Samsung「Galaxy Z Fold7/Flip7」実機最速レポート!圧倒的に薄くて性能もUltraレベルだった

ink_pen 2025/7/9
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Samsung「Galaxy Z Fold7/Flip7」実機最速レポート!圧倒的に薄くて性能もUltraレベルだった
山本 敦
やまもとあつし
山本 敦

オーディオ・ビジュアル誌のWeb編集・記者職を経てフリーに。ハイレゾに音楽配信、スマホなどポータブルオーディオの最先端を徹底探求。海外の展示会取材やメーカー開発者へのインタビューなども数多くこなす。

サムスン電子が折りたたみデザインを採用する“Galaxy AIスマホ”の2025年モデル「Z Fold7」「Z Flip7」と、Google Gemini搭載のスマートウォッチ「Watch8」シリーズを発表しました。3点の特徴を紹介しつつ、短時間ですが製品発表イベント「Galaxy Unpacked」で実機を触った際のインプレッションをレポートします。

【Z Fold7】”Ultra”並みのパフォーマンスを持つのに薄く軽いフォルダブル

↑Galaxyシリーズのフォルダブルスマホの代表格、画面が8インチに大型化した「Galaxy Z Fold7」。

内側折りたたみ機構を採用する、Galaxyシリーズの横折りフォルダブルスマホ「Galaxy Z Fold7」は、2024年モデルのFold6よりもさらに薄く・軽く、性能もパワフルになりました。サムスンの直販ストアが販売するSIMフリーモデルの発売日は8月1日。カラバリはブルー系/シルバー系/ブラック系を通常モデルとして、Samsungオンラインショップ限定カラーのミントを加えた計4色を揃えます。

Samsungオンラインショップの販売価格は、最小ストレージサイズの256GBモデルが26万5750円(税込)、512GBモデルは28万3750円(税込)。1TBモデルは32万9320円(税込)です。

Fold7の最も大きな特徴は、Fold6よりも画面が大きくなったのに、本体は薄く、軽くなったこと。

↑画面を閉じた状態でも本体の厚さは8.9mm。

特に本体の薄さは、実機に触れるとより衝撃的でした。開いた状態の薄さは約4.2mm、閉じた状態でも8.9mmです。筆者のiPhone 16 Proが8.2mmですが、Fold7を畳んだ時の厚みと感覚的にほぼ変わりません。

↑左側は筆者のiPhone 16 Pro。右側のZ Fold7とほぼ厚さが変わりません。


↑画面を開いた状態。厚さサイズは約4.2mmです。

質量はFold6の約239gから24gも軽く、約215gになりました。ところがバッテリーパックの容量は4400mAhと変わりません。

Fold7では折り畳み機構のヒンジ部分のパーツをさらに薄くしながら強度を保ち、筐体内部の限られたスペースで精密に動く構造にしています。新しい構造にしたことで、ディスプレイ側の“折り目”も目立ちにくくなりました。ディスプレイのサイズはFold6の7.6インチから、Fold7は8.0インチに大きくなっています。ディスプレイの輝度、リフレッシュレートのスペックはFold6から変わっていませんが、画面が大きくなると写真や動画も映えるように感じます。

↑カバーディスプレイも6.5インチ。見た目や使い心地は普通のストレートタイプのスマホと変わりません。

本体オモテ側のディスプレイも0.3インチほど大きい6.5インチになりました。コーニング社の最新強化ガラスパネルを採用したことで、強度そのものも向上しているとのこと。もはや本体を開かなくても、オモテ側のディスプレイだけで色々こなせてしまいそうです。

↑開いた画面の折り目もかなり目立たなくなりました。

背面にはトリプルレンズカメラを搭載しました。メインの広角カメラがZ Fold6の50MPから200MP(2億画素)に強化されています。超広角カメラによるマクロ撮影もできます。

高まるビデオ撮影時の画質向上への期待に応えるため、独自の高画質化エンジンである「ProVisual Engine」を活用するナイトグラフィビデオの機能も搭載しました。Fold6よりも明るく色鮮やかなビデオが撮れます。

メインディスプレイ側のセルフィカメラは従来モデルだと400万画素でしたが、Fold7では1000万画素になりました。Fold6では画面埋め込みタイプのフロントカメラを採用していたものの、Fold7ではパンチホールデザインを採用し、画質向上と画角の拡大(100度)を達成しています。

↑トリプルレンズカメラを搭載。メインの広角カメラは2億画素のイメージセンサーを積んでいます。

本体の薄さだけでなく、パフォーマンスも最新フラグシップのS25 Ultraに迫っています。SoCにはクアルコムの最新チップをベースにカスタマイズした「Snapdragon 8 Elite for Galaxy」を搭載。GoogleのGemini Liveや、サムスン独自のGalaxy AIをベースに実現する様々な生成AI機能がスムーズに動かせるそうです。あいにく今回はその実力を試せる時間の余裕がなかったので、あらためて実機でレポートする機会を作りたいと思います。

今回発表された新製品のFold7とFlip7は、今後7世代のOSアップグレードと7年間のセキュリティアップデートをユーザーに提供することを保証しています。価格もプレミアムなスマホですが、“スマホ兼タブレット”なデバイスとして7年間近く長く使えることが前提ならば、コスパは悪くないと言えるかもしれません。

ただし、歴代Galaxy Foldシリーズのメインディスプレイが対応してきた専用のスタイラスペン「Sペン」による手書き機能が、Fold7では使えなくなります。この点は要注意です。サムスンは「多くのユーザーから声を聞いて決めた仕様」であると説明しています。

“Z FoldとSペン”の組み合わせは「スケッチアシスト」のようなビジュアル系の生成AI機能と相性がとてもよく、またZ Foldをタブレット的に使うモチベーションの1つにもなっていたと筆者は思うので、今回の仕様決定は残念です。

