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炊飯器
2017/10/10 20:00

【炊飯器8項目テスト】象印はどう炊いてもご飯が「濃い」! 最上位モデル「極め炊き」試してわかった揺るぎない個性

本サイトでは、主要メーカーの炊飯器のなかでも特に人気の5機種を集め、徹底的に比較・検証した記事を連載してきました。今回は、なかでも炊飯器メーカーの老舗として知られる象印マホービンの最上位モデル「圧力IH炊飯ジャー『極め炊き』 “南部鉄器 極め羽釜” NW-AT10」に焦点を当て、そのテスト結果を振り返っていきます。他機種との比較検証の結果、特に本機のご飯には、抜きん出て強い個性があることが判明しました!

 

【テストしたモデルはコチラ】

発熱性・蓄熱性に優れた南部鉄器の羽釜を採用し大火力で炊き上げる

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象印

圧力IH炊飯ジャー『極め炊き』“南部鉄器 極め羽釜” NW-AT10

実売価格11万3450円

発熱性・蓄熱性に優れた南部鉄器の羽釜を内釜に使用した炊飯器。大きく伸びた羽根で側面ヒーターの熱を釜内に伝え、最大1450Wの大火力と1.5気圧の圧力炊飯でごはんをふっくらもちもちに炊き上げる。また、前回炊いたごはんの感想を入力することで、121通りのなかから好みの食感に近づける機能「わが家炊き」の炊き分け範囲を拡大。従来機種より固めに、よりもちもちに炊けるなど、幅広い食感に炊き分けられる。

SPEC●炊飯容量:0.5~5.5合●炊飯1回あたりの消費電力量:151wh●保温1時間あたりの消費電力量:17.1Wh●加熱方式:プレミアム対流●内釜:南部鉄器 極め羽釜●サイズ/質量:約W305×H245×D400mm/約11.5kg

 

象印

圧力IH炊飯ジャー『極め炊き』“南部鉄器 極め羽釜” NW-AT10

【テストその1 食感・味の傾向は?】

最も上質な炊飯ができるコースで炊き上げ、その香りや味、食感を比較しました。お米は岩手県産ひとめぼれ(無洗米)を使用。コシヒカリの強い味わいと、ササニシキのさっぱりした味の中間にあたる、バランスの取れた味のお米です。米は3合で炊飯。今回は機種の味の傾向を知るために、中庸(ふつう)の食感設定を選択しました。

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また、食感と食味は炊きたてに加え、冷やごはんと冷凍・再加熱したものについてもチェックしています。冷やごはんは、炊きたてをラップに包んでおにぎりにし、室温で5時間ほど冷ましたものを試食。冷凍ごはんは、炊きたてをラップに包んで冷凍庫で冷凍し、1日経ったものを電子レンジで温めました。

 

<炊き上がり>

香りが濃厚なうえ、甘みたっぷりでもちもちの食感

今回は通常の約1.5倍の時間をかけて炊飯する「熟成炊き」メニューで炊飯。マニュアルによると「じっくりと時間をかけて米の旨みを引き出す」炊き方だそうです。

 

約1時間30分後に炊きあがったごはんは、炊きたての香りが濃厚。ごはんの固さはやや柔らかめの仕上がりで、コシヒカリと比べると粘りが少ないお米を使っているにもかかわらず、もちもちした弾力が生まれています。お米の一粒一粒がうまみのもとである「おねば」をたっぷりまとっていますが、ベタつき感はなし。味は甘みたっぷりで、米本来のみずみずしさもほのかに感じられます。

↑おねばをしっかりまといつつ、透明感も感じられるごはんに炊き上がりました。水分をたっぷり吸収していますが、米の形が崩れる様子はありません↑おねばをしっかりまといつつ、透明感も感じられるごはんに炊き上がりました。水分をたっぷり吸収していますが、米の形が崩れる様子はありません

 

<冷やごはん(おにぎり)>

甘みが強く、もちもち食感をしっかりキープ

冷やごはんの甘みは5機種の中で一番強く、もちもちした食感が冷めてもしっかり保たれていました。食べ盛りのお子さんがいる家庭などでは、お弁当にすると食べ応えがありそう。ただし、ごはんが固くなることはありませんでしたが、ややベタつきが出ていました。

