シンプルなデザインにレトロ感を同居させる「レコルト」から注目のコーヒーメーカーが登場しました。本記事では、希望小売価格が2万円(税別)と低価格ながら、高級モデル並の自由度の高さが特徴の同機を紹介。冬の巣ごもり、引き続く在宅ワークのドリンクのお供にぴったりの一台を解説していきます。
挽き目を4段階から選べるコンパクトなコーヒーメーカー
10月下旬に発売したコーヒーメーカー「RCD-1」は、設置スペースがB5サイズとほぼ同等とコンパクトながらも、豆から挽いてドリップまでできる全自動タイプ。
まず、コーヒー豆の挽いた時の粉の大きさである挽き目(粒度)は細挽き・中挽き・粗挽き・極粗挽きの大きく4段階から選べます。さらに、挽き目ダイヤルは無段階式なので、4段階の中でもさらに微調整が可能。
この細かな調節を可能にしたのが、コーン式ミルの採用です。円すい状のねじれた刃で豆を切り刻むコーン式は、粒度調節の精度が高く、挽き目はほぼ均一になるので雑味が少ないのが特徴。また、低速回転ながら短時間で挽けるため、熱によるコーヒーの劣化が少ないという利点もあります。
豆の量も調節可能。デフォルトは1杯分10gですが、10%ずつ2段階に増減できます。これにより、細挽き/豆の量+2にすればどっしりとした味わいに、極細挽き/豆の量-2にすればスッキリした味わいに、というように、挽き目の調節とかけ合わせることで、より細かく自分好みの味・コク・香りを探求することができるのです。
温度ムラと味ムラを防ぐ対流式のポットを採用
豆を挽いたあとに自動的にフィルターホルダー(ペーパーフィルター方式)に粉が落ちて抽出が始まり、最初に蒸らし行程が入ります。一定量のお湯が出たらストップ。このとき、設定したカップ数(1-4杯)によって蒸らしのためのお湯の量も自動的に調節します。蒸らしが終わったら抽出がスタート。
抽出されたコーヒーをためるポットには、対流式のガラスポットを採用しています。これは、抽出されたコーヒーが上から落ちる間に空気に触れて温度が下がり、ポットの中でコーヒーの味と温度にムラができるのを防ぐため。対流式ポットだと、ポットのふたの中央の細長い管を通ってコーヒーが底に向かうことで温度が下がりにくくなり、さらに、底部のヒーターで温めることでポット内部に対流を起こし、コーヒーの温度ムラと味ムラを防ぐという仕組みです。
試飲会では、RCD-1で淹れた細挽きと極粗挽きの両極端な2杯が用意されており、これを試すことができました。細挽きは香りが強く、口に含むと苦味がガツンと来ます。のどを伝う濃厚なコクとともに鼻孔に抜けるアロマを感じると、深い充足感に満たされます。一方、極粗挽きは対極的で、香りは淡く、口当たりがよくてのどごしも良好。スッキリとした味わいは、朝食後の一杯に飲みたいところ。これは、どちらもイイですね!
豆の劣化を抑えるためにも、全自動モデルは理にかなっている
試飲会にはプレゼンターとして、東京都大田区蒲田でスペシャルティコーヒー専門店「マメーズ焙煎工房」を構える椎名 香店主が登場。全自動モデルが理にかなっているということを、次のように力説しました。
「コーヒーの味を決める要素は大きく3つ。豆の種類、焙煎の度合い、そして抽出方法です。実は焙煎と抽出の間にもう一つあります。それは時間。焙煎からどのくらい時間が経っているか、豆を挽いてからどのくらい時間が経っているかによって味は変化します。コーヒー豆は加熱調理なので、調理後にはどんどん劣化、酸化していきます。挽き肉と同じで、挽いた豆は特に劣化が早い。つまり、焙煎後になるべく時間をおかず、挽いたらすぐに飲むのが最も美味しく飲む方法なのです」(椎名さん)
「RCD-1は、細かい調整もできて、誰でも簡単に美味しいコーヒーに出会えるマシンです。コーヒーは、挽き目でも大きく味が変わります。RCD-1は低価格にもかかわらず、無段階の挽き目調節に加えて豆の量も調節でき、自分の味を追求できる楽しさがある。また、コーヒーマシンの稼働中は熱をもつので、ホッパー(コーヒー豆を入れる容器)に豆を入れっぱなしではどんどん劣化して美味しくなくなります。だから、ホッパーには1日で飲みきれる量を入れるべき。その点、ホッパーの容量が60gと少ないのも理にかなっていますね」(椎名さん)
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