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2022/10/6 11:30

完成度高いな! ゴミ収集・モップ洗浄も全自動のロボット掃除機「Roborock S7 MaxV Ultra」を使った本音をレポート

世界累計販売台数1000万台以上(2021年12月末時点)を誇る中国のロボット掃除機メーカー、Roborock(ロボロック)から、最新モデル「Roborock S7 MaxV Ultra」(実売価格21万7800円・税込)が発売された。水拭きモップの洗浄と、水拭きに必要な給水を自動化し、さらに、吸引したゴミも自動収集する「3way全自動ドック」を採用したロボロック渾身のフラッグシップモデルだ。実際に掃除を行いながら、その完成度の高さを確かめていこう。

↑Roborock S7 MaxV Ultraは全国のヤマダデンキ各店舗とヤマダウェブコム、ロボロック・ジャパンのダイレクトショップで販売

 

モップ洗浄・給水・ゴミ収集まで行う「3way全自動ドック」

ロボット掃除機を導入する理由は、ひと言で言えば「ラクだから」だろう。重い掃除機を片手に家中を歩き回る必要はなく、人間がやることと言えば、スタートボタンを押すことだけ。スケジュール機能を使えばそれさえ不要で、時間になると、「さあ、やりましょうかね」という具合に掃除をスタートしてくれる。

 

最近では、ゴミの吸引掃除に加え、水拭き掃除も行ってくれるロボット掃除機が増えているが、汚れた水拭きモップのお手入れが必要なうえ、掃除開始前に給水タンクに水を補充したり、ダストカップに溜まったゴミを捨てたりと、すべてを“おまかせ”するわけにはいかなかった。いくら「ラクだから」と言っても、まだまだ人間によるサポートが必要だったわけだ。

 

が、しかし、である。ロボロックの最新モデル「Roborock S7 MaxV Ultra」は、ゴミ吸引と水拭きを同時に行う1台2役の機能を備えるのはもちろん、水拭きモップの洗浄と、水拭きに必要な給水を自動化し、さらに吸引したゴミも自動収集する「3way全自動ドック」を採用。掃除が終了するたびに人の手でモップを水洗いする必要がないうえ、水拭きに必要な水をドックの清水タンクから本体に自動給水し、さらに、本体のダストボックスからゴミを自動収集してくれる。掃除前の「準備」や掃除後の「お手入れ」の手間を大幅に削減できるのだ。

↑「Roborock S7 MaxV Ultra」最大のアピールポイントである「3way全自動ドック」。タンクは左から、水拭きモップの自動洗浄で汚れた水を溜めておく汚水タンク、水拭きモップの自動洗浄や、水拭きに必要な給水に使用するキレイな水を溜めておく清水タンク、本体のダストボックスから自動収集したゴミを溜めておく紙パック式のゴミ収集ボックスとなる。本体の充電速度が従来モデル比で30%速くなり、約4時間半でフル充電できるのも見逃せないポイントだ

 

水拭きモップの自動洗浄性能をチェック

本機の水拭きモップ洗浄の基本的なメカニズムは、毎分600回転する洗浄ローラーで汚れを落とすというが、汚れが付いた水拭きモップは本当にキレイになるのだろうか? 擬似汚れとして墨汁を床にたらし、実際に確かめてみたところ、キレイに汚れを水拭きしてドックに戻り、自動で洗浄。水拭きモップを見てみると、真っ黒な墨汁がしっかり落ちていた。

↑自動洗浄された水拭きモップを見てみると、なるほど、真っ黒な墨汁汚れがしっかり落ちていた。これなら人の手で水拭きモップを洗い直す必要はないし、「3way全自動ドック」には約60日分のゴミを溜めておけるので、ゴミ捨ての頻度が大幅に減るのは間違いない。まさに至れり尽くせりだ

 

水拭き掃除については、最大3000回/分の高速振動モップと600gのモップ加重で、床に付着するベトベトした汚れまでしっかり取り除いてくれる。本機は一般的なロボット掃除機よりも少し本体が重い印象を受けたが、この“重さ”が600gのモップ加重を生み出しているのだ。検証では、墨汁を床の上にたらし、ドライヤーを使って乾燥させ、ベタついた汚れを再現。水拭き掃除の結果は期待以上で、1度の走行で、ベタついた汚れをキレイに拭き取ってくれた。

【動画】水拭き性能の検証

 

↑水拭きモップの洗浄タイミングは、10分から5分間隔で50分まで、9段階で設定できる。いつでもキレイな水拭きモップで清掃したい場合は、洗浄タイミングを短く設定するといいだろう

 

吸引性能はどうだろう? 小さなゴミに見立てた小麦粉と、大きなゴミに見立てシリアルを、1度の走行でしっかりと吸引。同じ場所を何度も走行することなく、効率的に清掃を行う「Roborock S7 MaxV Ultra」だが、この吸引力ならゴミを取り逃す心配はなさそうだ。

 