↑冷やごはん(おにぎり)。炊き立てごはんがまとっていたつやは、冷やごはんになってもしっかりキープされています。モチモチした弾力も相変わらずでした↑炊き立てごはんがまとっていたつやは、冷やごはんになってもしっかりキープされています。もちもちした弾力も相変わらずでした

 

<冷凍・再加熱>

炊きたてに近い食感が蘇るも、わずかにベタつきが

冷凍ごはんは、食感が固くなったり柔らかすぎたりすることもなく、炊きたてに近いもちもち感が蘇りました。ただし、冷やごはん同様、わずかにベタつきは感じられます。

↑冷凍・再加熱することで、ツヤも蘇っていました。冷やごはんでもそうでしたが、炊き立てよりつやの「コーティング感」が強まっている気もします。ちなみに、ほかの機種でもそうですが、写真のごはんの色が黄色いのは照明のせいで、実際の見た目では黄色くなった印象はありませんでした↑冷凍・再加熱することで、ツヤも蘇っていました。冷やごはんでもそうでしたが、炊き立てよりつやの「コーティング感」が強まっている気もします

 

象印

圧力IH炊飯ジャー『極め炊き』“南部鉄器 極め羽釜” NW-AT10

【テストその2 食感炊き分けの幅は?】

その炊飯器で「最もしゃっきり硬めの食感に炊き上げるモード」と、「もっとももちもちに炊き上げるモード」で炊飯。それぞれの食感の違いを見ることで、その機種が実現できる食感の幅を確認しました。

 

「しゃっきり」モードではもちもちの弾力の中にほどける食感が表れる

本機の食感炊き分けは、「しゃっきり/ややしゃっきり/ふつう/ややもちもち/もちもち/やわらか/よりやわらか」の7通りで行えます。今回はそのうち、「しゃっきり」と「もちもち」で炊いたごはんの食感を比較しました。

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まず「しゃっきり」モードで炊飯したごはんを試食しましたが、しゃっきり感は弱いと感じました。まだまだ「もちもち」と言っていいですが、ほろりとほどける食感が出てきたのが、このモードの特徴です。

↑「しゃっきり」モードでも、ごはんの表面にはおねばがたっぷりコーティング。つやつやと輝いています↑「しゃっきり」モードでも、ごはんの表面にはおねばがたっぷりコーティング。つやつやと輝いています

 

一方の「もちもち」モードでは、もちもち感が強いうえに、「柔らかさ」が出てきたと感じました。粘りも増して米粒同士がくっつくようになり始めています。甘みは相変わらず強く、噛むほどにどんどん甘くなっていきます。もっちり、ふっくら、柔らかい、そんなキーワードで表現される炊き上がりを好む人には魅力的なモードだと感じました。

↑米粒が水分を吸って、「ふつう」モード以上にパンパンに膨らんでいます。ごはんのつやもすごいです↑米粒が水分を吸って、「ふつう」モード以上にパンパンに膨らんでいます。ごはんのつやもかなりのもの

 

象印

圧力IH炊飯ジャー『極め炊き』“南部鉄器 極め羽釜” NW-AT10

【テストその3 少量炊飯の炊き上がりは?】

これまで同様、米は岩手県産ひとめぼれ(無洗米)を使用。米1合を標準(ふつう)の食感設定で炊飯し、3合炊きしたときのごはんの味・食感との違いをチェックしました。

 

硬めの食感になり、しゃっきり気味の食感に

3合で炊いた前回と同様、通常の約1.5倍の時間をかけて炊飯する「熟成炊き」メニューで炊飯。炊き立ての際のごはんの香りは、1合炊きでも豊かに香っています。ただし、3合で炊いた場合と比べて、多少硬めの食感に。粘り気も控えめになり、口の中でほどけるしゃっきり感が出てきました。同じ「熟成炊き」でも、かなり食感が変わったと感じます。

 

味に関しては、口の中で甘みの余韻が強く残り、またお米のみずみずしさもわずかに感じられました。

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↑米粒のそれぞれに、うまみ成分である「おねば」がしっかりコーティングされていて、つやつやと輝いています↑米粒のそれぞれに、うまみ成分である「おねば」がしっかりコーティングされていて、つやつやと輝いています

