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2019/10/15 18:45

ダイキンの「野望」は無謀じゃない! 高級エアコンの代名詞「うるるとさらら」を拡充した大きな狙い

フラッグシップモデルは上下に幅広い風でやさしく暖める

一方、フラッグシップの「うるさらX」Rシリーズも11月1日に発売します。2.2kW~9.0kWまでの10機種をラインアップし、店頭想定価格は2.2kW(主に6畳用)が24万円前後、4.0kW(主に14畳用)が31万円前後(税別)となります。

↑「うるさらX」Rシリーズ

 

↑「うるさらX」Rシリーズはフルラインアップで発売。室内機の外寸は幅798×高さ295×奥行き370mm

 

Mシリーズとの大きな違いは「AI快適自動運転」の搭載です。人・床・壁センサーを搭載し、壁・床の温度を検知・推測し、過去の運転内容(ユーザーの好み)を参考にしながら自動的に温度・湿度をコントロールします。

 

新機能としては、暖房運転開始時の風の吹き出し方法を変更して快適性をアップしたこと。従来は暖房風をエアコンから垂直に降ろすことで足元暖房を強化していましたが、新製品は上下2つのフラップに気流を沿わせるダブルコアンダ気流で上下に幅広い風を作り、足元から上半身までムラなくやさしく暖める暖房を実現しました。これにより、部屋を暖めるスピードは維持しながら、体感風速は70%も低減したとのことです。

↑人・床・壁センサーで壁と床の温度を検知し、過去の運転状況から学習したユーザーの好みの温度・湿度情報をかけ合わせ、それぞれの家庭にあった快適な空調に自動でコントロールします

 

↑Rシリーズでは、より広範囲にムラなく、それでいて身体に負荷のかからない暖房を実現しました

 

Mシリーズと同様に「水内部クリーン」も搭載します。こちらは「うるるとさらら」の無給水加湿技術を応用し、屋外の大気から水分を集めて冬の時期にも熱交換器を水で洗浄するものです。さらに、新機能として「水de脱臭」機能も搭載しました。こちらは室内に放出した加湿水分がカーテンや壁紙に付着することでニオイ成分を押し出し、それをエアコンが回収してプラズマ放電のストリーマで脱臭するというもの。このほか、Mシリーズにも搭載する快眠機能も搭載します。

↑無給水加湿技術を応用した「水内部クリーン」で冬でも大量の水で熱交換器を洗浄します

 

↑「水内部クリーン」のデモ映像。外気温16℃、湿度52%の環境で1Lの水を生成しているのが分かります

 

↑水内部クリーンに加えて、プラズマ放電によるストリーマ除菌、送風乾燥、加熱乾燥など複数の内部クリーン技術でエアコン内部を清潔に保ちます。水内部クリーンは加湿水の生成に時間がかかるため、不在時に運転することを推奨。そのため、ユーザーが自分のタイミングで運転できるよう、あえて手動設定としました

 

空気清浄機とオフィス用エアコンにも「うるるとさらら」を投入

ダイキンでは今回、エアコンと連動する4in1型「うるるとさらら空気清浄機 MCZ70W」と、ビル用の天井カセット型エアコンで初めて無給水加湿技術を搭載した「うるるとさららZEAS(ジアス)」も発表しました。

↑除湿・加湿・集塵・脱臭が1台でできる「うるるとさらら空気清浄機」は11月1日発売で店頭想定価格は14万円前後(税別)

 

↑おまかせ運転を選ぶと4つの運転を自動でコントロールするほか、ダイキンのエアコンと連動して自動的に除湿・加湿運転するアシスト機能も搭載

 

↑「うるるとさららZEAS」は既存の天井カセット型エアコンに「うるるユニット」を追加することで利用できます。2020年発売予定で、希望小売価格は45万5000円(税別)

 

↑無給水加湿ユニットの「うるるユニット」

 

このように、「うるるとさらら」を拡充するのには大きな狙いがあります。それは、国内家庭用エアコン市場でトップシェアを獲得すること。現在、ダイキンは国内2位の位置におり、トップのパナソニックに肉薄している状況とのことです。ダイキンはもともと高級ゾーンのシェアは高いのですが、「うるるとさらら」をミドルゾーンにも拡充してシェアを獲得し、トータルでトップを狙う算段です。空気清浄機と業務用エアコンに「うるるとさらら」の名前を冠したのも、知名度を上げるためのもの。ダイキンの野望は決して無謀なものではなく、早ければ2020年にもその結果が見えそうな予感がします。

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