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2019/6/17 19:30

「4合炊き」ってどういうこと? 評価高まる象印の「炎舞炊き」が不思議なモデルを出したワケ

「コンパクトさ」と「不安の解消」を両立するのが「4合」だった

ではなぜ小容量モデルを3~3.5合炊きではなく4合炊きにしたのか? 同社が着目したのは、3.5合炊きを購入した人のうち約60%が他の容量も検討している点です。実際は2合か3合しか炊かないにも関わらず、やはり5.5合炊きにしようか迷ったのは、まとめ炊きしたいときや来客時など、万一のときに「足りなくなるのが心配だから」。

 

それでも結局3.5合炊きを購入したのは、「コンパクトだから」。つまり容量に対する不安は残したまま、コンパクトさを優先して購入していることになります。同社はそこに潜在的ニーズを見出し、他社の3合炊きと同等サイズながら、4合を炊けるモデルを発売したというわけです。

↑3.5合炊きの同社の従来モデル(左)と比較してもほとんど変わらず、他メーカーの3合炊きよりコンパクトな場合も

 

4合炊きは2つの底IHヒーターをローテーション加熱

4合炊きの「炎舞炊き」は、基本的な思想は5.5合炊きを踏襲していますが、サイズが異なることで、構造や仕様が異なる部分もあります。

 

例えばローテーション加熱する底IHヒーターは、3つではなく2つに。とはいえ、それでも同社従来品に比べて単位面積当たり約4倍以上の大火力を実現しています。内釜も炎舞炊きのために開発された「豪炎かまど釜」を採用。また、前回食べたごはんの感想をアンケートに回答するだけで炊き方を微調整し、好みの触感に炊き上げる「わが家炊き」メニューは、5.5合炊きが111通りであるのに対し、こちらは81通り。また、「蒸気口セットなし」「フラットトップパネル」「フラットフレーム」「フラット庫内」を採用するなど、本体自体もお手入れしやすいよう、素材や形状にこだわっています。

↑写真左が、4合炊きの炎舞炊き特有の底IHヒーター。2つが交互にローテーション加熱する

 

↑お手入れしやすいフラットフレーム

 

5.5合炊き、一升炊きの新モデルも登場

↑昨年発売された炎舞炊きから、さらに2%も甘味がアップしたという新モデル「NW-KB10/18」

 

なお、昨年発売した「炎舞炊き」をよりおいしく進化させた、5.5合炊きの「NW-KB10」(実売予想価格12万円前後・税抜)、一升炊きの「NW-KB18」(実売予想価格12万5000円前後・同)も6月21日に発売されます。カラーは、黒漆(くろうるし)と雪白(ゆきじろ)の2色。進化ポイントは、ローテーション加熱時間の変更。従来モデルは、“中ぱっぱ”工程と呼ばれる加熱時間に、3つのIHヒーターを10秒ごとにローテーション加熱していましたが、研究の結果、沸騰直前ではより速くローテーション加熱したほうが対流が促進されることがわかりました。そこで新モデルでは、最初は10秒ごとに、沸騰直前の高温状態では5秒ごとと、段階的に速くローテーション。その結果、甘味成分である還元糖が約2%アップしています。

↑高温となる沸騰直前で、10秒から5秒のローテーションに代わり、より激しい対流を起こす

 

なお、会場では、NW-ES07(4合炊き)とNW-KB10/18(5.5合・1升炊き)の試食も行われました。いずれもふっくら粒が大きく、甘みをしっかり感じられるおいしさ! NW-ES07は、小容量でも通常モデルと遜色なく、炎舞炊きならではの炊きあがりを味わうことができました。そのうえ、コンパクトかつ容量の不安も少ないとあって、少人数世帯には見逃せないモデルとなりそうです。

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