暑い夏はクーラーの効いた部屋で、夏ゲーならぬ懐ゲーをプレイして郷愁に浸るのが一番! というわけで、今回は「GetNavi」本誌でもおなじみゲーム芸人フジタさんに、いま遊べる懐ゲーの名作36本をセレクトしてもらい、ランキング形式で紹介します。後半となる今回は、15位から1位を一挙に紹介します。「ドラクエ」や「ゼルダ」など、不朽の名作揃いです!
【選んでくれた人】
ゲーム芸人・フジタさん
「ファミコンは家族!」と言い切る芸人。ファミコンに限らず、膨大なゲームのコレクションでも有名で、その数は2万本を超えるとか。6月に発売されたエッセイ「ファミコンに育てられた男」(双葉社)も好評です。
■前編はコチラ↓
所有ゲーム2万本超の芸人が選ぶ「不朽の名作ゲーム」ランキング【36位~16位】
●本記事内のメーカー名はすべてゲーム発売当時のものです
【15位】4人バトルロイヤルで友情強化or友情崩壊!?
ダウンタウン熱血行進曲 それゆけ大運動会!(1990年発売・テクノスジャパン)
【ミニファミコン】【バーチャルコンソール】
4人同時プレイが導入された「くにお」シリーズ人気作。くにお率いる熱血高校、りき率いる花園高校などの4校が、殴る、蹴る、凶器ありの史上最凶運動会で得点を競います。ファミコン版は「クロスカントリー」「玉割り」「障害部屋競争」など4種目。
【フジタさんの推しポイント】
嫌いなヤツでもゲームで友だちに!
当時、ホリの4Pアダプターを持っている人はすごく少なかったんですけど、僕は何が何でもこの「大運動会」を4人で遊びたかったので4Pアダプターを買いました。2人用のゲームだと見ているだけのヤツが出てきてしまって、そこで冷める場合があるんですよね。
それに、2人きりだと気まずい奴がいても4人だと全然楽しく遊べるんですよ。友情を育んでくれる画期的なゲームでした。ミニファミコンは2人プレイまでなのが残念ですが、コミュニケーションツールとしてもオススメ。相手がいやらしい戦法を使ってきたとしても、自分も似たような戦法を使ったことがあって、それで意外と打ち解けられる、みたいな(笑)。
【14位】エアーマンだけじゃない! ボスはみな強敵揃い
ロックマン2 Dr.ワイリーの謎(1988年発売・カプコン)
【ミニファミコン】【バーチャルコンソール】
約150万本というシリーズ中最高の売上を記録し、「ロックマン」人気を確立した名作。ボスを倒すと入手できる多彩な武器を切り替えながらステージを進んでいきます。難易度は高く、のちに「エアーマンが倒せない」という歌も生まれたほど。
【フジタさんの推しポイント】
音楽もボスも最高! シリーズ屈指の傑作
数ある「ロックマン」シリーズのなかでも一番名作と言われているのが「2」です。僕の評価も同じですね。「3」のスライディングのように、シリーズが進むといろいろな技が追加されていくんですが、やれる動作が増えれば増えるほど、初期のシンプルさは失われてしまうんですよ。やれることが少なくても「2」の完成度は高く、「1」と比べてもボスのデザインも音楽も上でした。
当時は難易度が高くてクリアできなかった人も多いと思いますが、ミニファミコン版や「コレクション」版は、途中セーブができるようになっていて、当時より遊びやすくなっています。ぜひクリアを目指して下さい!
【13位】バントであっという間にホームラン!?
燃えろ!!プロ野球(1987年発売・ジャレコ)
【バーチャルコンソール】
テレビ中継を思わせる投手後ろからの視点を採用した野球ゲーム。当時は珍しかった合成音声やリアルなグラフィックの本格志向に対し、各チームの主砲はバントでもホームランになってしまうというとんでもないプレイ感覚のギャップが語り草に。
【フジタさんの推しポイント】
フライが捕れない!?野球ゲームの異端児
「燃えプロ」はピッチャー目線のリアル感がいいんですよね。バントホームランも「野球の概念を崩してるなぁ」とは思ってましたけど(笑)、当時はそれほど違和感はなくて、ちょっとバカっぽい要素もあって面白いと感じてました。ただ、野球ゲームとしてダメなのは、フライがまともに捕れないんですよ。これがあるので勝負としては面白くない。ジャレコの勢いは感じましたが(笑)。
野球ゲームは何もかもやりました。「ベースボール」がきっかけで、「ファミスタ」で衝撃を受け、あとは「ハリスタ」とか「超人ウルトラ」とか……。「燃えプロ」はスタンダードな野球ゲームに色をつけてくれた存在でしたね。
【12位】見た目が微妙に違う「裏ゼルダ」にワクワク!
ゼルダの伝説(1986年発売・任天堂)
【ミニファミコン】【バーチャルコンソール】
ディスクシステム本体と同時発売された、任天堂の看板アクションアドベンチャーシリーズ第1弾。主人公のリンクとなって地上と迷宮を探索して謎を解き、大魔王ガノンの討伐を目指します。クリア後に遊べた「裏ゼルダ」の存在も人気を呼びました。
【フジタさんの推しポイント】
隠し要素満載で突き詰めたくなる!
