家電
オーブン・レンジ
2021/10/7 18:00

最新レンジが「町中華」に追いついた!? 野菜のシャキシャキ感が違う日立「ヘルシーシェフ」の進化をレポート

日立グローバルライフソリューションズは過熱水蒸気オーブンレンジの新製品「ヘルシーシェフ MRO-W10Z」を10月9日に発売します。今回は、そのオンライン説明会をレポート。新製品のMRO-W10Zはコロナ禍における健康食ブームを背景に新たに野菜メニューを増やしたほか、大型カラータッチ液晶画面の採用で使い勝手も改善しました。予想実売価格は15万1800円(税込)となります。

↑過熱水蒸気オーブンレンジ「ヘルシーシェフ MRO-W10Z」。外形寸法:幅497×奥行き442×高さ375mm、質量:約18.0kg、総庫内容量:30L、レンジ最高出力:1000W、オーブン最高温度:300℃、レシピ数:315、オートメニュー数:268、年間消費電力量:70.5kWh/年

 

町中華のようなシャキシャキ食感を家庭用レンジで再現

日立が今年3月に実施した「食生活の変化」調査によると、「野菜を多く摂ることを心がける」が60%で最も多く、「食事は健康が大切だ」も50%弱と、長引く在宅生活による運動不足などを背景に健康食へのニーズが高まっていることが分かります。一方で、「献立に悩むことが多い」「料理はなるべく手作りしたい」も高い数値を示しており、食費の節約や安全志向で自炊はしたいものの、多くの人が毎日毎食の献立選びに苦労しているのが見て取れます。

↑「料理に時間をかけたくない」「塩分控えめを心がける」「食費はなるべく切り詰めたい」など、自炊に対してさまざまな悩みを抱えていることがわかる

 

そこで新製品の「ヘルシーシェフ MRO-W10Z」では、手間なく簡単に野菜が摂れる「野菜シャキシャキメニュー」を新たに追加しました。これまでは、家庭の電子レンジで野菜を調理すると水っぽく、しんなりとした残念な食感となり、町中華の野菜炒めのようなシャキシャキした食感にすることは困難でした。

 

その点、MRO-W10Zでは、赤外線センサーと重量センサーによるWスキャン方式により、食品エリアを特定し、集中的にセンシングしながら最大1000Wの大火力で素早く加熱。食品の温度上昇を集中的に見張ることで余分な加熱を防ぎ、野菜から水分の流出を抑えて町中華のように色鮮やかにシャキシャキとした食感に仕上げます。これにより加熱時間も短縮。例えば、チンジャオロウスーならば従来より約2分短い約5分、ホイコウロウも3分短い約5分で完成し、時短にもなるのです。

↑赤外線センサーで食品の表面温度をはかり、重量センサーで食品の重さをはかる「Wスキャン」により、食品の分量に合わせて加熱パワーと時間を自動コントロールします。これにより、オートメニューでもレシピ通りの分量でなくても自動的に最適な加熱が可能となります

 

↑Wスキャン技術により余分な加熱がなくなり、野菜から水分の流出を抑えることができます

 

野菜シャキシャキメニューは、チンジャオロウスー、ホイコウロウ、豚肉とピーマンのみそそぼろの定番3品のほか、クックパッドの人気メニューが3品、キッコーマンの人気メニューが2品、合計8メニューが搭載されています。

↑野菜シャキシャキメニューは全部で8つ

 

在宅時間を有効に使う時短省手間メニューが充実

ヘルシーシェフは従来より、軽くて扱いやすい耐熱プラスチックボウルに対応していますが、これまでは調理前に手動でプラボウルか耐熱ガラスボウルかを選択する必要がありました。というのも、プラスチックとガラスでは熱伝導率が異なるため、加熱時間が変わってくるからです。新製品ではWスキャンで容器を含む食材の重さと温度上昇速度から容器の材質を自動で判別する機能を搭載しています。これにより、簡単プラボウルメニューを使う時のひと手間が省けるとともに、設定のし忘れによる失敗が防げます。

↑耐熱プラボウルを自動判別するようになり、時短メニューの簡単プラボウルメニューがより使いやすくなりました

 

Wスキャンという日立独自のセンシング技術により、レシピ集に記載されている「1回で作れる分量」の範囲内なら、細かいことを気にすることなく分量任せ・火加減任せで簡単に調理できるのがヘルシーシェフの特徴。今回は、この機能を使った時短・省手間メニューがさらに充実しました。1つは、「最短1分スピードメニュー」。材料をプラボウルに入れるだけで、分量に合わせて自動的に加熱時間を1分から10分以内で調整するので、あともう1品ほしいときに少量からでも簡単に作れます。今回、クックパッドのレシピが5品、カゴメが1品、キューピーが2品の合計8メニューが追加されました。

