【検証のまとめ】
「肌へのやさしさ」は圧倒的で、深剃りもかなりの満足度
本機の一番の特徴は、やはりシェービング時の「肌へのやさしさ」。「ハイスピード」モードでわずかにひりつきが出たとはいえ、肌への負担の少なさは群を抜いています。「深剃り」に関しては、最初は物足りなさを感じましたが、ヘッドを「右回り」「左回り」の両方で動かしながら剃ると、かなり満足のいく深剃りになりました。また、肌の状態やヒゲの濃さに合わせて、シェーバーの回転スピードを3段階から選べるのもうれしい機能でした。
操作性では、グリップが細く、手の小さい人でも持ちやすいのが魅力。グリップのフォルムやラバーの質感も良好で手のひらにしっかりなじんでくれます。一方、手が大きい人は若干持て余すかもしれません。また、T字カミソリのように逆手で持っても安定してかつ動かしやすく、お風呂剃りしたい人には特にオススメです。
手軽かつスマートに充電できるワイヤレス充電台は導入の価値アリ
メンテナンス性に関しては、洗浄充電器が非搭載なぶん、面倒といえば面倒です。シェーバーユニットのホルダーを分解する作業も、慣れれば簡単とはいえ大変。ただ、洗浄充電器は洗面所でかなり場所を取りますから、設置場所に不安がある人は本機を選べば問題ないでしょう。
独自機能では、ヒゲトリマーが着脱式で、もみあげなどのケアがしやすいのは魅力。ただし、ヒゲの長さを揃えられる「コーム」が非搭載なので、細かいトリミングをするなら、別売のヒゲスタイラーアクセサリーを買うか、専用トリマーを別途買ったほうがいいかと思います。また、2つの電源ロック機能でシェーバーの誤動作が防げるのは、出張で持ち運ぶ際に安心。
一方、Qi対応による「置くだけ充電」は予想以上に快適でした。S9000 Prestigeには充電アダプタを接続するQi非対応モデルもありますが、実売価格差は5000円前後。充電の手軽さとスマートさに驚いた筆者は、「置くだけ充電」機能に5000円払うのも十分アリだと思います。
ただ「出張」を考えると、Qi対応充電器でしか充電できないのがやや不安。出張先のホテルに充電器を置き忘れそうなので、機能が重複してスマートではないですが、できれば電源コードを挿しての充電にも対応してくれればと思いました。
本機の「ヘッドをくるくる移動させながら剃る」スタイルは独特で、慣れるまでにやや時間がかかりますが、コツがつかめればかなり満足のいく深剃りができそう。肌が弱い人はもちろん、肌のひりつき軽減を最優先にしながらも、深剃りにはこだわりたい人、シェービング後はスマートに充電したい人にも、オススメできるアイテムです。
メインカット撮影/我妻慶一