家電
オーブン・レンジ
2017/11/10 6:00

「それはヘルシオだろ」と家電ライター総ツッコミ! シャープ「ヘルシオ グリエ」に追加された目玉機能とは?

シャープのウォーターオーブン専用機「ヘルシオ グリエ」。今回、これに電子レンジ機能を追加したモデル「ヘルシオ グリエレンジ AH-HR2(以下、ヘルシオ グリエレンジ)」が登場しました。価格は5万5000円前後(税別)で、発売日は2017年12月中旬です。

 

ここで「ん?」と来たアナタはなかなかの家電通。そう、ウォーターオーブンレンジ「ヘルシオ」から、レンジ機能を省いたものが「ヘルシオ グリエ」だったはず。それが改めてレンジ機能を備えたら、それは「ヘルシオ」なのでは……?? そんな疑問に答えるながら、新しいヘルシオ グリエレンジの魅力を紹介していきます!

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↑ヘルシオ グリエレンジ AH-HR2

 

初代「ヘルシオ グリエ」はシャープにとって「うれしい誤算」だった

過熱水蒸気で調理する「ヘルシオ グリエ AX-H1」が登場したのは、2016年10月、つまりちょうど一年前のこと。ヘルシオに搭載するものと同じエンジンを採用しながら、本体サイズはトースター並み。価格も4万5000円前後とリーズナブル(2017年11月現在では実売価格2万8580円とさらにお買い得)。

 

ちなみに、過熱水蒸気とは100℃以上に熱せられた水蒸気で、熱量が高く、短時間で食材の芯までしっかり温めることができ、冷えた揚げ物は外がサクサク、中はジューシーに仕上がります。また、余分な脂を落とす脱油作用があり、油を使わないノンフライ調理も可能。さらに食材の塩分を表面に移動させ、水とともに落とすなどの減塩効果もあると、まさにいいことづくめ。そんな過熱水蒸気での調理に興味はあるが、家にあるオーブンレンジの買い換えにはまだ早い……そんな人たちが、「これならちょうどいい!」と飛び付きました。

 

シャープにとってうれしい誤算だったのは、ユーザーの8割が毎日使用しており、調理だけでなくお惣菜の温めにも使っている人が多いと分かったこと。「電子レンジ機能もあれば良かった」という意見もユーザーアンケートに寄せられたそうです。どうやらレンジの買い替えで導入した人も少なくなかったようですね。

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そこで、2017年モデルでは、レンジ機能搭載モデル「ヘルシオ グリエレンジ AH-HR2」を追加。ブラッシュアップしたレンジなしモデル「ヘルシオ グリエ AX-H2」を加えた2機種の投入となりました。

↑左がレンジなしモデルの「AX-H2」。価格は4万円前後(税別)で、発売日は2017年11月30日。トビラの内側にガラスを装着してさっと拭きやすい仕様に変更されました。さらに、従来は別売での提供だったシリコンコーティングトレイが、標準で付属します
↑左の2台がレンジなしモデルの「AX-H2」。価格は4万円前後(税別)で、発売日は2017年11月30日。トビラの内側にガラスを装着してさっと拭きやすい仕様に変更されました。さらに、従来は別売での提供だったシリコンコーティングトレイが、標準で付属します。カラバリはレッドとホワイトの各2色

 

ヘルシオの高度な機能は搭載せず、「あたため」「解凍」のみを追加

ここで気になるのが、冒頭でも触れた「レンジ付きはヘルシオと何が違うの?」という部分。結論から言うと、電子レンジの「あたため」「解凍」を追加しただけで、ヘルシオの高度な機能は搭載しないということ。従来機では難しかったごはんや牛乳のあたため、お肉などの解凍が可能になりましたが、ヘルシオとはターゲットが異なり、使い勝手もかなり違います。

↑レンジ機能
↑レンジ機能は「オート」「500W」「600W」「解凍」から選択できます

 

↑ウォーターオーブン機能は水タンクに水をセットすれば、これも自動でONになり、火力は「弱:ふっくら」「中:サックリ」「強:こんがり」の三段階から選べます。このあたりの操作性は昨年モデルと同様です
↑ウォーターオーブン機能は水タンクに水をセットすれば、これも自動でONになり、火力は「弱:ふっくら」「中:サックリ」「強:こんがり」の三段階から選べます

