焼肉と焼き鳥……両者とも日本中で愛される定番料理です。「今どっちが食べたいかを選んでください」と言われても、両方とも好きすぎて決めらない! という方も多いはず。それなら、同時に食べちゃえばいいんじゃない? …そんな壮大(?)な夢を自宅にいながらにして実現してくれるのが、サンコーの「自動回転焼き鳥&焼肉プレート 焼き物大将」(実売価格5980円)です。“肉食系”の夢が詰まった本機を、実際に使用してレビューしていきましょう!
ひとつのヒーターを挟み、上はホットプレート、下は串焼き機として使える
本体サイズは、高さ145×幅322×奥行き215mmと非常にコンパクト。卓上でもスペースを取らないサイズ感です。セット内容は本体のほか、焼肉用プレート、串5本、そして円筒形のアタッチメントが入っています。
「焼き物大将」の最大の特徴は、ひとつのヒーターをはさんで、上は焼肉ができるホットプレートとして、下は食材を刺した串を焼き上げる串焼き機として利用できること。これまでありそうでなかった、斬新な発想力はさすが家電業界の奇才、サンコーです。
串焼きがムラなく焼けて煙が出にくいのがポイント
串焼きは、付属の串を最大5本までセットすることができます。スイッチを入れると、串が回転するようになっていて、全体をムラなく焼き上げることができます。
火力は3段階の調節が可能で、最大で260℃。一般的なホットプレートに引けを取らない高火力で、食材をおいしく焼くことができます。
煙が出にくいのもポイント。グリル料理における煙のほとんどは、熱源に食材の油が落ちることで発生しますが、本機はヒーターに油が落ちない構造になっているので、煙がほとんど発生しません。自宅のダイニングなどで利用することを考えると、これはうれしいですね。
まずは焼き鳥をセット。肉は小さめにカットするのがベター
それでは実際に「焼き物大将」で、ふたつの焼き物の同時調理に挑戦してみましょう!
まずは下段の焼き鳥から準備。鶏肉を買ってきて、ひと口サイズにカットして串に刺していきます。今回用意したのは、ねぎま、レバー、砂肝、ハツなどの部位です。
鶏肉は少し小さめにカットすることを意識するといいでしょう。肉が大きいと隣の肉に干渉して、うまく自動回転してくれません。また、串の両端を本機にセットするため、先端まで肉を詰め込まず、若干スペースを開けるのがベター。
串をセットしたら火力調節ツマミを回し、串を回転させるスイッチをオンにすれば、調理スタートです。あとは待っているだけでOK。
少し食材が大きかったので不安でしたが、おおむね問題なく回転して、ジリジリと焼き始めました。ただし、今回用意した食材のなかで、身がやわらかいレバーは串だけが空回りしてしまい、食材がうまく回りませんでした。ある程度の固さがあって、串をしっかりホールドする食材を使う必要がありそうです。つくねなどのやわらかい食材も避けたほうがいいですね。
上段ではステーキや焼肉を焼いていく
焼き鳥が食べごろになるまである程度の時間がかかりそうなので、その間、上のプレートでいろいろなお肉を焼いてみます。
まずは大きなサイズのステーキから。本機の上にプレートをセットして油をひき、肉をのせて焼いていきます。
高火力のせいか、ステーキ肉をのせたら、早くもジューッという音といい香りが立ち昇ります。その下では焼き鳥がグルグルじわじわと回転。
ほどなくしてステーキが焼き上がりました。通常のホットプレートと同様、問題のない焼き上がり。続いては豚肉やラム肉なども焼いてみます。ステーキより肉の厚みがないぶん、さらにスピーディに焼けました。短時間でサッと焼けるので、水分やうまみが逃げず、ほどよくジューシー。通常のホットプレートと遜色ない使い心地です。
太いソーセージが放っておくだけでムラなく焼ける
ステーキと焼肉を食べている間に、いよいよ焼き鳥も完成。ヒーターとの距離や串の回転速度などもよく計算されていて、ふっくらとおいしい焼き加減に。こちらもかなりナイスな仕上がりです。
また、付属する円筒形のアタッチメントを使えば、ソーセージを焼けるようになります。アタッチメントがローラーのように回転することで、ソーセージも回転してまんべんなく焼き上がる仕組み。この機能、おまけみたいなものでしょ? と甘く見ていたのですが、なかなかどうして。想像以上に実用性がありました。フライパンやグリルでソーセージを焼くと一方が焦げてしまうものですが、これだと放っておくだけでまんべんなくキレイに焼けるんです。均一に火が入っているから、味のほうももちろん美味。意外に貴重な機能だと感じました。
ちなみに、調理後のお手入れもカンタン。調理して汚れる部分の多くは取り外して洗うことができるので、後片付けはラクで衛生的です。
同時調理ができるので時短につながり、パーティでも重宝しそう
今回試した「焼き物大将」、ホットプレートのヒーター裏面というまさかのデッドスペースを有効活用した発明的商品で、ネタとして面白いだけでなく、実用性もあると思いました。ふたつの調理を同時進行できるので、かなりの時短にもつながりそうです。今回用意した食材をひと通り食べ終わっても1時間程度しか経っておらず、「あれ、まだこんな時間?」という印象でした。ただ、惜しいと思ったのは、「ホットプレートのコーティングが弱い」と感じたこと。食材が焦げ付きやすく、これだと耐久性もそこまで期待はできないのでは……と感じました。価格をもう少し高くしてでも、ここを改善してほしかったです。
このほか、本機は調理できる量が多いのがうれしいところ。以前紹介した「自家製焼き鳥メーカー」や「卓上ひとり焼肉プレート」もよかったですが、こちらは焼肉と焼き鳥が同時にできるハイブリッド仕様。2種類のおつまみが目の前でできるので、お酒好きには最適ですね。サイズ的にはおひとり様がメインですが、焼ける量が増えているので2~3人で使ってもじゅうぶん楽しめるはず。パーティ用として使うのもオススメです。
5980円という価格もうれしい限り。仕事や勉強で忙しいおひとり様、ホームパーティに変化球がほしい人は、ぜひ「焼き物大将」で、充実した焼き物ライフをお楽しみください!
【ギャラリー】