 

象印

圧力IH炊飯ジャー『極め炊き』“南部鉄器 極め羽釜” NW-AT10

【テストその4 保温性能は?】

最もオーソドックスなモードで、3合炊きしたごはんを24時間保温。炊飯6時間後の味と食感とニオイ、24時間後の味と食感とニオイをチェックしました。

 

6時間保温しても強い弾力と甘みは健在

本機の保温機能は、最適な温度制御で、ごはんの乾燥や変色を抑える「極め保温」と、少し高めの温度でごはんのニオイの発生を抑える「高め保温」の2種類。今回は「極め保温」で検証しました。

 

保温開始6時間後では、香りは弱くなりましたが、イヤなニオイはまったく発生していません。食感もそれほど変化がなく、甘みもたっぷり感じられますが、米のみずみずしさはさすがに少なくなりました。また、やや粘り気が増したとも感じました。

↑見た目はごはんのハリとつやがなくなってきた印象。だが、食べてみると味や食感の劣化はほとんど感じられませんでした↑見た目はごはんのハリとつやがなくなってきた印象。だが、食べてみると味や食感の劣化はほとんど感じられませんでした

 

保温24時間後では、ごはんにわずかにニオイが出てきたと感じました。お米もハリがなくなり、ベタッとした食感になっています。全体に柔らかい食感になってしまい、炊き立てと比べると劣化は顕著ですが、ごはんの甘みは依然として豊かでした。

↑ごはんのつやは幾分残っているものの、ハリがまったくなくなってしまいました。色も黄色味が出始めています↑ごはんのつやは幾分残っているものの、ハリがまったくなくなってしまいました。色も黄色味が出始めています

 

象印

圧力IH炊飯ジャー『極め炊き』“南部鉄器 極め羽釜” NW-AT10

【テストその5 操作性/メンテナンス性は?】

「操作性」に関しては、炊飯設定する際の液晶パネルの見やすさや、ボタン操作のしやすさをチェック。特に、目的の炊飯設定にするまでの工程に注目し、取扱説明書を見なくても炊飯設定がスムーズにできるかどうかを確かめました。「メンテナンス性」に関しては、炊飯後に洗うパーツの数や洗いやすさ、フレームに付いた汚れや露の拭き取りやすさをチェックしました。

 

<操作性>

大きく見やすい液晶パネルを採用し、選択可能なメニューだけ表示する

液晶パネルは5機種の中で最も大きい部類。バックライト式で見やすく、文字もはっきり表示されます。炊飯の設定は、「お米選択」ボタンと「メニュー選択」の左右ボタンを使って行います。「お米選択」ボタンは1回押すごとに「白米/無洗米/玄米」を切り替え。米の種類によって、選択できるメニューのみ表示されるのはわかりやすいです。

↑「お米選択」ボタンを押す前は、すべての炊飯モードが表示されます↑「お米選択」ボタンを押す前は、すべての炊飯モードが表示されます

 

20170926-s2 (29)↑写真は「玄米」「熟成」を選択したところで、実際は「玄米」と「熟成」の表示が点滅しています。「玄米」では、食感は「ふつう」のみ、その他の炊飯モードでは「熟成」「おかゆ」のみ選択できるので、表示もその3つだけになります

 

白米・無洗米では、食感は「しゃっきり/ややしゃっきり/ふつう/ややもちもち/もちもち/やわらか/よりやわらか」の7種類を選択可能です。例えば炊飯モードの「すしめし」を選ぶ場合、最初に「しゃっきり」が点滅していると、そこから「▶︎」ボタンを10回、「◀︎」ボタンでも10回押す必要があるのはやや面倒です。

 

本機独自の機能である「わが家炊き」には専用ボタンが用意され、スムーズに「わが家炊きメニュー」に移動できます(「わが家炊きメニュー」については「独自機能」の回で解説します)。

 

ちなみに、炊飯設定ではないのですが、本機にはオープンボタンのほかに、「CLOSE(クローズ)」ボタンが付いているのも特徴です。圧力式炊飯器の場合、ふたを手動で締めようとすると、かなり力を入れて押し込まなければならないので、このボタンがあるのは意外に便利です。

