家電
2018/9/4 18:00

還元水素水生成器、なにそれ? と思って取材に行ったら、色々興味深かったのでレポート

還元水素水生成器(かんげん・すいそすい・せいせいき)って、聞いたことありますか? 家電ライターの仕事をしていても滅多に聞かない単語なのですが、8月18日と19日、二子玉川ライズで還元水素水生成器を体験できるイベントが開かれました。

 

しかも、このイベントを実施したのはパナソニック。実はパナソニックは還元水素水生成器を長年にわたって作り続けています。「パナって水機器も作ってるんですね!」という薄い知識のGetNavi web山田編集長を引き連れ、興味津々に行って見たところ、製品だけでなく、「水」についても意外に知らない情報に出合えました。そもそも、「水素水」という言葉にポジティブでない印象を持っている人もいるかもしれません。そのあたりの違いを含めて、還元水素水生成器を紹介していきましょう。

 

「水素水」と「還元水素水」の違い

今回のイベントは、二子玉川ライズの中央広場のスペースを使って、還元水素水と、生成器について体験するというものです。キッチンや洗面台などのスペースが用意され、還元水素水の仕組みを理解することができます。

↑コーナーをまわってクイズに答えていくというシステム

 

還元水素水を簡単に説明すると、「電気分解で作られた水素が入っているアルカリ性の水」のこと。還元水素水生成器は、まず水道水をろ過して濁りやカルキ臭などを取り除いた浄水をつくり、浄水を電気分解して還元水素水をつくります。

 

さて、最近はコンビニなどでも「水素水」の名前がついたドリンクなどが市販されています。それとはどのような違いがあるのでしょうか?

 

一般的な水素水は中性の水に水素を圧力をかけて入れています。還元水素水はアルカリ性なので、そもそも水の種類が違います」と教えてくれたのは、パナソニックで水機器の商品企画を担当する小林さん。ちなみに、日本の薬機法では、本商品で作られた還元水素水は、飲用することで「胃腸症状の改善」に有効とされています。

 

水素水と還元水素水はそもそものところで違うものだったんですね。さて、水素水ブームは最近のこと。本機も登場したばかりかと思ってたら、実はパナソニックの還元水素水生成器は、アルカリイオン整水器として発売されてから25年以上もの歴史があるというのだから驚きです。先見の明がありますね。

↑本イベントでメインで扱われていた、最上位機種TK-HS92。高さ338×幅195×奥行142mmと蛇口横に置けるサイズ感

 

↑TK-HS92の電解槽モデル。7枚の電極を使って電気分解します。電極の枚数が多いほどパワフルに電気分解でき、最大約7L毎分で生成します

 

還元水素水の実力はまず、フレーバーウォーターに出る!

「せっかくだから試しに飲んでみませんか」と案内されたのは、還元水素水で作ったフレーバーウォーターの試飲コーナーです。

 

↑水にフルーツや野菜、ハーブを漬け込んで作るフレーバーウォーターを試飲しました。使用した水はもちろん、還元水素水

 

早速試飲したところ、同行したGetNavi webの山田佑樹編集長が「うまい!」と一言。

フレーバーウォーターって、味がうすーいものが多いじゃないですか。定食店によくあるレモンの輪切りを入れて、一応レモン風味になっているような。フルーツを漬け込んだだけだから仕方ないですが、ちょっと物足りないなって思ってたんですよ。でも、本機の還元水素水でつくったものは、フルーツの味がはっきり分かりますね。うまい!」と山田編集長は驚いた様子。

実は、還元水素水には抽出力が優れているという特徴があるため、ただフルーツを入れただけなのにしっかり味が引き出されていたというわけです。

 

前出の小林さんによれば、「水出しのコーヒーや紅茶も美味しくできますよ。試しに還元水素水を使って水出し紅茶を作ったところ、一般的には一晩かけて抽出するところ半日くらいでできました。茶葉の成分がよく抽出されるので味も濃くておいしいですよ」とのこと。これはコーヒー派、紅茶派には見逃せない話です。

 

8種類の水がつくれて、様々な用途に使えるマルチプレーヤーぶり

最上位機種のTK-HS92では、モードを切り替えるだけでpH3.0程度からpH約10.5 まで8種類の還元水素水がつくれます(注:還元水素水強1/還元水素水強2/弱酸性水/酸性水は、直接飲用しないでください)。

 

例えば、pH10.5の強いアルカリ性の水は、野菜のアク抜きに適しています。フキ、ゴボウ、タケノコなどアクの強い野菜の下ごしらえもはかどりますね。浄水もつくれるので、薬やミルクなどを飲む時のに最適。こちらも、切り替えればOKです。さらに、弱酸性の水もつくれるので、洗顔などに使うとよさそうですね。また、強い酸性の水は、食器や台所用品のつけ置きにつかうと茶渋などもキレイに落とせます

 

↑ゴボウのアク抜きの様子。短時間でアクが抜けるとのこと

 

↑お茶の抽出の比較です。還元水素水を入れたお茶はしっかり抽出されています

 

 

↑水道水と還元水素水を入れたボトルにクリップを入れて2年放置したもの。茶色はサビだそうです

 

 

↑画面が大きく、ディスプレイの色が変わるので、アルカリ性か酸性か飲料に適しているかが、直感的にわかります。水は見た目では違いがわからないので、こうした細かい配慮がうれしいですね。また、水素チャージボタンも用意。井戸水など電気分解しにくい水の時に使うのがオススメだそうです

 

↑据え置きタイプなら、設置は蛇口にとりつけるだけ。工事不要で買ってすぐに使えます(注:取り付ける前に、使用している水栓は要確認)

 

↑気になるコスト面(カートリッジ代・電気代・水道代目安)は、1L約3円(※)とのこと。2年ごとにカートリッジ(1万4095円/税抜)を交換する必要があります ※:本体価格を除く。標準流量2.5L/分、水道代0.25円/L、電気料金目安単価は27円/kWh、グリセロリン酸カルシウム使用にて計算)

 

計算してみたら10年使った場合、1日あたりの費用は約96円

還元水素水生成器というと、飲料の水だけなのかなと思っていたのですが想像以上に水の用途が豊富で関心しました。取材を終えた後、山田編集長が「還元水素水生成器、いいですね。欲しくなりました」というので理由は以下のとおり。

 

「ウォーターサーバーを設置したり、ミネラルウォーターの定期配達を利用したりしている人は、いま増えていると思います。でも、ウォーターサーバーだと予想以上に場所をとるし、ミネラルウォーターはペットボトルのゴミ捨てが手間ですよね。それに対して還元水素水生成器は、蛇口のそばの設置できるのであまりスペースをとりません。また、工事いらずで設置が簡単なのもいいですね。以前、食洗機を導入したときに、分岐水洗でちょっと苦労したので、設置の手軽さはプラスポイントです。かつ、水の用途も広いので、いろいろなシーンで活躍しそうです。健康のことを考えて水にこだわりたいなと思った時に、還元水素水生成器という選択はアリだと思います!」

 

実売価格は17万6310円なので、高額と思うかもしれませんが、水は毎日飲むもの。一般的な家電の使用年数を10年とした場合、本体・カートリッジ・水道代・電気代など併せて、1日あたり約96円。水にこだわりたいという方は、チェックしてみてはいかがでしょうか。家電量販店なら、浄水器売り場に展示してありますよ!

 

↑パナソニックの還元水素水生成器のラインナップ。ビルトインで取り付けられるモデルもありました(写真中央)