【Z Flip7】カバー画面もさらに大きくなった

ガラケーのような“縦折り”スタイルのフォルダブルスマホ「Galaxy Z Flip7」も登場します。サムスンの直販ストアが販売するSIMフリーモデルの発売日はFoldシリーズと同じ8月1日。カラバリはブルー系/ピンク系/ブラック系の通常モデルに、Samsungオンラインショップ限定のミントを加えた4色展開です。

Samsungオンラインショップの販売価格は、最小ストレージサイズの256GBモデルが16万4800円(税込)、512GBモデルは18万2900円(税込)。

↑Galaxy Z Flip7。開いたメインディスプレイのサイズは6.9インチです。

↑カバー側のディスプレイが4.1インチに拡大しています。

最大の特徴はオモテ側のカバー画面が4.1インチサイズまで大型化し、従来より輝度がアップしたことです。結果的にデザインも変わり、カメラユニットの周囲にもディスプレイが拡大しています。さらに四方ベゼル(フチ)は1.25mmまで薄型化したので、折りたたんで閉じたスタイルの時に、片側は全体がディスプレイのようなデザインになりました。なお、開いた本体のメインディスプレイは6.9インチで、Flip6よりも0.2インチ大型化しています。

Flip7も本体が少し薄くなりました。筆者は男性にしては手があまり大きくない方ですが、Flip7は片手で持ちながらスムーズに操作できました。

↑カラバリは4色展開。左から2番目はSamsung.com限定色のミント。

メイン側デュアルカメラは広角が50MP、超広角が12MPのイメージセンサーを搭載。インカメラが10MPという仕様も含めて、Flip6から変わっていません。本体の折り曲げ機構を活用して、テーブルなどの上にFlip7を置いて安定させると、メインカメラで“ぶれない”セルフィ写真やビデオが撮れます。写真・ビデオの撮影のため、カメラが使用されていることがわかるように、カメラユニット周辺のカバーガラスが色つきで点灯する機能がFlip7に新しく導入されました。

↑ビデオ撮影を開始すると、カメラユニット周辺のカバーガラスがオレンジ色に点灯して知らせます。

Flip7のSoCはサムスン製の「Exynos 2500」となることが発表されています。Flip6はクアルコムのSnapdragon 8 Gen 3 for Galaxyでした。グーグルのGemini LiveやGalaxy AIの生成系AI機能は不自由なくスムーズに動くようですが、使い込むとその違いが表れるのかは興味深いポイントでしょう。

↑Flip7も開いた状態の厚さが約6.5mm。バッテリー容量は4300mAh。

【Watch8】こっちも薄くて軽い! 装着感が心地よいウェアラブル

ウェアラブルデバイスのGalaxy Watch8シリーズも発売を迎えます。Samsungオンラインショップが取り扱うBluetoothモデルは8月上旬の発売。LTEモデルも、国内3大通信キャリアが販売します。

Galaxy Watch8はケースのサイズに44mm/40mmの2種類があり、カラバリもグラファイトとシルバーの2色展開です。機械式時計のようなプレミアム感のあるルックスのGalaxy Watch8 Classicも同時期の発売で、こちらにはブラックとホワイトの2色があります。

↑カジュアルな印象のGalaxy Watch8。グラファイトとシルバー。

↑ケースのサイズが薄くなっています。

Samsungオンラインショップの販売価格は、Watch8の40mmモデルが5万7900円(税込)、44mmモデルは6万2900円(税込)。Watch8 Classicは46mmのワンサイズ展開で8万2900円(税込)です。OSにはグーグルのWear OS 6を採用。Androidデバイスとペアリングして使うことを想定しています。

↑46mmケースのGalaxy Watch8 Classic。

Galaxy Watch8は、本体ケースがWatch7よりも11%ほど薄くなっているのが注目ポイント。手首に吸い付くようにフィットする感覚が心地よかったです。本体はスリムになりましたが、内部構造を見直したことでバッテリー容量はキープしています。

加えて、ヘルス/フィットネス系の新機能も用意。睡眠トラッキングはユーザーに就寝時刻をアナウンスしたり、規則正しい眠り習慣の実践を誘導したりしてくれます。

個人のランニングレベルを分析して、パーソナライズされたデータを提示する機能も。たとえばランニングによる健康管理を無理なく誘導する「ランニングコーチ」や、食生活サポートを目的として抗酸化指数の測定を行う機能が新たに用意されました。

食生活サポートは、ウォッチの背面LEDセンサーに指を10秒ほどあてると、皮膚に付着するカロテノイドと呼ばれる物体の量を計測。ユーザーの緑黄色野菜や果物の摂取量が足りないとアラートを届けてくれる「スマートウォッチ初搭載」の機能です。

↑スマートウォッチとして初めて緑黄色野菜や果物の摂取量がわかる抗酸化指数の測定機能が搭載されました。

Galaxy Watch8シリーズ、Watch classicシリーズは、ともに世界で初めてグーグルの生成AIアシスタントである「Gemini」をウォッチに搭載しました。ペアリングしたGalaxyシリーズのスマホと連携しながら、時計に向かって話しかけたユーザーのリクエストや質問に素早く答えてくれます。

発表会では、基本的な音声チャットを体験できました。ケース側面のボタンを押すとGeminiが起動しますが、リクエストに対する応答も含めて、そのスピード感は十分に実用的であるように感じました。Watch8シリーズの発売後、スマホではなくスマートウォッチでGeminiを活用する場面がどのように広がるのか楽しみです。

↑こちらも本機の発売時にはスマートウォッチとして初となる「Google Gemini搭載」を実現しています。

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