「Pixel 10 Pro Fold」、過酷な耐久テストでまさかの事態に見舞われる

ink_pen 2025/10/20
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「Pixel 10 Pro Fold」、過酷な耐久テストでまさかの事態に見舞われる
多根 清史
たねきよし
多根 清史

IT / ゲーム / アニメライター。著書に『宇宙政治の政治経済学』(宝島社)、『ガンダムと日本人』(文春新書)、『教養としてのゲーム史』(ちくま新書)、『PS3はなぜ失敗したのか』(晋遊舎)、共著に『超クソゲー2』『超アーケード』『超ファミコン』『PCエンジン大全』(以上、太田出版)がある。

Googleの最新折りたたみスマートフォン「Pixel 10 Pro Fold」が、耐久テスト中にバッテリーの膨張と過熱、さらには発煙を起こし、火災報知器を鳴らすという異例の事態が発生しました。

↑異例の事態に見舞われた「Pixel 10 Pro Fold」(画像提供/JerryRigEverything/YouTube)。

この現象は、YouTuberのJerryRigEverything(ザック・ネルソン)氏が実施した過酷な「ベンドテスト(曲げ耐久テスト)」の最中に起こりました。

同氏は端末を完全に開いた状態で、裏側へ極端な力を加えて折り曲げるという実験を行っており、その際にバッテリーが発火しました。

もちろん、これは通常の使用環境では起こり得ない極端な状況です。ネルソン氏もその点を認めたうえで、「この10年間、あらゆるスマートフォンを同じ条件でテストしてきたが、実際に燃えたのはこれが初めてだ」と驚きを語っています。

修理業者のiFixitは、この一件がPixel 10 Pro Foldの設計上の欠陥を示すものではないと指摘しています。

ネルソン氏がテスト前にバッテリーを放電していなかった可能性があり、「新品のスマートフォンは通常60%以上充電されているため、テスト時には25%以下に減らすべきだった。今回のような極端な力を加える場合、それでも高すぎる電圧だったかもしれない」とiFixitは述べています。

また、iFixitはバッテリーの熱暴走について「局所的な短絡(ショート)」が主な原因であると説明しています。Pixel 10 Pro Foldのようにゼリーロール式(薄い正極・負極・絶縁膜を重ねて円筒状に巻いた構造)の電池では、絶縁膜が破損した際に熱暴走が発生しやすいとのことです。

一方、今回の耐久テストでは、防塵性能の検証も行われました。Pixel 10 Pro FoldはIP68等級(粉塵の侵入を完全に防ぎ、水没にも耐える)をうたっていますが、ヒンジ部分に直接ホコリを吹きかけて開閉を繰り返したところ、内部にホコリが入り込み、不快な異音が発生したと報告されています。

今後もGoogleには、耐久性と安全性の両面でさらなる改善が求められそうです。

Source: JerryRigEverything(YouTube)

via: The Verge

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