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2017/8/25 20:59

“未来の眼”まで手に入れたら無敵じゃないか! ギネスも認めた長寿エアコン「霧ヶ峰」に衝撃の新機能

三菱電機は8月22日、ルームエアコン「霧ヶ峰」の2017年モデル新製品を発表。あわせて、同ブランドがギネス世界記録に公式認定されたことを受け、発表会の会場で公式認定証の贈呈式が行われました。ギネスに認定された内容は、「クロスエアファン(ラインフローファン)を採用したエアコンの最長寿ブランド」として。そんな歴史あるブランドの2017年モデルは、なんと「未来を予測する」新機能を搭載しているというではありませんか! 本稿では、歴史と未来の両方を感じることができた本発表会の様子を、新モデルの注目機能とともにお届けします。

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↑ギネスレコード協会のジャスティン・パターソン氏(左)と三菱電機静岡製作所の鈴木 聡所長(右)

 

50周年の節目にギネス認定

三菱電機は、霧ヶ峰ブランドとしては第2号機に当たる「MS-22RA」において、壁掛け型エアコンとして世界で初めてラインフローファンを搭載しました。ラインフローファンとは、円筒形の羽根で薄い板状の風が得られる形状のファンのこと。エアコン本体の薄型化に適していることから、瞬く間に業界のスタンダードとなり、現在に至るまで各社のエアコンで採用されています。

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↑ラインフローファンを初めて搭載した、1967年リリースの「MS-22RA」

 

今回のギネス世界記録の認定日は6月27日で、三菱電機の霧ヶ峰がクロスエアファン搭載エアコンとして最長の49年と258日を経過していると認定する内容です。ちなみに、霧ヶ峰の第1号機は1967年4月の発売。すなわち、2017年はちょうど50周年に当たります。

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↑会場の天井からぶら下げられていた、霧ヶ峰の50年の歴史を表した垂れ幕。50年間、毎年新製品をリリースしてきたとは驚きです

 

AIで未来の体感温度を予測して快適な室温を維持

そんな50周年の節目を向かえる霧ヶ峰の「FZシリーズ」と「Zシリーズ」の2017年モデルでは、室内の少し未来の体感温度を人工知能(AI)で予測する赤外線センサー「ムーブアイ mirA.I.(ミライ)」を新たに搭載しました。

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↑霧ヶ峰「FZシリーズ」(左)と「Zシリーズ」(右)

 

従来モデルでは、現在の室温の状況、人や家具、窓の位置、外気温度などをセンサーで読み取り、寒がりにも暑がりにも心地よい風を届けて快適な空間を作り出していました。しかし、同社のユーザー調査によるとユーザーがリモコンを使う頻度は依然として高く、せっかく快適な空間を作っても、その快適さを維持できていないことがわかりました。

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↑三菱電機はユーザーがエアコンの温度を変更する頻度から、快適さを維持できていないと分析

 

この問題を解消するために同社が取り組んだのが、AIを利用した住宅性能の解析と室温の変化の予測です。2017年モデルでは、エアコンを設置した部屋がどんな壁や床なのか、主に断熱性の観点から学習し、日々の室温の変化を先読み。ユーザーが暑さや寒さで不快感を覚える前に自動的に冷暖房することで、快適さが維持できるようになっています。

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↑室温が上がりそう、下がりそうという、少し先の不快要素を予測して、不快を抑制するよう運転します

 

例えば、従来モデルであれば、「日が沈んで部屋が寒くなってきたから、室内を温めよう」といったことは実現できていました。これに対してムーブアイ mirA.I.搭載の新モデルは、「もうすぐ日が沈んで部屋が寒くなるだろうから、その前に室内を温めはじめておこう」というように、後追いではなく先読みによる自動運転を実現したのです。

 

ムーブアイ mirA.I.は毎分1万8000枚もの熱画像データを取得して、独自のアルゴリズムで室内のどこがどのくらい温まりやすいか(あるいは温まりにくいか)を導き出します。天候の変化などで室内に急な変化があればすぐに計算し直し、常に30分程度未来の室内が快適になるように運転。さらに、データを蓄積するほど予測精度は向上します。

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↑ムーブアイ mirA.I.は、(1)現在の体感温度、(2)外気温・日射などの影響、(3)住宅性能(室温に影響する性能)の大きく3つを分析して、在室者の少し未来の体感温度を予測します

 

先読みのための学習には、導入から1~2週間程度の時間が必要とのことですが、ユーザーがこまめにリモコン操作しなくても、部屋を常に快適にキープしてくれるのはうれしいですね。

 

FZシリーズは“ギアチェンジ”で省エネ性能が向上

2015年モデル以来、2つのファンを備えたパーソナルツインフローを採用するフラッグシップのFZシリーズでは、さらに世界初の「Active Switch Compressor」を搭載し、ハイパワーと高効率化の両立を図っています。

 

これは、DCインバーター圧縮機で2種類のDCモーター結線を切り替えることで、冷暖房の開始直後のモーターを高回転させるハイパワー運転時と、設定温度に到達したあとのモーターを低回転に抑える安定運転時の両方で、効率の良い運転ができるというもの。自動車のギアチェンジのようなものと考えれば、少しイメージしやすいかもしれません。ムーブアイ mirA.I.による先読みと、このActive Switch Compressorより、省エネ性能は従来機と比べて約7%向上するそうです。

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↑室外機のスケルトンモデル。右下のDCインバーター圧縮機にActive Switch Compressorを搭載

 

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↑インバーター回路の自動切り替えにより、冷暖房開始直後のハイパワー運転時も、設定温度到達後の安定運転時も、両方とも効率の良い運転を実現

 

FZシリーズは容量4.0~9.0KWまで容量別で6機種、発売日は11月1日。価格はオープンで、実売想定価格は税別32万8000円前後(4.0KW)~44万8000円前後(9.0KW)。Zシリーズは容量2.2KW~9.0KWまで、容量別で12機種をラインアップして、発売日は12月中旬を予定(Zシリーズの9.0kWモデルのみ12月下旬発売予定)。こちらも価格はオープンで、実売想定価格は税別21万8000円(2.2KW)~39万8000円前後(9.0KW)となっています。

 

ギネスも認める長寿ブランドでありながら、たゆまぬ進化を続ける「霧ヶ峰」。これまでも画期的な機能で驚かせてくれましたが、今回の「人工知能による未来の体感温度の予測」は、我々にさらなる衝撃を与えるとともに、今後の同ブランドのさらなる発展を感じさせるものでした。この冬、エアコンを買い替える人は「ギネスにも載っている霧ヶ峰」、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか?