ヘルスケア
エクササイズ
2021/3/29 19:00

顔のゆがみ、シワ、メンタルまで!“マスク老け”は「顔ヨガ」メソッドで解消する!

一日中マスクをつける生活が始まってから、はや一年が経ちました。マスクをつけていると、口を大きく開けて話せなかったり、目だけで感情を伝えなくてはならなかったりと、以前とは表情筋の使い方が変わってきています。また、リモートワークが進んで人に会わない時間が増えたことで会話が減った、という人も多いでしょう。それにしたがって、顔の筋肉を使う機会自体も減っています。

 

このままでは、マスクをしていることで顔全体がたるみ、老け顔になってしまう可能性があるのです。

 

そこで、「顔ヨガ」のメソッドを開発した顔ヨガ創始者の高津文美子さんに、表情筋を鍛える方法やシワやたるみを改善するエクササイズを教えていただきました。

 

マスク生活で生まれたデメリットとは?

この一年で、わたしたちの顔や心にはさまざまな変化が現れています。友だちと会う時間や旅行などのリフレッシュが難しくなって、笑う機会が減った人もいるでしょう。生活や仕事が混乱の中にあり、笑顔になれるような状況でない人もいるかもしれません。

 

「笑う機会が減った上、マスクをしていることで、口元の筋肉がたるんだり、マスクの重みで頬が下がってしまったりするのです。笑うことは表情筋を鍛える上でももちろんよいのですが、それと同時にメンタルにとってもとても大切なことですよね。笑顔でいることは、心の健康にもつながります。筋肉を鍛えながらメンタルも整えていきましょう」(顔ヨガ創始者/フェイシャルアドバイザー・高津文美子さん、以下同)

 

「マスク老け」とは?

マスク老けとは、マスクをする生活が長くなっていく中で、顔がたるんだりシワができてしまったりして老けてしまうこと。

 

「ご時世が変わらない限り、マスクをする生活は変えられませんが、毎日少しずつでも続けてエクササイズを行うことで、シワやたるみを改善したり防止したりし、老け顔にならないように整えることができます。

また、エクササイズは日常生活でしていただいても構いませんが、肌が乾燥しているとトラブルを起こすこともありますから、お風呂場で行ったり化粧水をつけたあとなど、なるべく潤いのある状態で行いましょう」

 

「マスク老け」にならないために鍛えるべき5つのパーツ

  1. 目の周りの眼輪筋
  2. 口の周りの口輪筋
  3. 頬の筋肉、頬筋
  4. 耳につながる筋肉
  5. メンタル

1. 眼輪筋を鍛えてマスク顔でも表情豊かに!

まず、マスクをつけていてもっとも困るのは、表情が伝わらないことでしょう。

 

「人が怒っているのか笑っているのかが伝わるポイントは、口角の上がり下がりと頬の位置の高さなのですが、どちらもマスクで隠れてしまって見えませんよね。マスクをしていると、その人がどんな表情をしているのかが分かりづらく、考え込んでいるだけで怒って見えたり、普通に話していても無愛想に感じさせたりしてしまうこともあり、コミュニケーションをとることがとても難しくなってきています。

そうならないためにも、目の周りの眼輪筋という筋肉を鍛えることが大切。目の下の筋肉を持ち上げると、優しい目元になり、ニコニコした雰囲気を伝えられるようになるんです。また、目の下のたるみや目尻のシワ、目を大きく開こうとしたときに出るまぶたのシワなども改善されます」

 

2. マスクの中でもエクササイズしたい口輪筋

次に気にしていきたいのは、マスクで常に隠れている口周りです。マスク生活でなくても常に意識をしていなければ、重力に負けていくといいます。

 

「顔の筋肉も年齢とともに筋力が落ち、歪みやたるみにつながっていきますよね。それはマスク生活でなくても同じことなのですが、マスクをつける生活になったことで、普段以上に筋肉を使わなくなりました。マスクがずれないよう、なるべく口や頬を動かさずに話す方も多いですし、筋肉の使い方が小さくなったといっていいでしょう。マスク生活が終わる日を思い、外したときにも美しくいられるようしっかり鍛えておきたいものです」

 

3. 垂れ下がる頬をリフトアップ

そして日々のマスクの重みで下がってしまうのは、頬の筋肉です。常にマスクが当たっているので、肌トラブルにもなりやすい場所です。

 

「頬の筋肉はマスクの重みがかかると、どんどん下がっていってしまいますよね。頬が下がるとほうれい線が出て口角が下がり、老け顔になるのはもちろん、気難しくてしあわせそうではない表情に見えてしまいます」

 

4. 軽いマスクでも耳には案外負担がかかる

毎日マスクを耳にかけていると“耳が疲れる”って知っていましたか?