これもやりまくったゲームです。ディスクカードなので、カセットの半分くらいの価格で、しかもボリュームはカセット以上。当時、なんだかスゴくおトクだと感じてました。隠し要素を探すため、全部のマスに爆弾を置き、全部のマスで笛を吹いて、全部の木を燃やしましたね(笑)。迷宮でもすべてのブロックを押してます。裏面でもやったので総プレイ時間はとんでもないことになってます。
そういえば、小学生のときクラスに、学校に来ない女の子がいて、その子がすごく「ゼルダ」をやり込んでいて上手かったんですよ。「やればやるほどディスクシステム」じゃないですけど、そういう突き詰めたくなるゲームです(笑)。
【11位】抜作先生や翼くんがピッコロ大魔王に挑む!?
ファミコンジャンプ 英雄列伝(1988年発売・バンダイ)
【ミニファミコン ジャンプ版】
当時黄金期を迎え500万部を突破した「週刊少年ジャンプ」の創刊20周年記念として実現したRPG。歴代ジャンプヒーロー16人の力を借りて、ピッコロ大魔王から「ジャンプワールド」を救うことが目的。おもちゃ屋だけでなく書店でも販売されました。
【フジタさんの推しポイント】
詰め込みすぎて大味もそのお祭り感が魅力!
「ファミコンジャンプ」は最初に人の家でプレイして、「これはないな」と思ったんですよ(笑)。でも、第一印象は「クソゲーかな?」って感じだけど、そこを乗り越えると結構遊べるゲームなんです。ほぼすべてのジャンプの人気キャラが出ているのもよかったし、いろいろなミニゲームも楽しかった。最後、ピッコロ大魔王を倒すのに抜作先生や翼くんを無理矢理使うというのもよかったですね、むちゃくちゃ感があって(笑)。
「こち亀」の両さんも作中で「数日でワゴンに行った」と言ってましたけど(笑)、僕もワゴンで980円で買いました。いま思えばおトクでしたね。5000円で買っても損はしないタイトルです。
【10位】「せかいのはんぶんをやろう」に心が揺れた
ドラゴンクエスト(1986年発売・エニックス)
【ミニファミコン ジャンプ版】【バーチャルコンソール】
国民的RPGシリーズ第1作。当時「週刊少年ジャンプ」でゲーム記事などを書いていた堀井雄二がゲームデザイン。キャラデザは「ドラゴンボール」連載中だった鳥山 明。クチコミで人気を呼び、「Ⅱ」以降の爆発的なヒットにつながりました。
【フジタさんの推しポイント】
すべてが完璧に揃った何度も遊べる完成度!
ドラクエで一番好きなタイトルを挙げろといわれたら「1」が最初に来ます。「1」「4」「3」「2」の順です。主流は「3」「2」「4」「1」みたいな順番でしょうから、自分でもちょっと珍しいかなと思います。「1」の良さは何回も繰り返し遊べるところ。いかに早く竜王を倒すか、のタイムアタックも楽しいですし、どこまで低いレベルでいけるか、みたいな縛りもやってました。
適度な時間で終わるからというのもありますけど、何回もやりたくなるのは「1」だけです。キャラデザもいいし、音楽もいいし、あの少ない容量のなかで全部が完璧でした。竜王の城がスタート時点で見えてるってのもいいですよね。
【9位】滑るけど、ジャンプ力のあるルイージ!
スーパーマリオブラザーズ2(1986年発売・任天堂)
【ミニファミコン】【バーチャルコンソール】
ディスクシステムで発売されたシリーズ第2弾。「毒キノコ」も導入されるなど、前作と比べて難易度は格段に上がっています。標準的なマリオとジャンプ力はありますが滑るルイージを選択できました。
【フジタさんの推しポイント】
クリアできれば人気者になれた!
はっきり言って「マリオ2」は上級者だけが楽しめるゲームです(笑)。初心者にはクリア不可能でしょう。このゲームで僕はクラスの人気者にのし上がったんですよ。当時はゲームが上手いとモテモテになりましたから。まあ、小3までの話ですけど……(笑)
【8位】不良たちが学校を支配していた時代
熱血硬派くにおくん(1986年発売・テクノスジャパン)
【バーチャルコンソール】【アーケードアーカイブス】
アーケードからファミコンに移植されて、大人気となった学園アクションのシリーズ第1作。熱血高校の番長・くにおがさらわれた親友・ひろしを救うため、不良や暴走族をなぎ倒します。
【フジタさんの推しポイント】
ファミコン版のサービス精神に感心
容量の少ないファミコン版への移植なのに、バイクのチェイスとか、最後の迷路っぽい敵の本拠地とかアーケード版にはない要素を追加。たくさん遊んでもらおうという心意気が素晴らしいですね。ただ、難易度的には子どもの指の限界を超えています(笑)。