実はよく考えられたデザイン! 個性的な「Nothing Headphone (1)」音と使い心地はどう?

ink_pen 2025/9/11
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実はよく考えられたデザイン! 個性的な「Nothing Headphone (1)」音と使い心地はどう?
ヤマダユウス型
やまだゆうす型
ヤマダユウス型

楽器、カメラ、ゲームなどを好むフリーライター。平時はガジェットに生かされつつも、休日は登山やキャンプで魂を漂白している。最近は塊根植物にハマっている。

↑Nothing Headphone (1)。

ロンドンに拠点を置くデジタル機器メーカー、Nothing(ナッシング)。スマホやワイヤレスイヤホンを手掛けており、他社とは一線を画す独特なデザインが世界中で高い評価を受けています。あと、お値段も意外と安いんですよね。

そんなNothingが、同メーカー初となるワイヤレスヘッドホンを発売しました。それが、「Nothing Headphone (1)」。価格は3万9800円(税込)。

「これがヘッドホン?」と思わずにいられないデザイン

↑同梱物の一覧。


本体のほかには、専用のソフトケース、USB C to Cケーブル、3.5mm to 3.5mmケーブルが付属。無線通信だけでなく、付属ケーブルによる有線接続も可能なヘッドホンです。

↑ハウジングは90度回転する。

ケースに収納するとこんな感じ。なお、ケースの厚みは約5.5cmでした。デザインが秀逸なので、首にかけてファッションアイテム的に身につけても良いですね。

↑ハウジングを繋ぐヒンジ部分のシルエットがカッコいい。

重量は329gで、ワイヤレスヘッドホンとしてはややヘヴィ。参考までに、ソニーの「WH-1000XM6」が約254g、Boseの「QuietComfort Ultra Headphones」が約250gです。

↑アルミとアクリルを組み合わせた印象的なデザイン。

なんといっても特徴的なのは、そのデザイン。ヘッドホンのハウジングといえば丸っこいシルエットが一般的ですが、アルミ筐体の上に透明のアクリルを重ねたその佇まいは、Nothingが手掛けている透明スマホ「Nothing Phone」のよう!

アクリル部分は見る角度によって反射が発生し、キラリと主張してきます。ちなみに今回はブラックカラーをレビューしていますが、銀色のアルミ筐体をベースとしたホワイトモデルもラインナップしています。色が変われば、アクリル部分もまた異なる見え方になりますよ。

↑頭を抑えるヘッドバンド部分。

頭頂部には柔らかなPUレザーを配置。

↑耳を覆うイヤーパッド部分。

イヤーパッドにも同様のPUレザーを採用します。強い反発感とモチモチ感があり、遮音性も高めです(近くの人の話し声も聞き取りづらくなるほど)。ただし、汗蒸れや皮脂が目立つ素材でもあり、日本の夏の猛暑の中で使うには覚悟が必要そう。冬はファッションと併せて楽しめそうです。

名門ブランド・KEFと協力したHi-Fiサウンド

Nothing Headphone (1)は、AAC、SBCのほか、LDACコーデックのようなハイレゾ音質に対応していることから、音質にもかなりガチなのが伺えます。

↑特徴的なデザインだけど、装着すると意外となじむ。

サウンドには臨場感があり、ヘッドホンらしい広がりを持った味わい。遮音性に優れたイヤーパッドも相まって、低音〜高音まで余す所なく聞き取れました。キックやピアノの残響感も最後まで感じられ、ロック系からクラシックまで幅広いジャンルの相棒になりそうです。

↑監修の証として「SOUND BY KEF」の刻印も。

また、今回のために作られた40mmのダイナミックドライバーは、イギリスの名門スピーカーメーカー・KEFとの共同開発によるもの。KEFのサウンドはHi-Fiさに定評があり、そのピュアな鳴りは世界中のオーディオファンが認めるところです。Nothingとはイギリス仲間でもありますね。

ノイキャンの消音力は、かなり高め。屋内で使ってみると、サーキュレーターやエアコンなどの家電ノイズはほとんど聞こえなくなりました。外音取り込みの音もすごく自然で、装着したままの会話も問題なし。

↑上のボタンが「ローラー」、下のボタンが「パドル」。

タッチを廃して、物理ボタンのみの操作に絞っているのも本機の持ち味でしょう。右側のハウジング、親指に届く位置には「ローラー」と「パドル」が搭載されています。これがかなり使いやすい。

ローラーは左右に回転し、音量などを操作。長押しでノイキャン・外音取り込みを切り替えます。パドルは左右に倒れるスイッチ式のボタンで、曲送りなどを操作可能です(アプリで割り当てる操作を変更できます)。どちらのボタンも動かしやすく、タッチなどと違って「確実に触っている感」があるのが良いですね。

↑やや遠い位置に孤立してボタンが存在。

ハウジング前方にもボタンがあり、SpotifyやApple Musicのプレイリストを連携してすぐに呼び出せる独自機能「Channel Hop」が設定できます。ストリーミングで音楽を聞かない場合も、アプリからほかの機能に割り当てることが可能です。デジカメのFnボタンのようなイメージで使えますね。

↑アプリで設定している様子。

専用アプリからは、ボタンのアサイン関係やイコライザー、空間オーディオ、ノイキャンなど各種設定に手が届きます。低音を割増してくれるベースエンハンスはなかなか面白く、本機のサウンドをFi-Hi路線からやんちゃ系にしてくれる可能性を秘めていますよ。バランスよく聞くならオフでも良いけど、Hip-Hopを楽しむならゴリっとオンにしたい。

その他のスペックについては、バッテリー時間が最大80時間(ノイキャンオフ、AAC接続時)、5分の充電で最大5時間使用可能。かなりのロングバッテリーが期待できますね。

デザインも楽しめる。真面目系サウンドで価格競争力も高い1台

個人的にもっとも気に入ったのは、ローラーやパドルなどの物理ボタン。実際に使ってみるとかなり快適で、例えば音量操作も「カチカチ」と何度もボタンを押す必要がなく、ローラーを転がすだけでOK。このあたりの直感デザインは、さすがのNothingといったところでしょう。

↑ヘッドホンが自立できるのも意外と珍しい。

フラッグシップのワイヤレスヘッドホンで、価格3万9800円というのは競争力も高いです。4万円台〜6万円台がいる価格帯ですからね。このデザインを楽しめる人であれば、非常に満足度の高い1台になると思います。人を選ぶデザインではあるものの「せっかく買うなら退屈なデザインじゃないものが良い」という人はきっといるはずですから。

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