ボーズ最強ノイキャンヘッドホンが進化!「QuietComfort Ultra Headphones(第2世代)」レビュー

ink_pen 2025/10/24
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ボーズ最強ノイキャンヘッドホンが進化!「QuietComfort Ultra Headphones(第2世代)」レビュー
小岩井博
こいわいひろし
小岩井博

カフェ店員、オーディオビジュアル・ガジェット関連媒体の編集・記者を経てライターとして活動。黒物・白物を問わず家電製品、身の回りの生活に役立つモノ、インテリアなど幅広いジャンルで執筆を行う。

BOSE(ボーズ)から、待望となるワイヤレスヘッドホンの新モデル「QuietComfort Ultra Headphones(第2世代)」が登場しました!

前作「QuietComfort Ultra Headphones」から約2年、果たして本機はどのような進化を遂げているのか? 実際に使用した手応えをレポートしていきます。

↑ボーズのノイズキャンセリング・ワイヤレスヘッドホン「QuietComfort Ultra Headphones(第2世代)」。実売価格は59,400円(税込)前後。

強力ノイズキャンセリングは第2世代になっても健在

まずは本機のスペックからチェックしていきましょう。初代QuietComfort Ultra Headphonesもフラッグシップらしい優れた性能を備えていましたが、第2世代はその性能をおおむね継承しつつ、細部を磨き上げている印象です。

QuietComfortシリーズの代名詞ともいえるノイズキャンセリングは相変わらず強力。装着すると周囲の騒音がスッと静まり、音楽に集中できます。この効き具合はヘッドホン最強格と言ってしまって差し支えないでしょう。

↑ノイズキャンセリング性能は非常に高く、シーンを問わず音楽に集中できる環境を作り出してくれます。

ノイズキャンセリングレベルは「BOSE」アプリから10段階で調整できるほか、機能のオン/オフを切り替え可能。音質への影響は多少ありますが、せっかくこのヘッドホンを選ぶなら、最大レベルでオンにするのがいいのではないでしょうか。

周囲の音を取り込む「Aware」モードは、いかにもマイクを介したような不自然さがなく好印象。強力すぎるノイズキャンセリングは、例えば車の接近などに気づきにくいというデメリットもありますが、モードを適切に切り替えれば外出時にも使いやすくなります。

独自の「シネマモード」で没入感をプラス

↑「BOSE」アプリからはノイズキャンセリングレベルの調整や、モードの切り替え設定などの操作が行えます。

機能面では、ボーズ独自の「イマーシブオーディオ」機能に、動画向けの「シネマモード」が追加されました。イマーシブオーディオをオンにすると、再生されるコンテンツをすべて空間オーディオ化し、立体的な再現が楽しめるようになります。シネマモードでは、動画コンテンツ向けに処理を行い、「映画館のような視聴体験」を可能にするとアピールしています。

実際に体験してみると、イマーシブオーディオをオンにした時点で通常よりも空間性が感じられるようになり、特に奥行き方向に広がったような印象を受けます。そこからシネマモードに切り替えると、空間性はそのままに、人の声とSEがより迫るようなバランスで聴こえるように。迫力のある表現で、実写かアニメかを問わず、たしかに没入感が増しました。バラエティ番組では空間性に少し違和感がありましたが、動画視聴の際には積極的に活用したい機能です。

ちなみに、バッテリー性能も第2世代になって向上しています。ノイズキャンセリングオンで最大30時間(前モデルは最大24時間)、イマーシブオーディオオンで最大23時間(前モデルは最大18時間)と、より長時間の連続再生が可能になりました。

USB-Cでの有線接続にも対応

そのほか特徴的な新機能として、USB-Cでの有線接続に対応。最大48kHz/16bitの再生が可能で、CDクオリティの音源ならロスレスでの再生が行えます。

↑スマートフォンやNintendo Switchなど、USB-C対応デバイスと有線接続が可能になりました。

Bluetoothは5.4、コーデックはSBC/AACおよびaptX Adaptiveをサポートしているので、音質的優位性よりも低遅延な接続が行えるようになったことが大きなメリットと考えられます。

動画鑑賞レベルではワイヤレス接続でも遅延は気になりませんが、ゲームとなると話は別。シビアな操作が求められるリズムゲーム、いわゆる「音ゲー」では、無線接続だとわずかな遅延が仇となり快適にプレイできません。一方、ためしにUSB-Cで接続してみると、知覚できるレベルの遅延がなくゲームに集中できました。

加えて、AI処理により通話性能が強化されるなど、細かなところでも使い勝手が改善されています。

柔らかく弾力のあるイヤーパッドで装着感は快適

デザインはボーズらしいシンプルかつスタイリッシュなもので、ユーザーに支持されるのもうなずけます。

側圧は結構強めですが、レザー素材の肉厚なイヤーパッドとヘッドバンドが圧力を分散させてくれるためか、キツさは感じません。筆者は頭が大きいため、モデルによってはヘッドバンドの長さを調節してもうまく耳にハマらないこともあるのですが、本機は問題なく装着できました。

↑クッションは肌触りがよく、フィットしますが締めつけられる感覚が薄いので、長時間つけていても快適です。

また、筆者はメガネをかけていますが、ツルが押されて痛いということもありませんでした。個人差はあるでしょうが、装着感はとても良好だと思います。

操作は右ハウジングの物理ボタンと、スワイプ操作が可能なタッチセンサーから直感的に行えるほか、詳細な設定変更にはアプリを使用します。

↑ボリューム調整などの簡単な操作は本体のボタン・センサーから可能です。

装着検出機能を備えているので、装着すると自動で再生/外すと停止してくれるのも便利。操作の手間がひとつ減るだけで、かなりストレスが減ります。

低域に量感のある上質なサウンド

それでは、いよいよ音質を確認していきましょう。なお、試聴はAndroidスマートフォンとaptX Adaptive接続、ノイズキャンセリングは最大レベルの状態で行っています。

↑QuietComfort Ultra Headphones(第2世代)の音質をチェックしていきます。

全体として一音一音に張りがあって、生き生きとしているサウンドが特徴です。バランスとしてはフラットめで、低音にはしっかりとした量感があります。ただ、パワフルサウンドというよりは、あくまで上質なイメージ。かといってモニターライクでもなく、「音楽を聴くのが楽しくなるハイクオリティサウンド」といった印象を受けました。

深く沈み込む豊かな低音が音楽を支え、伸びやかでクリアな中高音が広がり感を生んでいます。そのおかげで、音場が耳元でこじんまりとせず、密閉型ながら心地よい空間性が感じられます。一方で、質感に若干まろやかさがあるので、キレキレなダンスミュージックなどではもたつきを感じる瞬間があるかもしれません。

特に打ち込み系のポップスや、90年代洋楽ロックなどとは相性が良いように思います。ノイズキャンセリングによって周囲の影響を最大限に排除して音楽に没頭できるので、静かなアンビエント系の楽曲もオススメできます。

ボーズのヘッドホンはノリの良い楽曲が得意というイメージを持っている人も多いかもしれませんが、本機はオールラウンダーな再現性が魅力と言えるでしょう。

さすがはボーズと言うべき完成度の高さ

第2世代になったQuietComfort Ultra Headphonesは、弱点らしい弱点のない、完成度の高いヘッドホンに仕上がっています。

ノイズキャンセリング性能は依然トップクラスで、細かな機能面も着実に進化。サウンドは万能型でありながら個性もあり、好きな人にはより深く刺さるタイプ。特に、静けさと没入感を求めるユーザーにとって、本機は最有力候補になりそうです。

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