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2016/10/10 6:00

“風呂場ルンバ”は消えゆく銭湯を救えるか? ルンバ無償貸与に見る伝統文化の未来

先進技術で伝統文化を守れるか? 10月10日、大田区の銭湯において、そんな命題に挑むユニークな試みが行われます。この試みを行うのは、ロボット掃除機の「ルンバ」で知られるアイロボットの日本総代理店、セールス・オンデマンドです。

 

昔ながらの銭湯に「ルンバ」「ブラーバ」を無償レンタル!

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10月10日は「体育の日」でもありますが、実は「銭湯の日」でもあります。これは1964年の東京オリンピックの開幕日にちなみ、スポーツで汗をかいたあとに入浴をすると健康増進につながることから、東京都公衆浴場業生活衛生同業組合が1991年10月10日に制定しました。10月10日を1010(セントウ=銭湯)と読む語呂合わせも由来のひとつとされています。

 

さて、この「銭湯の日」、セールス・オンデマンドは、東京都大田区にある「大田黒湯温泉 第二日の出湯」にロボット掃除機の無償貸与を開始します。無償貸与の目的は、清掃の負担軽減を通じて、伝統的な文化継承に貢献するためだといいます。

 

東京・大田区の西蒲田にある「大田黒湯温泉 第二日の出湯」は、昭和30年に創業し、今もなお昔ながらの銭湯スタイルを残す天然温泉。こだわりの湯は今でも窯で薪をくべて沸かしています。薪割り・番台業務・清掃など業務は多く、15時の営業開始前から、深夜の閉店後まで長時間に渡ります。

 

第二日の出湯は家族経営で、平均年齢はなんと72歳。業務のなかでも清掃は特に大変な作業のひとつで、体力面で厳しくなってきたところ、セールス・オンデマンドが手を差し伸べたというわけです。

 

10月10日の「銭湯の日」に先駆けて、9月末には床拭きロボット「ブラーバ ジェット240」5台が創業当初から使われている伝統的な洗い場を特別に清掃しました。10月10日からは、最大112畳(185㎡)の稼働面積を実現するハイエンド機「ルンバ980」と、床拭きロボット「ブラーバ380j」を各1台無償貸与し、多忙な家族に代わり床掃除専属従業員として稼働するとのこと。

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↑「ブラーバ ジェット240」5台を使い、9月末に行われた洗い場の清掃

 

大田黒湯温泉 第二日の出湯の社長、田村純一さん(66)は、「人の出入りが多いからどうしてもホコリや髪の毛といったゴミが多く困っていました。ルンバはボタンを押しておけばその間に他の事ができる。お風呂は人の手で洗わないといけないから、そちらに時間をかけられるようになって助かっています。伝統的なスタイルの銭湯は、従業員の高齢化が進んで少なくなりつつありますが、便利なロボットの手を借りながら、がんばって守っていきたい」とコメント。

 

一見相反するもののように見える先進技術と伝統文化。しかし、両者がうまく嚙み合えば、共存共栄の道が開けるはず。今回の試みはそんな願いを乗せた例であり、今後も同様の例が増えることを期待したいところです。

↑番台の近くを掃除する「ルンバ980」
↑10月10日から稼働する「ルンバ980」

 

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↑床拭きロボット「ブラーバ380j」