↑本体ふたの前側面にある「CLOSE(クローズ)」ボタン。炊飯器のふたが開いているときにこのボタンを押すと、ふたが自動で閉まります。力の弱い女性や年配の方は、これを押すことで確実にふたを締めることができます↑本体ふたの前側面にある「CLOSE(クローズ)」ボタン。炊飯器のふたが開いているときにこのボタンを押すと、ふたが自動で閉まります。力の弱い女性や年配の方は、これを押すことで確実にふたを締めることができます

 

<メンテナンス性>

内ぶたの調圧ボールや重い内釜がやや手入れの負担に

炊飯後に洗うパーツは内釜と「内ぶたセット」「うるおい二重内ぶた」の3つ。本機は蒸気口がふたと一体型なので、洗うパーツは少なめ。ただ、内ぶたセットの調圧ボールは汚れが詰まった場合、やや洗いにくいです。

↑写真左が内釜、写真右上が内ぶたセット、写真右下がうるおい二重ぶた↑写真左が内釜、写真右がうるおい二重内ぶたと内ぶた

 

↑調圧ボールは指で軽く動かして異物が付いていないか確認します。また、横の黒い突起(圧力調整装置)も指で軽く押して中に米粒などが詰まっていないか確認します。詰まっている場合は竹串などで取り除く必要があります↑調圧ボール(中央)は指で軽く動かして異物が付いていないか、また、左横の黒い突起(圧力調整装置)も指で軽く押して中に米粒などが詰まっていないか確認します。詰まっている場合は竹串などで取り除く必要があります

 

また、内釜は南部鉄器を使用しているせいで、他機種と比べてかなり重いです。洗うときはもちろん、炊飯前にご飯と水を入れて炊飯器にセットするときも、かなりの重量を感じます。

↑自宅のはかりで計測したところ、内釜の重さは1891gでした。他機種と比べて倍近く重いです↑自宅のはかりで計測したところ、内釜の重さは1891gで、かなり重いです

 

つゆ受け部はステンレス製で、汚れが拭き取りやすい一方、ふたの可動部や開閉フックの「受け」の部分がやや入り組んだ構造で、ここが汚れると掃除が面倒です。ただ、3合を炊いたときにはつゆ受け部につゆが垂れることはなかったので、さほど汚れることはないかもしれません。

↑写真ではややわかりにくいですが、つゆ受けのふた可動部付近がラウンドしていて、しかも可動部は凸凹しているので、汚れるとやや掃除しにくい印象です↑写真ではややわかりにくいですが、つゆ受けのふた可動部付近がラウンドしていて、しかも可動部が凸凹しているので、汚れるとやや掃除しにくい印象

 

象印

圧力IH炊飯ジャー『極め炊き』“南部鉄器 極め羽釜” NW-AT10

【テストその6 独自機能/設置性は?】

「独自機能」は各炊飯器に搭載されている、ごはんのおいしさにつながる独自の機能や技術、炊飯のバリエーションを広げる機能などをチェックします。また、使い勝手向上やお手入れの省手間につながる便利機能も見ていきます。

 

「設置性」に関しては、横幅と奥行き、重さを確認します。また、炊飯中の蒸気の出方もチェック。さらに、設置性を高める独自の工夫があれば、それもチェックしていきます。

 

<独自機能>

121種類から“わが家の好み”に合う食感に調整できる機能が唯一無二!

本機で最もユニークな機能は、炊飯器がその家庭の好みの食感を学習し、121通りのなかから最適な食感にチューニングする「わが家炊き」機能です。最新モデルでは食感炊き分けできるパターンは121通りと従来機種通りながら、よりもちもちやよりやわらかなど、炊き分けできる範囲が拡大しました。

↑「わが家炊き選択」ボタンを押すと、上の画面に切り替わり。毎回炊飯したあとに、炊き上がりの「硬さ」と「粘り」の評価を入力すると、次回炊飯時にその評価が反映されます。これを何回か繰り返すことで、段々好みの食感に近づきます↑「わが家炊き選択」ボタンを押すと、上の画面に切り替わります。毎回炊飯したあとに、炊き上がりの「かたさ」と「粘り」の評価を入力すると、次回の炊飯時にその評価が反映されます。これを何回か繰り返すことで、だんだんと好みの食感に近づく仕組み