 

「耳は、たくさんの顔の筋肉とつながりがある場所です。耳にいつもマスクの重みがのっていることで、こめかみや頬のああたりの筋肉にも重さがかかり、どんどん垂れ下がってしまうのです。

耳にはつぼもたくさんあり、ストレスが溜まっている方は、耳を少し引っ張るだけでも硬くて痛いかもしれません。耳を引き上げるエクササイズをすることで、頬のたるみや目尻の下がりを解消できますよ。こちらは、マスクを外してリラックスできる時間に行いましょう」

 

5. マスク老けの予防と改善に!毎朝欠かさず自分を褒めて気持ちを整える

最後に気をつけたいポイントはメンタルです。美しくありたいという気持ちを持つ一方で、今の自分を否定するような気持ちになっていませんか? 人との交流が減って落ち込んだ気持ちになってしまうこともありますが、今の自分も褒めながらエクササイズをして美しくなるよう努力するのが、マスク老けを改善することにもつながるのです。

 

「顔ヨガを教えるときにとても大切にしているのが、メンタル面も美しくいられることです。コロナ禍においては、つらい生活を強いられている方や、今は笑えないという方もいるでしょう。英語では『instant pick me up』と言うのですが、エクササイズで顔を整えながら、『今日もあなたはきれいよ』『かわいいわね』とプラスの言葉を口に出して鏡の中の自分に言います。

表情を持ち上げ、老け顔にならないために必要なのは筋肉と前向きな心。アンハッピーな人はどうしても胸を内側にしまい、猫背のような姿でいて、顔も下を向きがちですよね。でも、人って楽しいときやしあわせなときは、自然と顔を上げて胸を張っているものなんです。なかなか自分のことを褒められない方や言葉が口に出せず泣いてしまう方もいるのですが、ぜひ毎朝トライしてみてほしいです。

メンタルが上向きになると、自然と口角が上がり、顔の筋肉にもハリが出てきます。それぞれのエクササイズを行いながら、笑顔でいられるよう気持ちを整えることで、マスクをしていても美しくいられますよ」

 

それでは、具体的なエクササイズの方法を教えていただきましょう。

 

1. 4本指を揃えて眉の上と皺眉筋に置く。

↑「親指は軽くほほの上に置きましょう。双眼鏡を覗くように手を形づくり、眉が上がったり、眉間にシワが寄ったりしないようにロックします」

 

2. そのまま目を細める。

↑「眼輪筋を絞り込むようにして、目を細めます。手と目で綱引きする感じと言うといいでしょうか。上まぶたを下げるのではなく、下まぶたを持ち上げるようにしましょう。この状態で5秒キープします」

 

3. 目を大きく開く。

↑「目の周り360度ある眼輪筋を使って外に広げるイメージで、大きく目を開きます。目玉を外に押す感じで5秒キープしましょう」

 

【口輪筋を鍛える】「チューください」のポーズ

続いては、マスクをしているときにもできるエクササイズです。「電車の待ち時間やトイレに入ったときなど、一日の中で気づいたときに行うのがいいでしょう」

 

1. 唇を丸くすぼめて突き出す。

↑「口の真ん中に小指ほどの円を開けて口を開き、そこから歯が見えないように歯と歯の間は指一本程度の隙間を空けます。唇は花開くように外に開きましょう。10秒キープを3セット繰り返します」

 

【頬を上げる】「おだんごロック」のポーズ

3つ目は、頬をおだんごのように形づくるポーズです。「物理的に頬を高い理想の位置まで持ち上げて、形状記憶にように肌と筋肉に教え込むエクササイズです。1〜2の工程を3セット繰り返します。頬の位置を鏡で確認しながら行うといいでしょう。メイク前のエクササイズにおすすめです」

 

