家電
炊飯器
2020/11/12 18:30

アイリスオーヤマ炊飯器「米屋の旨み」安ウマのワケとは? オススメBEST3も紹介!

機能の充実と、それに伴う価格高騰が著しい炊飯器カテゴリにおいて、リーズナブルな価格で異彩を放っているのがアイリスオーヤマだ。シリーズ名「米屋の旨み」の由来や、斬新な銘柄量り炊き機能などの開発背景に迫る。

※こちらの記事は「GetNavi」 2020年10月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

この人に聞きました

アイリスオーヤマ 家電開発部マネージャー

河阪雅之さん

米を知るアイリスだからこそ作れる炊飯器を目指す

アイリスオーヤマの炊飯器事業が好調だ。2009年にスタートし、右肩上がりに成長を続ける家電事業のなかでも、炊飯器の売り上げは特に調子が良い。炊飯器の初号機を発売したのは、15年11月。アイリスオーヤマが炊飯器の開発から販売に乗り出した経緯について、家電開発部マネージャーの河阪雅之さんは次のように語る。

 

「当社は、東日本大震災をきっかけに東北農家の支援のため精米事業に参入しており、よりおいしいごはんを炊くノウハウとこだわりを持っていました。そこで“お米を知るアイリス”だからこそ作れる炊飯器を目指そうと考えたのです」

 

そんなアイリスの炊飯器の代名詞が「銘柄量り炊き」機能だ。これは米の量と銘柄に合わせて最適な水量を量るというもの。米は銘柄によっておいしく炊ける水量が驚くほど異なるのだという。

 

「米はわずかな水量の差が味に影響します。当社の調査で、実は多くの人が炊飯時に水の量を正しく量れていないことがわかりました。そこで水計量機能を開発することになり、さらに米の銘柄に合わせた水分量を計測し、それを加熱シーケンスに落とし込みました。31銘柄すべての水量をプログラム化するのは至難の業でしたね」

 

また、「分離式IH」も同社の炊飯器がブレイクするきっかけとなった機能。炊飯後に外釜を外せばIH調理器にもなるというアイデアは斬新で、まさにアイリスらしい“なるほど機能”だと評価された。

 

製品開発では常に「値ごろ感」を重視する

こうした先進的な機能を備えるアイリスの炊飯器は、低価格であることも特筆点だ。銘柄炊き分け機能搭載の炊飯器は10万円以上が一般的だが、同社製品は3万円台を実現している。

 

「低価格が可能なのは、最初に“値ごろ価格”を決めて製品を作るから。『いくらならお客様が買ってくださるか』を意見し合い、余分な機能は削いでいく。『この機能は入れたい』という要望も、それが価格に見合うかをまず考えます。合わないようであれば、商品化を見送ります」

 

さらに開発者は「自分ならいくらで買いたくなるか」という感覚も大事にしつつ、ユーザーの細かなニーズをキャッチアップしている。

 

「例えば銘柄量り炊き機能は、半端な米の量でもそれに合った水量を計算します。これは『水加減がうまくいかない』というユーザー目線から生まれたもので、実際に好評をいただいています」

 

「米屋が作る炊飯器」の気概で今後も製品開発に臨みたい

アイリスの炊飯器のラインナップは、大きく分けて「圧力IH式」「IH式」「マイコン式」「分離IH」の4つ。最新のIH式は8月発売の「ヘルシーサポート炊飯器」だ。

 

「最近はもち麦や雑穀米など、ヘルシーごはんのニーズも高まっています。それに対応したのが最新モデル。もち麦、発芽玄米、食物繊維米など9種類のヘルシーメニューを搭載しています」

 

ちなみに同社の炊飯器には「米屋の旨み」という名称が付く。精米事業も手掛けるアイリスオーヤマらしいキャッチコピーだ。

 

「米も炊飯器も作っているメーカーは珍しいので、そこはこれからもアピールしていきたいと考えています。今後もそういう気概を持って、製品開発に取り組んでいきます」

 

【Check!】いまや家電事業は全体売上の半分以上

元々家庭用プラスチック製品などを手掛けていたが、2009年に家電市場へ参入。他メーカーを退職した技術者などを積極登用し、低価格で斬新かつ実用的な製品を次々と開発。着実に売り上げを伸ばしている。

 

↑2009年の家電事業開始から、10年も経たずに売り上げの半分以上を占める成長を遂げた

 

アイリスオーヤマ炊飯器 開発の歩み

2013年 東日本大震災を機に精米事業に参入

アイリスの生鮮米 五銘柄食べ比べセット 1.5kg

実売価格1058円

本社のある宮城および東北の震災復興支援を目的に精米事業を開始。精米、保管などをすべて15℃以下で行う「低温製法」を導入し、米の鮮度を保つため小分けパックにする販売方法で売り上げを伸ばした。

