鍋がおいしいこの季節、調理家電の新作から見つけた注目商品が、卓上で無水調理の鍋やグリルとして活躍する、テスコムの「テーブルクッキングポット TGP70A」です。鍋の容量は3.5Lと大きく、3〜5人で食卓を囲むときも重宝します。用途別に使い分けができるプレートも付属して、実売価格1万4300円(税込)。これはコスパが良さそうな予感がします!
さまざまな調理家電をレビューしてきた筆者が、プロの目線で本機の実力をじっくりチェックしました。
3種プレートやコンロでも使えるなど汎用性が高い
まずは調理家電としての特徴からチェックしていきましょう。ベースとなる「深なべ」は、無水調理だけでなく、煮る/焼く/蒸すといった調理も可能な1台3役。また、焼きものにピッタリな「溝つきプレート」と、たこ焼きが21個焼ける「たこ焼きプレート」が付属しているので、幅広いメニューに挑戦できます。
無水調理に欠かせないフタのパッキンは、厚く、耐熱性がありそうなゴム製になっています。これが鍋の縁に密着し蒸気を閉じ込めることで、食材から出る水分を無駄にすることなく無水調理できるのです。パッキンは着脱可能なので、料理に応じて使い分けることができるうえ、洗浄がラクというメリットもあります。
無水調理ができる調理家電には、鍋ブタを重くしたり密着性の高い構造にしたりすることで、蒸気を逃さない構造にするタイプが多数。しかし「テーブルクッキングポット TGP70A」の場合は、ガラスブタなので調理中でも中が見えるうえ、軽量で取り扱いしやすいのがポイント。また、鍋の縁を一段高くすることで吹きこぼれしにくい形状になっているとのこと。気軽に使うための配慮が随所に光ります。
「深なべ」は、ガスコンロやIHにも対応可能。途中までキッチンで下ごしらえをしておいて、卓上で仕上げの加熱や保温で食べる、といったこともできます。
ミルフィーユ鍋で実感! シンプルでも絶品料理ができる
ここからは実際に無水鍋料理を作っていきます。トライしたのは、白菜と豚バラ肉の重ね鍋。「ミルフィーユ鍋」とも呼ばれるアレです。それぞれ1枚ずつ白菜と豚バラ肉を交互に重ねて、適度なサイズに切って鍋に敷き詰めていけばOK。仕上げに青ねぎや白髪ねぎをあしらうと、見栄えも風味もアップします。
味付けはだしと塩。お好みでしょうがを切って加えるのもオススメです。ポン酢などをつけダレにして味わうなら、ベースの味付けは軽めでOKでしょう。準備ができたら電源を入れます。
温度の高まりとともに熱が入り、やがて白菜から水分が出てきます。さらにグツグツ熱すると、やがてフタの内側に水滴が。これぞ無水調理の醍醐味。食材のうまみを濃縮するとともに、栄養を逃さないのでヘルシーに楽しめるのも魅力です。
ころ合いをみてフタを取ると、白菜の水分がしみだして底部に自然のスープを作り出していました。こうなればもう食べごろでしょう。味わってみます。
お、これは! 水を入れていないからか、白菜や豚肉の甘みがダイレクトに感じられる印象です。特に、豚肉に含まれている脂を白菜が適度に吸い、余計な油分はスープの中へと落ちていくので、脂の多いバラ肉ながらギトギトしていなく絶品。シンプルでもこれだけウマくできるとは、料理上手になった気分です。
なお完成後、卓上IHクッキングヒーターは片付けてもOK。もし再加熱したいときや、鍋のシメを作るときはコンロで調理すればいいのです。パーティーで次の料理を並べたいときなど、テーブルの上をスマートに活用できます。
「溝つきプレート」はサブプレートとして十分に活躍してくれる
続いて、「溝つきプレート」で焼肉にトライしました。大きなチェックポイントは3つ。脂切れのよさ、焦げ付きのなさ、焼き目のシズル感です。
焼肉専用のホットプレートではないので、水受け(脂の燃焼を防いで煙を抑える)などはありませんが、そこまで煙は気になりません。溝に脂が流れるので肉のベタッとした感じはなく、焼き目もおいしそうです。プレートの表面はコーティングされているので、焦げた汚れがガンコにこびりつくこともなし。付属のサブプレートとしては優秀なレベルだといえるでしょう。
また、コーティングはもちろんメインの「深なべ」にもしっかりされていて、洗浄にも手間取りません。3種のプレートはすべて丸洗いできるというのも、衛生的で秀逸です。
無水調理にはヘルシー料理の可能性がありますし、冬の鍋だけでなく、夏はカレーなどにも使えそうです。パッキンが着脱できたりコンロでも使えたりと汎用性が高いので、万能なホットプレートを探している人はぜひチェックを。