現在、ロボットクリーナー市場には、アイロボット社「ルンバ」を筆頭に、パナソニック「ルーロ」、ダイソン「ダイソン360 Eye」など、強力なモデルがひしめいています。そんな状況のなか、日立アプライアンス株式会社がロボットクリーナー「minimaru(ミニマル) RV-DX1」を発表しました。「なぜいまさら?」との声も多く、出遅れた印象は否めませんが、いまあえて勝負してきた点に、かなりの自信を感じます。では今回の日立の新モデル、他モデルとはいったい何が違うのでしょうか。
最大の特徴は小回りが利く小さなボディ
「minimaru RV-DX1」の最大の特徴は、コンパクトで小回りが利く小さいボディであること。本体幅は25cmで高さ9.2cmとなっており、主要メーカーのロボットクリーナーと比較しても小さくなっています。掃除しにくい狭いところや低いところも掃除できるサイズで、ダイニングテーブルやイスの脚の間、ソファやベッドの狭い場所や高さの低いところ、家具の間や部屋の隅などに入り込むことができます。
「きびきび」という表現がぴったりの移動の速さ
同社は、コンパクトでも性能を落とさず、ゴミがきちんと取れるロボットクリーナーを開発するため、車輪内部に収まる小型の減速機構を新開発し、ギアの構成なども見直しています。横幅が小さいクリーナーは、どうしても掃除時間がかかってしまいますが、素早い動きと判断で通過回数を増やす制御を行うことでカバーするとのこと。新開発の走行制御「minimaru AI」は、壁との距離を計測し、減速しなくても一定の距離に保つこともできるそう。
実際に動きを確認してみると、左回りにグルッと一周して赤外線センサーで部屋の広さを把握してから掃除を開始していました。状況に合わせて100以上の行動パターンから選択するとのことで、うまく障害物を避けながら狭いすき間に入っていきます。何より驚いたのは、移動するスピードが速いこと。ブラシ幅は小さいですが、清掃時間を短縮するためにスピードを落とさないよう開発したそうで、「きびきび」という表現がぴったり。テーブルの足回りもグルグルと回転しながら、狭い場所にグイグイ入り込んでいきます。リチウムイオン電池を採用し、充電時間は約3時間で、最長約60分(自動モード時)掃除できるのも魅力です。
実は、同社が2003年にロボットクリーナーのプロトタイプを発表してから、今回の発売まで13年もの年月を費やしました。これは、高密度実装技術を追求し、ほとんどの部品を独自開発するなど、技術開発に多くの時間をかけたからとのこと。完成まで時間はかかったものの、自信を持って世に送り出せるコンパクトで使いやすいロボットクリーナーになったそうです。
【動画】
独自の人気機能「自動おそうじ」と「ごみプレス」がうれしい
また、日立の製品で好評の機能といえば、洗濯機や空気清浄機に搭載されている「自動おそうじ」機能や、掃除機の「ごみプレス」。これらの機能もロボットクリーナーに搭載されています。さらに、回転ブラシを逆回転させ、ブラシについたホコリを「かきとりブラシ」でクリーニングする「ブラシ自動おそうじ」も搭載しています。ブラシにからまってしまったペットの毛などを落とせるのはうれしいですね。
小回りが利くので日本の家屋の実情に合っている
本機の実際の動く様子を見ていると、整理整頓されたモノの少ない家よりも、家具やモノが多い家に向いているかもしれません。狭い場所を重点的に掃除する制御ソフトを搭載しており、小回りも利くので、ちょっとくらい散らかった狭い場所でも掃除してくれそう。実際の部屋は、床にモノが置いてあったり、複数の家具があったりする場合が多いわけで、狭い日本の家屋の実情には合っているようです。流行りのSLAM(自分の位置の把握と部屋の地図作成を同時に行う技術)などは搭載していませんが、独自の動き方で賢く働いてくれそうなロボットクリーナーでした。
【SPEC】
サイズ/質量:W250×H92×D250mm/2.3kg
集じん容積:0.25ℓ
掃除時間:最長約60分(自動モード時)
充電時間:約3時間
掃除モード:自動/念入り/スポット
タイマー予約:1~12時間後・毎日同じ時間に掃除開始