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照明器具
2017/3/9 15:00

上下2方向に照らすメリットとは何か? ダイソン28万円のLED照明が作り出す新たな空間

羽のない扇風機やドライヤーなど、家電の常識を打ち破ってきたダイソンが今度はオフィス用照明でユニークな新製品を発表しました。それが「Cu-Beam Duo(キュービームデュオ)」です。ダウンライトとアップライトをドッキングして利用シーンごとに照らし方を変えられるほか、独自の冷却技術で18万時間の長寿命化を実現しました。価格は28万円(税別)で、発売は3月6日から。同日、ダイソンの創業者、ジェームズ・ダイソン氏の長男であり、ダイソンのチーフエンジニアであるジェイク・ダイソン氏が来日し、新製品のお披露目会が開催されました。

↑「Cu-Beam Duo」の重量は3.24kg。シルバー、ブラック、ホワイトの3色を用意している
↑「Cu-Beam Duo」の重量は3.24kg。シルバー、ブラック、ホワイトの3色を用意しています

 

「多くの照明メーカーは、長寿命化のためにLEDを冷やすべきという事実を無視している」とジェイク・ダイソン氏
↑「多くの照明メーカーは、長寿命化のためにLEDを冷やすべきという事実を無視している」とジェイク・ダイソン氏

 

間接光と直接光の組み合わせで目にも優しい

「Cu-Beam Duo」はサスペンド型(吊り下げ型)LED照明器具で、中央部の上下にLEDチップとレンズを一組ずつ搭載し、上下方向に強力な明かりを照射します。アップライトは天井から下方40cmの距離に取り付けた場合で4mの範囲に色落温度4000Kで最大733ルクスを、ダウンライトはテーブルから1.3m上方に取り付けた場合に3.2×1.6mのエリアに色温度4000Kで最大722ルクスの光を照射します。さらに、ダウンライトには下方向に光を遮るとともに上方向に反射させる手動式シャッター「Ricochet(リコシェ)」テクノロジーを搭載しています。

 

「本機は、天井に向けた強力な間接照明で空間全体を照らし、下方向への直接照明で精密な作業をサポートする。リコシェテクノロジーにより、光をトリミングして細かい作業をしやすくしたり、不要なダウンライトをアップライトに変更して空間全体をより明るくしたりすることも可能。また、光をコントロールすることで、プロジェクターを使用する場合はスクリーン面に光が当たらないようにして見やすくすることもでき、眩しさを軽減することもできる」と、ダイソン氏は説明しました。

↑LEDチップとレンズを上下に2セット搭載することで間接照明と直接照明を同時に使えます
↑LEDチップとレンズを上下に2セット搭載することで間接照明と直接照明を同時に使えます

 

↑天井方向、テーブル方向ともに7300ルーメンの強力な明かりを照射
↑天井方向、テーブル方向ともに7300ルーメンの強力な明かりを照射

 

↑ダウンライト下に搭載した「Ricochet(リコシエ)」。手動で四方向にスライドして光源を広げたり狭めたりする
↑ダウンライト下に搭載した「Ricochet(リコシェ)」。手動で四方向にスライドして光源を広げたり狭めたりできます

 

↑「Ricochet」を広げた場合(左)と「Ricochet」を狭めた場合(右)
↑「Ricochet」を広げた場合(左)と「Ricochet」を狭めた場合(右)

 

↑明るさを上下別にコントロールできるので、ホワイトボードに明かりが映り込まずに見やすくなる
↑上下の明るさをコントロール可能。下方向の明かりを調整すれば、ホワイトボードに明かりが映り込むこともありません

 

冷凍庫は搭載できないので銅管を使った

「Cu-Beam Duo」は、一見すると長細い蛍光灯スタイルに見えますが、光源は中央部分だけ。では左右に伸びた部位は何なのかというと、ここに長寿命化を支えるテクノロジーが詰まっているとのことです。「LEDの寿命を伸ばすためには、できるだけ冷やすこと」とダイソン氏。「しかし、冷凍庫を天井から吊り下げるわけにはいかない。そこで、ノートパソコンのヒートパイプによる冷却システムに注目した」。

↑ノートパソコンの冷却システムにインスピレーションを得たとのこと
↑ノートパソコンの冷却システムにインスピレーションを得たとのこと

 

そんなノートパソコンからヒントを得て、本機に搭載された冷却システムが「ヒートパイプテクノロジー」。左右のウィングの中にはそれぞれ3本ずつ、合計6本の真空密閉された銅管が搭載されています。銅管の中には少量の水が入っており、ライトのスイッチが入るとLEDの熱で水が水蒸気に変化し、銅管の中を移動。銅管の冷たい部分に到達した蒸気は凝縮して水に戻り、その際、熱エネルギーはウィングに搭載されたアルミニウム製フィンから外部に放熱されます。凝縮した水は再度LEDの方へと戻り、冷却サイクルが再開される、という仕組みです。「これによりLEDの温度を45℃に保つことが可能になり、18万時間の長寿命化を実現した、これはフルパワーで使っても約37年間使用できることになる」。

↑6本のヒートパイプがLEDを冷却して寿命を伸ばします
↑6本のヒートパイプがLEDを冷却することで、長寿命を実現

 

↑ヒートパイプ技術に使われている銅管をお湯に入れるとあっというまに熱くなりました。熱伝導性が高く、冷却効率が良いことが分かります
↑ヒートパイプテクノロジーに使われている銅管をお湯に入れるとあっというまに熱くなりました。熱伝導性が高く、冷却効率が良いことが分かります

 

Cu-Beamシリーズには上方向のみの光源を搭載した「Cu-Beam up-light」と、下方向のみの「Cu-Beam down-light」も用意しています。価格はともに25万円(税別)。

 

なお、「Cu-Beam Duo」はオフィス用ですが、家庭用としても使用できるとのこと。ただし、天井に電源板の設置が必要なうえ、取付金具が一般的な家庭用のものではないので、設計段階から検討する必要があります。インテリアに強いこだわりのある人は検討すべきですね。