 

また、炊飯メニューでの「しゃっきり」から「もちもち」までの5通りの食感に満足できない場合は、「しゃっきり」度合いをもう一段階上げたり、「もちもち」度合いをもう一段階上げる設定に変更することもできます。

↑トップ画面で「お米選択」ボタンを3秒以上押すと、モード切り替え画面に。左の数字を「2」に決定すると、もちもち度を変更できます。もちもち度は1〜-1で設定可能。「1」にするとさらにもちもち、「-1」にするとさらにしゃっきりになります。数字を変更すると「もちもち度選択メニュー」の全体がスライドします↑トップ画面で「お米選択」ボタンを3秒以上押すと、モード切り替え画面に。左の数字を「2」に決定すると、もちもち度を変更できます。もちもち度は1〜-1で設定可能。「1」にするとさらにもちもち、「-1」にするとさらにしゃっきりになります

 

本機に搭載の玄米メニューは、1.5気圧の高圧力、112℃の高温で加熱し、玄米が柔らかくもっちりした食感に炊き上がります。また、時間をかけた吸水で米のうまみを引き出す「熟成」メニューが「白米」だけでなく「玄米」でも利用可能。「熟成」メニューでは、玄米を活性化させ、アミノ酸の一種、ギャバ(ガンマ-アミノ酪酸)の量が約1.4倍に増加します。さらに、冷めてもごはんが硬くなりにくい「お弁当」モードも搭載しています。

↑「玄米」では「ふつう」「熟成」「おかゆ」の3種の炊飯メニューが選べます。「玄米 熟成」メニューは、「玄米 ふつう」メニューより、玄米ごはんがさらに柔らかく食べやすくなります↑「玄米」では「ふつう」「熟成」「おかゆ」の3種の炊飯メニューが選べます。「玄米 熟成」メニューは、「玄米 ふつう」メニューより、玄米ごはんがさらに柔らかく食べやすくなります

 

内釜には蓄熱性と発熱性の高い南部鉄器を採用。釜底だけでなく側面、ふたからも加熱し、広くて浅い釜の形状との組み合わせで、大火力が内釜全体にムラなく伝わります。鉄器ならではの「鉄器おこげ」や「湯の子」(おこげのおかゆ)も楽しめます。

↑釜底に2段階の角度を付けることで2方向の泡が発生。2種類の泡がぶつかることで複雑な対流が起き、米の一粒一粒にムラなく熱を伝えます↑南部鉄器を採用した内釜。釜底に2段階の角度を付けることで2方向の泡が発生し、これらがぶつかることで複雑な対流が起き、米の一粒一粒にムラなく熱を伝えます

 

また、前回の「操作性」チェックでも触れましたが、本機の外ぶたを手動で閉める際に、「カチッ」とロックがかかるまで押し込むのには、やや力が必要。しかし、本機はボタンを押すと自動で外ぶたが閉まる「スマートクローズ」機能が付いているので、年配の方が使う場合にはとても有用だと思います。

 

<設置性>

本体が大型でずしりと重いため設置場所の固定はマスト

本機の横幅は約30.5cmで奥行きは約40cmと他機種に比べてやや大型。本体重量も約11.5kgと最も重く、タイガーの最上位機種(JPX-102X)と比べても約4.1kgの差があります。実際に持ってみると、男性でも軽々とは持ち運べません。置き場所をしょっちゅう変えるのは、非力な女性や高齢者には難しそうです。

↑取っ手は付いていますが、本機を片手で持つのは大変。筆者はもう片方の手で底部を抱えて移動していました↑取っ手は付いていますが、本機を片手で持つのは大変。筆者はもう片方の手で底部を抱えて移動していました

 

また、炊飯中の最も火力が強い時間帯は、蒸気口から水蒸気が大量に噴出します。設置する際は上部に十分な空間がある場所を選ぶ必要があります(ちなみに、蒸気量を約80%カットする「蒸気セーブ」モードも搭載しています)。

