差別化というより急場凌ぎ?「iPhone 14 Pro」だけ最新チップ搭載の可能性が高まる

ink_pen 2022/6/2
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差別化というより急場凌ぎ?「iPhone 14 Pro」だけ最新チップ搭載の可能性が高まる
多根 清史
たねきよし
多根 清史

IT / ゲーム / アニメライター。著書に『宇宙政治の政治経済学』(宝島社)、『ガンダムと日本人』(文春新書)、『教養としてのゲーム史』(ちくま新書)、『PS3はなぜ失敗したのか』(晋遊舎)、共著に『超クソゲー2』『超アーケード』『超ファミコン』『PCエンジン大全』(以上、太田出版)がある。

2022年秋に登場予定の「iPhone 14」シリーズには、アップル独自開発の「A16 Bionic」(以上、いずれも仮称)が搭載されると予想されています。が、この次世代チップが高価なProモデル専用になるとの噂が伝えられています。

↑iPhone 14のチップはProだけ最新になる可能性がますます高まった(写真はiPhone 13 Pro)

 

これは台湾の調査会社TrendForceが、全世界のスマートフォン生産を考察するレポートの中で述べていること。そこではアップルが2022年後半に新たな4つのiPhone 14モデルを発売する予定だと触れつつ、「以前の製品とは違い、Proシリーズのみに最新のプロセッサが採用されます」と説明されています。

 

この見通しは、アップルの未発表製品に詳しいアナリストMing-Chi Kuo氏が3月にツイートしたこととも一致。またBloombergの名物記者Mark Gurman氏も4月に、iPhone 14の標準モデルは「昨年のA15かそのバリエーションに留まる可能性が高い」としていました。

 

その理由としてGurman氏は「Proを目立たせようとする」以上に、現在進行中のチップ不足がアップルの決断につながった可能性があると述べています。もし本当に「最新チップがPro限定」になるとすれば、フラッグシップiPhoneが価格ごとにチップの種類が異なるのは約10年ぶりとなります。前回は2013年、iPhone 5SにはA7が搭載された一方、安価なiPhone 5Cは1年前のA6チップが採用されたことまでさかのぼるのです。

 

また、最新鋭のはずのA16にせよ、製造を担当する台湾TSMCは前年のA15と同じ技術を使うため、基本性能は大して変わらないとの噂話もあります。改善があるとすれば、GPUの強化や、RAMを LPDDR5に変更(iPhone 13シリーズに採用されたLPDDR4X RAMと比べて最大1.5倍高速 )することにより実現すると見られています。

 

その一方、iPhone 14 Proモデルはノッチ(画面上部の切り欠き)がなくなりパンチホール×2になってデザインが変わるとか、広角カメラの解像度が1200万画素から4800万画素に強化されるとの予想も有力。しかしiPhone 14標準モデルはデザインもカメラも強化はないと見られ、しかもプロセッサも1年前と同じだとすれば、少し魅力に乏しいかもしれません。

 

Source:TrendForce
via:MacRumors

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