1日3万個製造!みんな大好き「崎陽軒シウマイ弁当」の製造現場を潜入取材した

ink_pen 2025/9/18
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1日3万個製造!みんな大好き「崎陽軒シウマイ弁当」の製造現場を潜入取材した
GetNavi編集部
げっとなびへんしゅうぶ
GetNavi編集部

1999年創刊。「新しくていいモノ」を吟味して取り上げる月刊の新製品情報誌。生活家電とIT・デジタルガジェットを中心に、モビリティ・雑貨日用品・グルメ・お酒まで、モノ好きの「欲しい!」に結論を出す、がコンセプト。

日本で最も売れる駅弁と言われるのが崎陽軒のシウマイ弁当。横浜名物として定着していたシウマイを主役に据え、1954年に誕生した。いまでも1日約3万個を製造する駅弁の代名詞だ。今回は、崎陽軒の横浜工場に潜入して、日本一の駅弁ができるまでを深掘りしていく!

↑横浜工場と本社工場は紐掛けの包装、東京工場はかぶせ蓋を採用している。

崎陽軒
シウマイ弁当
1070円
昔ながらのシウマイなど10種の具材が詰まったバランスのよさが魅力。経木(きょうぎ)の折箱が余分な水分を吸い、冷めてもおいしさをキープ。

①切り昆布:ごはんとの相性抜群。小さなスペースに詰めるのは熟練の技
②千切り生姜:ほのかな酸味がさわやかな紅生姜は、口直しにぴったり
③鶏の唐揚げ:しっかり味付けされた唐揚げは冷めてもやわらか
④玉子焼き:しっとりとした食感でほんのり甘い癒しのおかず
⑤蒲鉾:弁当に彩りを添える紅白カラー。弾力が心地いい
⑥鮪の漬け焼き:濃いめの味でごはんがすすむファンの多い一品
⑦筍煮:甘辛味とコリコリ食感で、シウマイに次ぐ人気
⑧あんず:デザートかと思いきや最初や途中に食べる人も!
⑨昔ながらのシウマイ:発売当初は4個だったが、「もう1個食べたい」との声で増量されたとか
⑩小梅:ほんのり酸っぱいカリカリ梅が、食欲を刺激する
⑪俵型ごはん:国産ブレンド米を高圧スチームで蒸しモチモチに

【トリビア01】シウマイ弁当が日本一売れる店は?
神奈川県と東京都を中心とした約160店のなかで、シウマイ弁当が最も売れるのは横浜駅中央店。1日に約700個が販売されている。

【トリビア02】シウマイが入っていない弁当もある?
崎陽軒ではシウマイ弁当以外にも10種類以上の駅弁を販売。そのなかでしょうが焼弁当といなり寿司にはシウマイが入っていない。

【トリビア03】エリアによって掛け紙の絵が違う?
掛け紙に描かれているのは横浜の街並みだが、東京工場で製造された弁当にだけ、左端に東京スカイツリーが描き加えられている。

↑崎陽軒公式キャラ「ひょうちゃん」今年で70周年!

冷めてもおいしいシウマイ、ヒミツは帆立にあり!

横浜名物として不動の地位を築いているシウマイが発売されたのは1928年のこと。横浜駅は東京駅から近いため駅弁の需要が少ない……そんな状況を打開すべく当時の社長、野並茂吉氏が「横浜に名物を作ろう」と中華街からヒントを得て開発したのが始まりだ。

冷めてもおいしいことにこだわり、たどり着いたのが帆立の貝柱。北海道産の干帆立貝柱を水で戻し、旨味たっぷりのスープごと豚肉に加えることで、冷めても風味が損なわれずにおいしく食べられる。

使用する豚肉は、一度も冷凍されていない国産品。そこにタマネギ、グリーンピース、塩やコショウ、砂糖を加えるだけという素材の味を生かしたシンプルなレシピが魅力だ。

こうして誕生した「昔ながらのシウマイ」が主役のシウマイ弁当は1954年に登場。幕の内弁当の三種の神器と言われる焼き魚、玉子焼き、蒲鉾をはじめ10種のおかずが詰まったバランスのよさは他の追随を許さない。

おかずは鮪の漬け焼きが鰤の照り焼きだったり、あんずがサクランボだったりとマイナーチェンジを重ねているが、2003年以降は現在のラインナップに定着。「何から、どう食べるか」がたびたび話題になるほど、根強い人気を誇っている。

シウマイはこうして作られる崎陽軒の横浜工場に潜入

週に4日、1日4回開催される工場見学は、各回45人の定員が常に満員!シウマイの製造工程やシウマイ弁当の箱詰めの様子を見学できる。

1.まずは崎陽軒の歴史を学ぼう

工場見学は崎陽軒の歴史を紹介する映像からスタート。看板商品のシウマイがどのように誕生し、横浜名物へと成長していったのかを知ることができる。

↑干帆立貝柱など、シウマイに使う材料の食品サンプルを展示。

2.ロボットが大活躍のシウマイ製造工程

8台の成型機がそれぞれ1分に420個のシウマイを形作り、約10分間の蒸し器を経て完成。その後もロボットが箱詰めから包装までを行う。

↑蒸し上がったシウマイは作業員が目視でチェックし、次の工程へ。

3.ファン必見のひょうちゃん展示

↑現在の3代目ひょうちゃんの絵柄は48種。期間限定の絵柄も展示されている。

シウマイの箱に入ったしょう油入れは、公式キャラの「ひょうちゃん」。漫画家の横山隆一氏が描いた温かみのある表情が長年親しまれている

4.プロのワザに感激する弁当箱詰めライン

シウマイ弁当の箱詰めラインでは、従業員が一列に並び、ごはんに続いて一品ずつおかずを詰めていく。最後の作業員が仕上がりをチェックして蓋をする。

↑仕上げの紐掛けは、熟練のスピード感!

5.できたてのシウマイを試食!

↑昔ながらのシウマイと、大粒の特製シウマイの味の違いを比べて。

見学の最後には、昔ながらのシウマイや特製シウマイ、筍煮などの試食タイム。できたてシウマイを味わえるのは工場ならでは。

↑製造現場で実践されている約2分の丁寧な手洗いを体験。

シウマイがもっと好きになる!崎陽軒 横浜工場見学
[住所]神奈川県横浜市都筑区川向町675
[時間]火・水・金・土曜の9:00~、10:30~、12:30~、14:00~(毎回約90分)
[休み]日・月・木曜、毎月末日、年末年始
[料金]無料
[URL]kiyoken.com
※ウェブサイトからの完全予約制。3か月前の同日午前0時より予約受付開始

「プチミュージアムショップ」で限定アイテムをゲット!

横浜工場の一角にあるショップは、予約なしで利用可能。オリジナルグッズなどの販売のほか、できたてのシウマイや中華まんも購入できる。

[時間]火・水・金・土曜の10:00~16:00
[休み]日・月・木曜、毎月月末、年末年始

※「GetNavi」2025年9・10月号に掲載された記事を再編集したものです。
※価格などの表示内容は掲載時点のものです。在庫切れなどによって変更の可能性もありますので、詳細は商品ページを確認してください。

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