↑副菜づくりに最適な「最短1分スピードメニュー」8つを新たに搭載

 

もう1つが「冷凍から焼き物」。週末にまとめて作った惣菜を冷凍しておけば、食べたい時に食べたい分を加熱するだけで出来たてのような味と食感が楽しめます。タンドリーチキンや野菜の肉巻きなど19メニューを搭載。

↑まとめて作ってまとめて冷凍した自家製惣菜を、冷凍のまま加熱してOK。いつでも好きな時に出来たてを味わえます

 

また、スマートフォンと連携して新しいレシピをどんどん追加するコネクテッド機能も搭載していますが、従来は小さなモノクロ液晶だったため表示数が少なく、検索性は決して良いとは言えませんでした。新製品では5インチのカラー液晶を搭載し、色違いのアイコンを多用して見やすく探しやすいメニュー画面となりました。使用頻度が高いレンジの操作がわかりやすくなったほか、食材からの検索、50音検索、これまで使ったメニュー履歴、個別に設定できるマイリストなど、多彩なメニューもわかりやすく表示します。また、専用のスマホアプリで自分の好みや塩分控えめなどの味付けの傾向を入力することで、最適なメニューをオススメしてくれる機能も搭載しています。

↑よく使うレンジの出力や時間設定がわかりやすくなったほか、イラストとアイコンの多用でグリルやオーブンの使い方ガイド、メニュー検索などもわかりやすくなりました

 

↑スマートフォンと連携してオススメメニューを提案し、毎日の献立選びをサポートします

 

長く在宅勤務を続けていると、コンビニ食や外食、デリバリー食にも飽きてきます。外食やデリバリーは油分・塩分が多くてメタボになるし、何よりお金がかかる。とはいえ、在宅ワークといえども仕事は忙しいので料理に何時間もかけていられない……。そんなとき、食材を切って調味料を入れてチンするだけ、というのは本当に便利。小腹が空いたら、スピードメニューで野菜を摂取するもの良し。これだけで健康的な食事が摂れるヘルシーシェフは、メタボが気になる世代としては大いに魅力的な1台です。

 

水温に応じて炊き方を変える「外硬内軟」炊飯器も登場

また、同オンライン説明会では、7月3日に発売した炊飯器の新商品「圧力&スチーム ふっくら御膳 RZ-W100EM」(実売価格5万2580円・税込)の説明もありました。前モデルは京都の米老舗「八代目儀兵衛」の協力により、「外硬内軟」という独特の触感を再現したことで人気となりましたが、新製品はこれを踏襲し、なおかつ「八代目儀兵衛」の職人の技を新たにプラスしています。

↑「圧力&スチーム ふっくら御膳 RZ-W100EM」。炊飯容量:1.0L(5.5合)、少量炊飯:0.5~1合または1.5~2合の選択可能、保温時間:スチーム40時間、外形寸法:幅248×奥行き302×高さ234mm、質量:約6.0kg、消費電力:1400W

 

新たに追加されたのは、水温に応じて炊飯を制御する技術。八代目儀兵衛の職人は、その日の気温・水温に合わせて炊飯時の火入れのタイミングを細かく調節しているそうです。これは、水温によって米が吸水する速度が変わるため。そこで、吸水時間と加熱時間を調整することで、どんな環境下でも米の中心部までしっかりと水分を行き渡らせ、芯まで熱が伝わるようにして、いつでも安定した外硬内軟に仕上げているとのこと。

 

これにならったRZ-W100EMでは、水温が低いときは底面IHヒーターと側面ヒーターで加熱し、20分以上かけてゆっくりと40℃まで水温を上げ、じっくりと吸水させます。逆に水温が高いときには吸水しすぎないよう浸し時間を短くし、圧力加熱を早めにスタート。これにより、職人のように1年中安定して外硬内軟に炊き上げるとしています。

↑季節によって浸し工程の時間と水温を変えることで、1年中安定したご飯に炊き上げる

 

また、日立炊飯器の大きな特徴として、炊飯時の蒸気の噴出が少ない「蒸気カット」があります。新製品では蒸気キャップを上蓋内部に内蔵することで、洗浄部品の点数を減らしてお手入れの手間を省きました。

↑蒸気カットのための蒸気キャップの上蓋内部に内蔵したことで、炊飯器天面もすっきり

 

在宅勤務が多い筆者は、自宅で炊いたご飯を1日3回食べることもあるので、いつでも美味しいご飯が炊けるのは魅力的。残念ながらコロナ禍により新製品の試食会が開かれず、その味をお伝えすることはできませんが、前モデルが個人的に最も好みの食感・味だったので、今回も期待しています。

 

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