 

2014年 炊飯器の開発をスタート

精米事業やパックごはんの製造・販売で得た知見を基に、ごはんをおいしく炊ける独自設計の製品を作るべく、炊飯器の開発を開始。大手家電メーカー出身の技術者を採用し、そのノウハウを基に開発を進めた。

 

2015年 炊飯器第1号RC-MA30-Bを発売

米屋の旨み 銘柄炊き RC-MA30-B

実売価格1万780円

11月に同社初の炊飯器が登場。実売価格1万円台のマイコン式3合炊きモデルながら、31銘柄の炊き分け機能を搭載しスマッシュヒットを記録した。「銘柄指定なしでもおいしく炊ける」との声も多かった。

 

2016年 業界初の分離式炊飯器がブランド確立のカギに

銘柄量り炊き IHジャー炊飯器 RC-IA30

実売価格3万2780円

銘柄炊き分け機能に、各銘柄に最適な水量の計測機能を追加。銘柄ごとのおいしさがより際立つようになった。IH部が独立して調理に使える仕様もウケて大ヒットし、炊飯器市場でのブランドを確立。

 

2017年 人気の分離式にヘルシー機能を追加

銘柄量り炊き IHジャー炊飯器 KRC-ID30-R

実売価格3万6080円

銘柄量り炊き、IH調理器機能に加え、ごはんのカロリーを表示する機能を搭載してヘルシー訴求。炊き分けできる米も31から40銘柄に増えた。

 

↑上部はおひつとして独立。最長2時間、約70℃の保温が可能だ。このような常識に囚われない仕様が人気に

 

↑下部は最大加熱1000WのIHヒーターとして使える。チーズフォンデュや鍋など家族で囲む料理に最適

 

2019年 集大成の最上位モデル! 正確な水量と圧力IH炊飯で米のおいしさを最大限に引き出す

アイリスオーヤマ

米屋の旨み 銘柄量り炊き 圧力IHジャー炊飯器KRC-PC50-B

実売価格3万8280円

同社の圧力IH炊飯器で初めて、最適な水量を教えてくれる「量り炊きモード」を搭載。重量センサーを搭載し、40種の銘柄ごとに最適な水量に調整することで、おいしさを最大限に引き上げる。丼、すし飯などの炊き分けモードも用意。

SPEC●炊飯容量:0.5〜5.5合●内釜:極厚銅釜●銘柄炊き分け:40銘柄●こだわり炊き分け:6モード●保温時間:12時間●サイズ/質量:約W265×H242×D382mm/約6.6kg

 

【安ウマのワケ】

↑各銘柄と特性が近い6種類の代表銘柄から選ぶ。こだわり炊き分けモードなども搭載

 

↑銘柄を選び、釜に米を入れて最適水量を計量。水が適量になると音で知らせてくれる

 

↑ふたと底のヒーターで内釜を全面加熱。1.25気圧/105℃で炊飯し、米の粘りと甘みを強める

 

<アイリスオーヤマ炊飯器オススメBEST3>

アイリスオーヤマは、現在多数の炊飯器を販売中。なかでもコスパの高さが際立つ同社のオススメ3機種を紹介する。

 

【第3位】低糖質メニューのほか多彩なヘルシー米炊飯機能を搭載

ヘルシーサポート炊飯器 IHRC-IJH50

実売価格1万6280円

通常炊飯に比べ糖質を最大約20%減らす「低糖質メニュー」を搭載。押し麦や玄米、雑穀米など9種類のヘルシーメニューも備える。極厚火釜とIH加熱で通常炊飯もふっくら美味。

 

【第2位】31銘柄の最適水量を見分けふっくら食感に炊き上げる

米屋の旨み 銘柄炊きIHジャー炊飯器RC-IE50-B

実売価格1万5488円

31銘柄の量り炊き機能を搭載した5.5合炊きのIH炊飯器。フタと釜底の上下のIH加熱と、IHと相性が良く熱伝導性も高い極厚火釜で、ごはんをムラなくふっくら炊き上げる。

 

【第1位】もちもち食感の圧力炊飯で銘柄量り炊きを楽しめる

米屋の旨み 銘柄量り炊き圧力IHジャー炊飯器KRC-PC50-B

実売価格3万8280円

圧力炊飯とIHの高火力により、冷めてもおいしいもちもち食感に。40種類の銘柄量り炊き機能、冷凍ごはんモードなどのこだわり炊き分け機能、ごはんのカロリー表示機能を搭載。

 

 

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