日本生まれの遊び・折り紙。一説によれば、そのルーツは平安時代まで遡るといいます。当時の紙は非常に貴重なものでしたが、貴族の間で供物や贈り物をきれいに包装しようとする試みが発展し、さらに長い時を経て、今日のような折り紙が誕生したそうです。
長い歴史と伝統を持つ折り紙の遊びはいかにも”アナログ”な存在ですが、現代ではデジタルと融合したものも登場しています。この記事で紹介するのは、まさにそんな現代の折り紙「パピるんず」(1キット税込440円)。今春バンダイが発売したこの製品は、完成した折り紙をスマホでスキャンし、AR(拡張現実)のなかで楽しむというユニークなものです。
対象年齢が3歳以上だから簡単と思いきや……
パピるんずの遊び方は、ハサミやのりを使いながら折り紙を組み立てて完成品をスマホでスキャンすると、それが画面のなかで動き出す、というもの。製品のキャッチコピーに「クラフトフレンズ」とある通り、その製作工程は折り紙とペーパークラフトを足して2で割ったような感覚です。その対象年齢は3歳以上。パッケージに印字されている主なターゲットの年齢も小学校低学年であり、それを見ただけでは簡単に作れそうな印象を受けます。
しかしこのパッケージを開けてみると、幼稚園児が一人で作るにはさすがに厳しそうな材料が出てきます。そして、実際に作ってみたところ、そのイメージ通りの印象を受けました。
パピるんずの材料となる小さな紙には、それぞれ番号が振られた「はさみ」「やまおり」「たにおり」の指示が並んでいます。そのなかから若い番号を探しては、指定された作業を行なっていくと、キャラクターができあがるというわけです。なかには非常に小さいスペースに詰め込まれたような指示もあり、筆者が製作してみた限りでは「これ、小学3年生には難しいのでは?」と感じました。手先が器用な子ども向けといえそうです。あるいは、大人が一緒になって、ときには助けながら作り上げる必要があるでしょう。
アプリをスキャンする際は背景を無地にしましょう。スキャン画面でも「無地のところにおいてね」とあるのですが、筆者は木目のテーブルでスキャンしたため、最初はなかなかうまく読み取ることができませんでした。
なお、パッケージの裏面には、折り方の説明が印字されています。公式サイトには各製品の折り方を説明した動画の用意もあるので、折り方がわからなくなったら、これらが参考になります。また、動画を見ながら作るのもおすすめです。
※(5月18日追記):本文を修正いたしました。なお、初出で説明していた
「少しでも折り方を間違えていると、ちゃんとスキャンしてくれないのです。なので、子どもが「せっかく作ったのに、なかなかスキャンできない!」なんてことも起こりそう。たとえば、仮面ライダー1号の、マフラーの向きがちょっと違うだけでNG。もしスキャンが成功しないならば、パッケージにある見本と見比べて、ちゃんと合っているか確認する作業が発生します」
という箇所についてメーカーに確認したところ、無地の背景で撮った場合にはそうした現象は起きにくいとのことでした。記述に誤りがあったことをお詫び申し上げます。
難しいぶん、ちゃんとスキャンできたときの喜びは大きい
ここまで書いてきたように、パピるんずを“ちゃんと”完成させるのはなかなかに大変。だからこそ、スキャンに成功し、画面の中で動いてくれたときの喜びはひとしおです。大人の筆者ですら「やっと動いてくれた」という感覚だったので、子どもなら、それも仮面ライダーが好きな子であれば、達成感はより大きくなるでしょう。
画面内のパピるんずは、タップすることで独自のアクションをしてくれます。また、画面を別の方向に向けたり、自身が移動したりしても追従してくれるため、好きな場所に移動して遊ぶことも可能。現実の背景のほかにも、アプリ内に複数の背景が用意されているため、それを使って遊ぶこともできます。
夏にラインナップ追加予定! 無料のお試し版も
パピるんずには、家庭のプリンターで印刷できる無料のお試し版も用意されています。新感覚の玩具なので、どのようなものか知りたいという方は、まずはそれを手に取るのがおすすめです。また、現在は仮面ライダーシリーズのみとなっているラインナップも、この夏以降、続々と追加されていくことが決まっています。
キャラクターの魅力も相まって、子どもに大きな達成感を与えてくれるであろうパピるんず。仮面ライダー好きのお子さんをお持ちの方は、手に取ってみてはいかがでしょうか?