【動画】吸引力を検証

↑約60日分のゴミを溜めておける容量2.5Lの紙パック。0.3μm以上の微粒子(花粉)を99.7%捕らえる高性能な紙パックを採用しており、排気がキレイなのもうれしいポイント。1点気になったのは、ダストボックスからゴミを吸引する際の運転音。「ブオーン」とそれなりに大きな音がするので、テレビ鑑賞時や就寝中などには少し気になるかもしれない

 

↑「おやすみモード」で時間を設定しておけば、掃除後のゴミの自動収集が行われないようにすることも可能。夜間に掃除を行う際など、音を立てたくない時に利用するといいだろう

 

障害物を認識・回避しながら効率的に清掃

ロボット掃除機としての“賢さ”も確認していこう。「Roborock S7 MaxV Ultra」は、毎分300回転し、周囲を360°スキャンする高性能なLDSレーザーセンサーを備えており、素早く正確に部屋のマップを作成するとともに、顔認証技術を応用して物体との距離や形状を判断する「ストラクチャードライト&カメラ」と、物体を画像でとらえる「RGB カメラ」の2種類のカメラを搭載。

 

8種類(履物、コード、電源タップ、布類、ペットの排泄物、扇風機などの台座、体重計、ちりとり)の障害物に加え、5種類(ベッド類、複数人がけのソファ類、テレビスタンド、ダイニングセット、洋式トイレ)の家具を認識・回避する。また、そのほかの障害物や家具も「その他」として認識し、回避しながら効率的に掃除を行ってくれる。

↑LDSレーザーセンサーは、本体天面の突起部に搭載されている。レーザーを活用するため、遮光カーテンを閉めたような暗い部屋でもきちんとマッピングしてくれる。また、本体前面や底面には、カーペット認識センサーや落下防止センサーなどを装備。全24種/32個のセンサーを活用し、障害物や段差など、部屋の環境をしっかりと見極める仕組みだ

 

↑本体前面に、「ストラクチャードライト&カメラ」と「RGB カメラ」を搭載。これらのカメラがとらえた情報をAIで解析し、スリッパやコードなど8種類の障害物に加え、ベッドやソファなど5種類の家具を認識・回避する

 

↑カメラの下には「LEDフィルライト」を装備。掃除中、周囲が暗くなると自動で点灯する。カーテンを閉め切った部屋や、ベッド、ソファの下などの暗い場所でも、しっかりと障害物を認識・回避してくれた

 

エリアごとに規則正しく効率的に清掃

まずはリビング、次にダイニング、最後はキッチンといった具合に、エリアごとに掃除を進めることも可能だ。エリアごとに最初は外周を掃除し、その後内側を掃除していく。障害物として置いたスリッパと体重計を涼しい顔で回避しながら、同じ場所を何度も走行することなく、直線的に規則正しく、効率的に掃除を行うのが印象的だった。

 

1LDKのフロアを掃除させてみて印象的だったのは、ムダな動きがほとんどないこと。エリアごとに外周を掃除後、内側を直線的に走行して掃除を進めていく。部屋の隅々まで効率よく、スピーディに掃除していく納得の仕事ぶりだ。

【動画】動きを早送りでチェック

 

なお、回避した障害物は、専用のスマートフォンアプリ「Roborockアプリ」(Android/iOS対応)のマップ上にアイコン表示され、タップすると、「Roborock S7 MaxV Ultra」のカメラが撮影した障害物の画像を確認できる。床の上に多少物が落ちていても、これなら安心して掃除をまかせられそうだ。

 

このほか、カーペットを感知すると水拭きモップが自動的に5mmリフトアップする機能、カーペットを避けて掃除する機能もある。カーペットを濡らす心配がないのもうれしい。

↑毛足4mm未満のカーペットを掃除する際には、水拭きモップを自動で5mm持ち上げ、ゴミの吸引のみを行う「自動モップリフトアップ」モードを選択できる。また、毛足4mm以上のカーペットを掃除する際には、「カーペット自動回避」モードが選択可能だ

 

驚くほど“手のかからない”ロボット掃除機

床掃除を自動化できるロボット掃除機だが、頻繁にゴミ捨てが必要だったり、水拭きモップを毎回手洗いしなければならなかったりと、すべてを“おまかせ”するわけにはいかなかった。その点、「Roborock S7 MaxV Ultra」は、水拭きモップの洗浄を自動化し、水拭きに必要な給水も自動化。さらに、吸引したゴミも自動収集してくれるとあって、床掃除のほぼすべてをおまかせすることができた。

 

また、障害物を回避しながら効率的に掃除を行う“賢さ”や、スマートフォンアプリとの連携による使い勝手のよさなど、ロボット掃除機に求められるものすべてがしっかり網羅されていた。気になるところと言えば、本体のダストボックスからゴミを吸引する際の、「ブオーン」という運転音くらいだろうか。掃除や掃除機のお手入れなどに費やしていた時間を、家族との時間や趣味の時間に使える喜びは大きい。せっかくロボット掃除機を導入するのなら、心と時間にゆとりをもたらしてくれる、「Roborock S7 MaxV Ultra」のような“手のかからない”1台を選びたいものだ。