メディアを中心に活躍し、昨年は「Rolaʼ s Kitchen」でレシピ考案で協力するなど、活動の幅を広げるフードディレクターの川上 ミホさん。先日9月18日には単著となる「キッシュトースト」を発売し、制作過程でパンやトーストと向き合う日々が続いたようですが、そこで大活躍したのが「バルミューダ ザ・トースター」です。今回はシンプルなトーストのおいしさを生かす3つのアレンジトーストレシピとともに、ザ・トースターやパンの魅力を教えていただきました。
時間がない忙しい朝にはフライパンひとつでできるパワー系トーストを
今回焼いていただいたトーストは、ベーシック、変わり種、スイーツ系の3タイプ。それぞれ具材や味付けを変えてディレクションされたものですが、どれもアイデアに富んだ個性的なものばかり。見た目の鮮やかさは写真を見ての通り! そして、抜群においしいのは言うまでもありません。まずは1つ目のベーシックから、お話を伺いました。
「これは朝食にぴったりの一皿。食パンのうえにチーズをのせてチーズトーストを作り、そこに目玉焼き、ローストトマト、カリカリベーコンをトッピングしました。時間がない朝でもパッと作れて、でも豪華で満足感も得られると思います。なのでネーミングは『ボリュームモーニングトースト』ですね」(川上さん)
ポイントは、ベーコンをカリカリになるまでソテーすること。そこでフライパンに残った脂をそのまま使い、トマトと卵を焼き上げるのがおいしさの秘訣とか。
「焼くのはすべて同じフライパンでOK。簡単ですし、トマトと目玉焼きをベーコンの旨味が包み込むのでよりおいしくなるんです。トマトはソースのような役目を果たし、目玉焼きは白身の縁がチリチリっと香ばしくなるのもいいですね。ちなみにフライパンはどんなタイプでも大丈夫です」(川上さん)
エスニックと和が調和して生まれた多彩な食感が楽しめるワクワクトースト
次は変わり種。ということで、川上さんが考案したくれたのは、エスニックなテイストの一枚です。香りや味だけでなく食感にも楽しさがあって、でも手軽に作れるトースト。それは思わず食べてみたくなってしまう、ワクワクするような一皿でした。
「エスニックの食材で、最近特に人気なのがパクチー。その香りにも合って、食感が楽しいというところで海老を採用し、一方でシャキっとしたレンコンも加えました。ネーミングはそのまんま『海老レンコンパクチー』ですね」(川上さん)
実は、レンコンはインドや中国が原産(エジプト説もあり)で、日本だけでなく中国やベトナムでもポピュラーな食材。根の部分をレンコンとしてよく食べるのは日本人とのことですが、アジアンな味付けとレンコンは思いのほかマッチ! そしてこちらも1品目同様、具の調理はきわめて簡単とか。なお、このトーストはチーズをのせずにそのまま焼くだけと、よりシンプルです。
「海老とレンコンは、沸騰したお湯で1分半~2分茹でてマヨネーズと和えればOK。味付けはこれだけで十分ですが、濃い目が好きな人は塩を適量振るといいでしょう。お酒が好きな人は白ワインもいいですが、私のオススメはビール! タイの『シンハー』を合わせると最高だと思いますよ」(川上さん)
ティラミスでおなじみのチーズを使った技ありの甘味トースト
最後は食後のデザートやおやつとしても重宝するスイーツ系。1品目はアメリカン、2品目はエスニックということで、川上さんが提案したのは和のテイストをベースに、あの素材を添えた技ありのトーストでした。
「ジャムやチョコ以外で楽しく、そしてヘルシーなのが和の甘味のいいところ。いまは秋なので、旬の栗の甘露煮を使ってあんこと合わせました。そしてクリームのように見えるのは、マスカルポーネチーズです。ネーミングは『栗マスカルポーネあんこ』ですね」(川上さん)
どの素材も自分で作るのは手間がかかるので、スーパーなどで売っているものでOK。そして川上さんは、ティラミスでおなじみのマスカルポーネチーズを使うのがポイントと教えてくれました。
「生クリームのように泡立てる必要がなく、ほかのチーズよりも固くなくて塗りやすいのがマスカルポーネの魅力。個人的に大好きでよく使うのですが、甘さや濃厚さをほどよく中和するのに最適ですね。なお、あんこが苦手な人は甘く煮た黒豆でもオススメですよ。栗に添えるとちょっと『おせち』っぽくなっちゃいますけど(笑)」(川上さん)
パンを食べるのが楽しみになる性能を秘めたバルミューダ ザ・トースターはもう手放せない存在
3つのトーストに共通しているのが、おいしそうな見た目に反して、とにかく手軽なこと! 土台となるパンすべてに食パンを選んだのも、日本人に最もなじみ深くどこにでも売っているからというのが理由です。川上さんの著書「キッシュトースト」では、バゲットや丸いフランスパンを使ったレシピもたくさん載っているので、よりパンが好きな人にオススメといえるでしょう。
ところで、そのなかでもフル活用された「バルミューダ ザ・トースター」。著書の企画以前から川上さんは愛用者とのことですが、出会いは何だったのでしょうか?
「バルミューダ ザ・トースターが登場した時、料理関係者やメディアの人を中心に『スゴイ』って噂していたのですぐ買ったんですよ。デザインもさることながら、水を入れて焼くからか、なかの生地がもちもちになるじゃないですか。ほかのトースターだとパサパサになりがちですが、焼き上がりが全然違うのでもう手放せないですね。あと、パンの縁の部分をしっかり香ばしく焼いてくれるところも気に入っています」(川上さん)
「キッシュトースト」の制作で、性能の高さをより実感したという川上さん。この商品には、数種類のパンでトーストの焼き分け機能があるのも特徴です。
「今回の『ボリュームモーニングトースト』でも活躍したのが、チーズトーストモード。ピザトーストをはじめ、野菜や果物など調理前の具材をのせたメニューに最適ですね。ほかにも焦げ目を付けずに焼くフランスパンモードや、表面だけをサクっと仕上げるクロワッサンモードなど、パンを食べるのが楽しみになる機能が満載。パンが好きな人にはぜひ使ってほしいと思います」(川上さん)
「ご飯も好きですけど、食事にもスイーツにもなって形や大きさなども自由なパンは心を躍らせてくれる魅力がありますよね」と川上さん。『キッシュトースト』でたくさんのパンと向き合い、さらにその自由な魅力を発見したようです。次なるパン関係のレシピブックの出版が楽しみですね。
取材・文=中山秀明 撮影=真名子
【Profile】
FOOD DIRECTOR /
川上 ミホ (W)
国内外のレストランを経て独立。食のスペシャリストとして書籍、雑誌、TVなどメディアを中心に活動。2014年、目黒区東山にプライベートレストラン「5 quinto」をオープン。2015年、Louis Vuitton city guide TOKYO 版掲載など注目を集めると共に、同名で食を中心としたライフスタイルブランドをスタートしている。また、2015年には、ローラさんのレシピ本「Rolaʼ s Kitchen」にてレシピ提供、執筆、フードディレクションを行い、2016年9月18日には「キッシュトースト」を上梓。
「キッシュトースト」(文化出版局)
1,404円(税込)
薄く伸ばしたパンを土台にして、そこに具材とアパレイユを流してオーブントースターで焼くだけ――手軽に楽しめるキッシュトーストのレシピが盛りだくさんの一冊。「えっ、こんな組み合わせもありなの!?」と驚いてしまうけど、とにかくおいしそうなレシピが46も収録。好評発売中。
【URL】
何気ない日常を、大切な毎日に変えるウェブメディア「@Living(アットリビング)」