ゲーム&ホビー
2018/9/26 19:35

ゲーム界の最新トレンド早わかり!! 「東京ゲームショウ2018」を5つのポイントで分析

アジア最大のゲーム見本市ともいわれる「東京ゲームショウ2018」が、今年も9月20日から23日まで幕張メッセで開催されました。来場者数は4日間で29万8690人と歴代最多。2016年の27万1224人の記録を大きく上回りました。

 

今回は東京ゲームショウで話題となったトピックを振り返り、ゲーム業界のトレンドを分析していきたいと思います。「昔はファミコンやスーファミに熱中していたけど、最近はゲームから離れ気味でゲーム界がどうなっているのか正直よくわからない……」という人でも、今年の東京ゲームショウのポイントを押さえれば、ゲーム界の今と未来が見えるはず!

 

【その1】

日本のeスポーツはここ1~2年で本格化へ

↑開幕日20日に行われた浦和レッズ対フェイエノールトの国際親善試合

 

今年の東京ゲームショウはeスポーツが大きな柱でした。約600席の特設ステージが2つも用意され、連日eスポーツのイベントが開催されました。

 

eスポーツとは、簡単に言えば、対戦型コンピュータゲーム(格闘ゲーム、アクションシューティング、カードゲームなど)をスポーツ競技としてとらえる考え方のこと。欧米や韓国、中国ではすでにかなり浸透しています。

 

海外では企業とスポンサー契約を結んだり、大会の賞金で生計を立てたりする、いわゆるプロゲーマーも多数いますし、またeスポーツを従来のスポーツと同じ枠組で扱おうという動きも見られます。たとえば、今夏開催されたスポーツを中心としたアジア大会(ジャカルタ開催)ではeスポーツが史上初めて公開競技となり、さらに2022年開催予定の中国・杭州大会に向けて正式種目への昇格が議論されています。

 

日本では一般層の関心や理解度がまだ低いですが、東京ゲームショウのような大規模なイベントでeスポーツの魅力をアピールすることで本格的な普及へと道が開けそうです。実際に私もビジネスデイ初日に、浦和レッズとフェイエノールトのeスポーツチームが対戦する国際親善試合を生で観戦しましたが、華麗なプレイと白熱する試合展開に引き込まれました。

 

eスポーツは今後のゲーム界の注目のトレンドであると同時に、ゲーム界を超えてテレビ業界やスポーツ界、教育界にも波及するような一大ムーブメントになるでしょう。

 

【その2】

コンシューマゲームは芸能人とのコラボが進行する

↑「キムタクが如く」こと「JUDGE EYES:死神の遺言」の巨大看板

 

東京ゲームショウ2018でもっとも注目度が高かったソフトといえば、ディズニーとコラボした人気RPGの最新作「キングダム ハーツ III」(PS4、Xbox One/2019年1月25日発売予定)。スクウェア・エニックスブースとSIEブースに試遊台が設けられ、特にスクエニブースは70台前後もの試遊台がありましたが、常に来場者が列を作っていました。

 

そしてもう1本、セガの「キムタクが如く」こと木村拓哉さんが主演する「JUDGE EYES:死神の遺言」(PS4/2018年12月13日発売予定)も注目を集めていました。この2タイトルに共通するのはゲーム界以外の人気者とのコラボ。普段ゲームをあまりしないというライト層へのアピールという点でもコラボの恩恵は大きいと言えます。

 

特に「JUDGE EYES」はマスコミ的にもウケがよく、今後は他メーカーがこのスタイルを追随する可能性もありそうです。映画の吹き替えに芸能人を起用することでテレビや新聞、雑誌に取り上げてもらいやすくなるのと同じ構図で、ゲームの主人公に人気タレントを当てるというケースも多くなるかもしれません。「JUDGE EYES」が年末商戦でどこまで数字を伸ばすかに注目です。

 

【その3】

ミニハード復刻ブームは衰え知らず

↑画面左が「プレイステーション クラシック」。本体サイズは文庫本ほど

 

東京ゲームショウ開幕の前日、9月19日に発表された「プレイステーション クラシック」(2018年12月3日発売予定、税別9980円)。今回の東京ゲームショウにも初代のPS1と並んで、そのかわいい姿が展示されていました。

 

このミニハード復刻ブームは2016年11月に発売された「ニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータ(ミニファミコン)」から始まっています。店頭に並ぶやいなやミニファミコンは品切れが続出。さらに、翌年発売された「ニンテンドークラシックミニ スーパーファミコン(ミニスーファミ)」は、累計528万台という驚異のヒットとなりました。

 

これに続けとばかりに、今夏発売のSNK「ネオジオミニ」や2019年発売予定のセガ「メガドライブ ミニ(仮)」も発表されました。PS陣営もここにきてついにミニハード戦争に参戦といったところでしょうか。

 

また、東京ゲームショウにはタイトーが販売する3/4スケールの家庭用アーケードゲーム機「ARCADE1UP」も展示されていました(2018年12月発売予定、税別5万8000円)。ハードだけでなくアーケード筐体も含めれば、復刻ネタはまだまだありそう。来年以降もミニハード復刻ブームは間違いなく続くでしょう。

 

【その4】

VRは没入から共有する時代へ

↑赤い垂れ幕の向こうは12m×7mのスペースで、VR遊園地「オルタランド」が広がる

 

東京ゲームショウのVR/ARコーナーで話題を集めたのは、サンシャイン60の展望台「スカイサーカス」のVRアトラクションも手がける企業・ハシラスのVR「オルタランド」。VRヘッドセットを装着し、バックパックPCを背負って赤い垂れ幕に囲まれたスペースに入ると、なんと広大な仮想遊園地が出現!

 

「オルタランド」がすごいのは、これまでアトラクションごとにVRヘッドセットを装着し直す手間がかかっていましたが、その必要がなく、遊園地内を自由に移動しながらアトラクションに乗れる点。さらに最大16人が同時に参加でき、それぞれがアバターとして表示されます。

 

1人で仮想世界に没入するのではなく、みんなで遊園地を楽しむことができる。これが進化していけば、仮想遊園地はもちろん、仮想観光名所や仮想宇宙旅行、仮想タイムトラベルなどを多人数で体験し、その感動を共有できる、という新しい娯楽が生まれそうです。

 

【その5】

インディーゲームは日本のレトロゲームリスペクトが拡大していく

↑インディーゲームコーナー。今年はスポンサーにSIEのほか任天堂も加わったのがちょっとしたニュース

 

PC(STEAM)だけでなく、Nintendo SwitchのDLゲームとして気軽に遊べるようになったことで、存在感を増しているインディーゲーム。Nintendo Switchをインディーゲーム機と呼ぶ人もいるくらい、市場が築かれつつあります。

 

こうしたインディーゲームのなかで、特に世界的に人気を博しているのが、日本のファミコン期のアクション、「メトロイド」や「悪魔城ドラキュラ」をリスペクトしたタイトルです(ジャンル的には2D探索型アクションで「メトロイドヴァニア」と呼ばれます)。

 

東京ゲームショウ2018のインディーゲームコーナーは過去最大規模の計154の個人/団体の出展となりましたが、今の技術と昔のゲーム性を融合させたタイトルが目立ちました。今後もこの傾向は続き、「メトロイド」や「悪魔城ドラキュラ」「ロックマン」だけでなく、さまざまな日本のレトロゲームがフィーチャーされていくのではないでしょうか。

 

ファミコンやスーファミ以降、久々にゲームに触れるという人は、懐かしいテイストのあるDLインディーゲームから入るのもいいかもしれません。