1. 頬を持ち上げ、上の歯をしっかり見せて笑う。

↑「目が細くなったり目尻にシワが寄ったりしないように、パッチリと見開きましょう」

 

2. 親指と人差し指でOKマークを作って、頬の高い位置を上に持ち上げる。

↑「筋肉に頬の高い位置を覚えさせ、この状態を10秒キープしましょう」

 

【フェイスラインをリフトアップ】こめかみストレッチ

続いて、頬と顔全体を持ち上げるエクササイズの方法です。「こちらも筋肉に理想の形を覚えてもらうエクササイズです。1〜2を繰り返し3セット行います。舌を出すポーズがあるのですが、舌を出すと耳たぶの後ろにある耳下腺のツボを刺激することができます。耳下腺から出る唾液にはパロチンという肌を修復して若返らせるホルモンが含まれているので、恥ずかしがらずぜひ大きく舌を出して行ってください」

 

1. 4本の指でこめかみを押さえる。

↑「4本指で、こめかみの少し下からななめ後ろに向かって、フェイスラインを引き上げるようにします」

 

2. 手の重さで頭を倒すようにして舌を出す。

↑「手の重さを使って首筋を伸ばし、舌を出して息を吐きましょう。舌を出したまま、鼻から吸って口から吐く呼吸を5回繰り返します」

 

【耳をリラックスさせる】「ゾウの耳」のポーズ

次に紹介するのは、耳全体をリラックスさせるエクササイズです。「耳は、ひっぱったり回したりすることで、自律神経を整える効果があります。また、一日の疲れや頭痛、顔のむくみも解消しますので、リラックスできるお風呂で行うのがおすすめです」

 

1. 耳の上を引っ張る。

↑「耳の上をななめ上に引っ張り、頭蓋骨から剥がすようにします」

 

2. 耳の真ん中を引っ張る。

↑「耳の真ん中に指を入れて、ななめ後ろに引っ張ります」

 

3. 耳の下を引っ張る。

↑「耳たぶを下向きに引っ張ります。最後に大きく円を描くように耳を回しましょう」

 

【instant pick me up】「眉上げ」のポーズ

最後に、メンタルを整えるエクササイズを紹介しましょう。顔全体に張り巡らされている前頭筋を引き上げて、目をパッチリ大きくし、目元のシワやたるみの改善になるエクササイズです。「こちらも3セット行いますが、その都度、プラスの言葉を言ってみてください。はじめは言えずに心の中だけで唱えるのでも構いません。毎朝起きたら、あるいはメイクの前などに行ってみてください」

 

1. 両方の4本指を眉の上に置く。

↑「指を揃え、指の腹で眉の上にある皺眉筋を引っかけるようにします」

 

2. 目を細める。

↑「目を細め、指を生え際に向かって滑らせていきます。おでこのシワを伸ばすように引っ張っていきましょう」

 

3. 生え際に指を押し込む。

↑「指を生え際まで滑らせたら、ぐっと押し込むようにして目をパッチリ見開きます。このとき、眉を上げてしまわないように気をつけましょう」

 

4. リンパを流しながらプラスの言葉を言う。

↑「そのまま手で後頭部を撫でながら耳の下を通り、首筋のリンパを流すように鎖骨まで滑らせます。このとき口はポカンと開けて緩め、ため息をつくように息を吐きます。3回繰り返し、息を吐くときにプラスの言葉を言うようにしましょう」

 

エクササイズを続けるのはなかなか難しいものですが、“メイクの前に必ず行う”“お風呂に入ったらする”と決めてルーティンに取り入れてしまうと、案外忘れずできるもの。日常のスケジュールに入れて続けてみてくださいね。

 

【プロフィール】

ヨガ講師・フェイシャルアドバイザー / 高津文美子

2005年「フェイシャルヨガ」を世界で初めて提唱。テレビ番組に取り上げられるなど日本で大ブームを巻き起こしたのち、2009年結婚を機に渡米。現在はアメリカにて講師として活動している。英語でのオンラインレッンをメインとし、世界中の人が参加し好評を博している。

FACE YOGA METHOD https://faceyogamethod.com/

モデル=顔ヨガ・フェイシャルヨガ・アドバンスインストラクター / 稲垣良子
https://www.instagram.com/ryoko.inagaki