 

ターゲットの違いでいえば、ヘルシオが減塩脱油で健康志向な料理をイチから作りたい人向けなのに対し、ヘルシオ グリエレンジは減塩脱油で健康志向ではあっても、温めやリクックを中心に利用したい人向けになっています。

 

機能面ではヘルシオには一番下位のモデルにも液晶が備わり、自動調理メニューを搭載しているのに対し、ヘルシオ グリエレンジでは液晶や自動調理メニューは搭載していません。もちろん、ヘルシオの上位機種が搭載する音声対話やIoTへの対応なども非対応。つまり、本機はヘルシオ グリエにいわゆる「チンする」機能をプラスしたモデルというわけです。

 

機能はシンプルになっていますが、そのぶん、操作性は迷いが少ない印象を受けました。トビラを開ければレンジとして自動的に電源がONになり、出力と時間をセットするだけ。庫内容量も「ヘルシオ グリエ」に比べて約1.7倍の大きさで、コンビニ弁当はもちろん、直径24㎝未満のお皿や高さ13cm未満のマグカップも入れることができます。このほか、ウォーターオーブンでトーストを焼く際などに便利なホーローの焼き網のほか、ウォーターオーブンとレンジのどちらでも利用できる白いセラミックトレイが付属するのも魅力。お手入れもしやすそうです。

↑ホーロー焼き網
↑付属のホーロー焼き網

 

中食派からスイーツ好きまで幅広いユーザーに刺さりそう!

ちなみにレンジ機能では、「チン!」という終了音を電子音で再現。「レンジの代名詞になった『チン』の音を初めて採用したのはシャープ。そこにこだわって敢えて『チン』と鳴るようにしました」(調理商品企画部 荒井修平 部長)。ちなみに、当時の「チン」は、実は自転車のベルの音を採用したもの。ちょっとしたトリビアですね。

 

なお、メディアを集めた説明会では、担当者が大阪土産で持参したりくろーおじさんの店のチーズケーキ(推定)やタマゴサンド、クロワッサン、コロッケ、鶏唐などを実際に温め直してみました。チーズケーキのカサがふっくらと高くなっているのが写真で分かりますでしょうか。味ですか? 言わずもがな、とろけるようでめちゃウマでしたよ!

チーズケーキ
↑温め直したチーズケーキはとろけるようなウマさ!

 

↑会場には本体の構造が見えるシースルーモデルも展示していました。過熱水蒸気のための水の流路やヒーターの配置が分かるようになっています
↑会場には本体の構造が見えるシースルーモデルも展示していました。過熱水蒸気のための水の流路やヒーターの配置が分かるようになっています

 

本機はお総菜やコンビニ弁当を自宅で食べる機会の多い中食派、多忙な独身者や単身赴任者、子離れして手間を軽減したいシニアをはじめ、幅広いユーザーに刺さるはず。今回、チーズケーキの温め直しに対応することも判明し、筆者のようなスイーツ好きにも見逃せないことがわかりました。冬ボーナス投入の候補として、クリスマスプレゼントの候補として、ぜひ注目してみてください!

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ヘルシオ グリエレンジ
AH-HR2
●価格:税別5万5000円前後●発売日:2017年12月中旬●サイズ/質量:W470×D405×H280mm/約13kg●庫内有効寸法:W265×D240×H130mm●定格消費電力(過熱水蒸気):1430W●定格消費電力(レンジ):1100W●加熱方式:過熱水蒸気 パワー3段階(弱・中・強)●レンジ出力:600W、500W、解凍200W相当●タイマー:15分

 

ヘルシオ グリエ
AX-H2
●価格:税別4万円前後●発売日:2017年11月30日●サイズ/質量:W412×D315×H218mm/約6.4kg●庫内有効寸法:W259×D230×H76mm●定格消費電力(過熱水蒸気):1410W●加熱方式:過熱水蒸気 パワー3段階(弱・中・強)●タイマー:15分