 

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圧力IH炊飯ジャー『極め炊き』“南部鉄器 極め羽釜” NW-AT10

【テストのまとめ】

「ふっくらもっちり」食感が際立つ炊き上がり

ごはんの炊き上がりの特徴は、もちもちの弾力と豊かな甘み。「熟成」メニューで炊いた場合、炊き立ての香りが濃厚で、やや柔らかめに炊き上がりました。冷やごはんも冷凍ごはんを再加熱した場合も、もちもち食感をキープ。一方、1合を「熟成」メニューで炊いた場合、香りと甘みは豊かながら、やや粘りと弾力が少ない、硬めの食感になりました。

↑冷やごはん(おにぎり)。炊き立てごはんがまとっていたつやは、冷やごはんになってもしっかりキープされています。モチモチした弾力も相変わらずでした↑炊き立てごはんがまとっていたつやは、冷やごはんになってもしっかりキープされています。もちもちした弾力も相変わらずでした

 

本機の食感炊き分けは7通り。最も「しゃっきり」で炊くともちもち感を維持しつつ、ほどける食感が前に出てきます。最も「もちもち」で炊いた場合、粘り・弾力に加え、柔らかさが強まりました。さらに初期設定を変えると、「よりもちもち」「よりしゃっきり」の食感も可能です。

 

保温に関しては、ごはんの乾燥や変色を抑える「極め保温」を使用。保温6時間後では香りとみずみずしさは弱まりましたが、もちもちした食感と甘みは維持していました。

 

“わが家好み”のごはんに簡単に調整できる

本機の炊飯における独自機能は「わが家炊き」機能です。手動の食感炊き分けは7通りと、パナソニック(10通り・「少量」モード含む)や三菱電機(15通り)の最上位機種に比べるとやや物足りないですが、「わが家炊き」の場合、炊飯後にアンケートに答えることで、121通りの食感のなかから最適な食感に調整します。玄米をふっくらもっちりの食感に炊き上げる玄米の「熟成」メニューも搭載しています。

↑「わが家炊き選択」ボタンを押すと、上の画面に切り替わり。毎回炊飯したあとに、炊き上がりの「硬さ」と「粘り」の評価を入力すると、次回炊飯時にその評価が反映されます。これを何回か繰り返すことで、段々好みの食感に近づきます↑「わが家炊き選択」ボタンを押すと、上の画面に切り替わります。毎回炊飯したあとに、炊き上がりの「かたさ」と「粘り」の評価を入力すると、次回の炊飯時にその評価が反映されます。これを何回か繰り返すことで、段々好みの食感に近づく仕組み

 

ふたが自動で閉まる「スマートクローズ」機能が便利

操作性は、大型の液晶パネルに全炊飯メニューが表示されるのはわかりやすいですが、「進む/戻る」ボタンを何度も押してのメニュー選択はやや手間。メンテナンス性では、内釜がかなり重いのが難点で、本体も5機種のなかでは圧倒的に重く、持ち運びが大変でした。ちなみに、本機は炊飯器のふたを手で閉じる際に力を入れて押し込む必要があるため、ボタンを押すとふたが自動で閉まる「スマートクローズ」機能が搭載されているのが便利でした。

20170926-s2-27↑本体ふたの前側面にある「CLOSE(クローズ)」ボタン。炊飯器のふたが開いているときにこのボタンを押すと、ふたが自動で閉まります。力の弱い女性や年配の方は、これを押すことで確実にふたを締めることができます

 

上記をまとめると、以下の通りになります。

●とにかくもちもちの食感が好みの人。初期設定で最強の「もちもち」モードも選べる

●自分で食感設定を試行錯誤するのが面倒な人。「わが家炊き」機能で自分好みに調整可能

●玄米もふっくらもっちりに仕上げる。玄米で「熟成」メニューが利用可能

●その他、「スマートクローズ」機能はユニークだが実用性あり

 

家庭用炊飯器の中でもトップクラスの価格の本機。それだけに、最大級のもちもち食感、強い香り、たっぷりの甘みを引き出すことができます。「とにかく存在感のあるご飯が食べたい」という人には、ぴったりの炊飯器といえるでしょう。

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