描くメイン収納部の緩やかなアーチと、対をなすアオリポケット上端のカーブ。これら二つの曲線が、ダレスバッグとしては少し特異な個性をこのバッグに与えている。
この製品がダレスバッグたる部分、メインの荷室についても触れていこう。
メインの荷室は中央にファスナー付きの物入れを兼ねた仕切りがあり、ふたつに別れている。背面側には、これまたファスナー付きの内ポケット、表側には中央仕切り部分に幅広のゴムバンド付きの内ポケットが、それぞれ用意されている。2つのアオリポケットも含め、内側には使われているのは、滑らかな手触りを持つ赤いスエード調の素材。眼鏡ケースなどにも使われるものだそうで、ファスナーと後述の金属プレートにさえ気をつければ、なかに入れたものが傷つくことはないだろう。
中央の仕切りがあるために一般的なダレスバッグに比べると厚みのあるものを入れるのが苦手だが、逆に広い荷室のなかで荷物が入り乱れることがない。モダンなブリーフケースとしての使い勝手を重視したゆえのことであり、それがこの「ダレス・ブリーフ」の長所であるとも言える。
そして何より、ユーザーがこの製品を手にしたときに、もっとも心を動かされるのが、メインの荷室を開けたときじゃないかと思う。前述したアルミフレームにシエナをかぶせて作られているメイン荷室の開口部、開くときの「抵抗感」が、絶妙なのだ。キツすぎず、かといって、中央に取り付けられた小ぶりのホックを留めずとも、うかつに開くことがない。手にしてしばらくの間は、意味もなく何度も開け閉めしてしまうほど…。この感触は、縫製や素材の裁断を含めたミリ単位のサイズ管理があってはじめて実現するものだろう。ここでもまた、モノ作りに対する職人たちの意識の高さを感じずにはいられない。
なんでもホン・モノ・ケイカクが確保した初回分は、製造元の工場内でももっとも高い技術を持つ職人がイチからすべての縫製を手がけている特別仕様なのだという。特に直接手で触れるから、とひと際手間がかけられた手縫いのハンドルは見事としか言いようがない。そうした製品の裏側にあるエピソードも含めて楽しんでいただきたいと思う。
ダレスバッグをベースに現代的なオリジナリティを加え、実用性を高めつつも、決して高級感を失うことなく所有者に満足感を与える。トーテムリボーのフラッグシップモデルというだけあり、同ブランドの気概が感じられる製品として仕上がっているとりわけ高い仕上がりを誇る初回分は数が限られているので、お早めに。
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サイズ H310×W420×D80mm
重さ 1620g
価格 87,480円(税込)
備考 レーザー刻印名入れプレート付き