例年この時期は炊飯器の発表が相次ぎます。ひと昔前は、新米の季節、および食欲の秋に向けて8~9月の発表が多かったのですが、年々早まり、今では6~7月、早ければ5月に発表するメーカーも。そして今回は、7月2日に日立グローバルライフソリューションズからIHジャー炊飯器「ふっくら御膳 RZ-W100FM」(実売価格8万7780円・税込)が発売されました。ここでは、その試食付きの発表会の様子をレポートします。
新米でも「外硬内軟」の炊き上がりを再現
IHジャー炊飯器「ふっくら御膳 RZ-W100FM」が従来モデルから進化したポイントは「極上新米」コースが追加されたこと。というのも、ユーザーアンケートで不満点を聞くと、「保温がおいしくない」が最も多く、次いで「新米の炊き上がりが違う」となっており、日立はまず、新米の味に注目したのです。
日立では、2018年から京都の米料亭「八代目儀兵衛」とコラボし、同店の特徴である「外硬内軟」の炊き上がりを再現しています。米粒の外側は噛みごたえのある硬さを維持しながら、中はもちっとした柔らかさを持つ独特の食感と甘味が特徴となっていますが、新米は水分を多く含むため、「外硬内軟」がうまく再現できない場合があるのです。
八代目儀兵衛では、季節によって変わる米の状態に合わせ、職人が浸し時間と火加減などを調節することで外硬内軟を維持しており、新米の場合は追い加熱や蒸らし時間を調節することで水分を飛ばしてハリ・ツヤを出しています。
この八代目儀兵衛の職人の技を取り入れたのが「極上新米」コース。水加減を変えることなく、ボタン1つで新米の持つハリ・ツヤを活かしながら外硬内軟の食感を楽しめるようになったものです。
長時間保温でもしっとり感をキープ
さらに、不満のトップだった「保温が美味しくない」問題についても取り組んでいます。「ふっくら御膳」では、炊飯中の蒸気を内ふたの「給水レス オートスチーマー」に貯め、保温時に内釜にスチームにして送り込むことで、保温ごはんをしっとり保つ工夫をしていましたが、実際に使用しているユーザーからすると、それでも十分とは言えなかったようです。
そこで、新製品では「給水レス オートスチーマー」に貯まる水分量を増やし、スチームを送り込む時間を長くすることとしました。ふっくら御膳では最大40時間の保温が可能で、従来は24時間で1回あたり約1~2時間のスチームを3回放出していましたが、新製品では1回あたりの放出時間を“約4~4.5時間を3回”に伸ばすことに成功したのです。この結果、長時間保温でもしっとりした食感を保つことができるようになりました。
ごはんを噛むという行為が楽しい!
さていよいよ試食タイムです。同社の過熱水蒸気オーブンレンジ「ヘルシーシェフ」で作ったおかずとともにいただきます!
今はまだ新米の季節ではないので極上新米コースは楽しむことはできませんでしたが、やっぱりウマい! 今回、米は八代目儀兵衛オリジナルブレンド米である祇園料亭米「翁霞」(おきなかすみ)を使用しており、これが本機にベストマッチ。ごはんは香り高いうえ、粒立ちがよく、口に入れても米一粒一粒の形がはっきりわかります。米の表面はツルツルしており、ネバネバしていないので口の中で自然にほどけていきます。噛むと歯ごたえがしっかりしており、その後は柔らかくもちっとした食感が感じられます。まさに外硬内軟。ごはんを噛むという行為が楽しくなりますね。
そして甘みが強い! 口の中がごはんの甘みで満たされ、鼻孔からは香ばしい炊き立てごはんの香りが抜けていく……まさに至福のひとときでした。これが毎日食べられたら……しかも、新米が上手に炊けて保温したごはんも美味しいことを考えると、かなり完成度の高いモデルに仕上がったといえます。新米の季節を前に、みなさんもぜひ注目してみてください。